Drの「なんで食べないの?」が意味すること

Hey Guys!
今回は1つの症例を通して大切な学びがあったのでシェアします。

微熱と食欲不振が1週間以上続いたため病院受診。

Dr:なんで食べれられないの?
Nr:1Wくらい前から食事介助しても食べられなくて。
  食べ物を口に入れても飲み込めないです。
  昨日から微熱もあります。
Dr:あ〜
  とりあえず血液とましょう。
  おそらく看とりだと思うよ。

血液検査の結果はAlb3.0以下で低値であるが、前回の血液検査とさほど変わらない数値。BUN/CREからも脱水の所見は見当たらない。Hbも元々低く貧血の進行も見当たらない。電解質も正常範囲で保たれている。尿路感染の疑いも否定的であった。

本人の状態は、相変わらず食事は進まないが、解熱しており元気である。
受け答えははっきりできる。車椅子離床して食堂まで出てきている。但し、食事を口に入れるとなかなか飲み込めない。

病院受診の結果は看取り期である。点滴も必要ない。との判断。

私はどうしても信じられなかった。

その日から点滴ラクテック1本/日が開始となった。

「お腹すいた」「喉乾いた」「ご飯まだか」の発言は聞かれるが
いざ食事の時間になると飲み込めない。
食事形態は元々嚥下食であり、ゼリー粥・ソフト食である。
「しょっぱいのが食べたい」と仰ったので抽象的すぎるなとも思いながら
その日の食事の味付けを濃い味にアレンジしてもらって提供した。
それでも数口口に含んでほとんど飲み込めない。
翌朝、温泉卵は全量摂取したと看護師が報告してくれた。
看護師が清涼飲料にトロミをつけて飲ませたらコップ1杯飲んでくれた
そう。
これをきっかけに食べられるようになるかなと思った。

翌日、下血したと報告を受けた。ハルーン50mlで極めて少ない。BT37〜38°台の発熱。BPは安定している。

昼にミールラウンドで訪室すると、ベットでグッタリしている。
発熱もあり、体は熱っている。
「何か食べたい」と仰った。
今の状態で何か食べたら誤嚥リスクが高そうだなと思いながら
看護師が昼食についていたヨーグルト(大好き)を食べさせてくれた。
結局、飲み込めずに未摂取で終わった。

夕方、脈拍が早くなってきた。モニターが装着となった。

翌朝、永眠。

病院受診して1週間。看取りと言われて1週間。

Drのみたては正しかったでのある。
私がここで学んだことは
理由なく食事が食べられなくなった場合、最期が近いのだということ。

施設に勤務していると、食事摂取量が低下しても、口から吐き出しても
食事介助や食事形態の工夫などで食事摂取量が回復するケースを多く見る。
今回とケースとの差は何か?

本人の「食べたい」とう意思があるにも関わらず
食事が食べられなかったこと、水分が摂取できなかったこと
これは身体の自然な反応なのだと思う。

また一つ今回も利用者様に教えていただいた。



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