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【子育て】ヒゲ息子、暴れる

中学3年になる我が家のヒゲ息子の様子がおかしい。

好きなアイドルの動画を見てニヤニヤしたり、「俺の朝はシャンプーしないと始まらない。」と朝風呂をする。

そんな余裕があるのなら、そのヒゲを何とかしてほしい、と母は所望してやまない。

そんなヒゲ息子が暴れた。

原因は私だ。

おしゃれに目覚めたくせに、髪の毛を切りに行くのはどうも面倒くさいらしい。
その髪はもうまるで、ライオンのようにワイルドで自由だ。

なんだかんだで1ヶ月以上放置されたタテガミはもう限界だった。

なのに、まだ床屋に行くのは面倒という。
冗談で、「母さんが切るよ!」と怒ったら涼しい顔でよろしくという。

こうして、何年ぶりかに私がヒゲ息子の髪の毛を切ることになった。

滑り出しは好調だった。
ハサミさばきなんてなかなかだ。
自分でもうっとりする。
このままラストまでいけるはずだった。
そこには何の疑念もなかったのだ。

しかし、やっぱり事件は起こった。

ヒゲ息子があれほどこだわっていた前髪に差しかかったときだ。

「あっ。」

この、私の「あ」はやばい。
いけない「あ」だ。
「あ」という一文字に含まれる単語ハンパない。

やべっ。
やっちまった。
取り返しつかず。
これはごまかせない。
でた、トラ刈り!
いや、アシンメトリーってことにしよ。
あれ?NON STYLEの井上さん?

片方の一部の前髪だけ、スッカスカになってしまった。
スカスカではなく、スッカスカだ。

どうやったらこんなにと思うほどだった。

ヒゲ息子がその異変に気付くまでは2秒とかからなかった。
まさに今流行りのあれだ。「秒で」なんとやらだ。

ヒゲ息子は鏡を見て叫び暴れる。

しかし、そのうち笑いだした。

面白前髪の自分がちょっとおいしいと思ったに違いない。さすがは私の息子だ。

ここで丸く納めたいところだが、そこで終わらないのが我らがヒゲ息子だ。

「浮いた金をくれ。」

とニヒルな笑いを浮かべる。

そうだ。
床屋代をせびる作戦にでてきやがった。

私に一抹の不安がよぎる。。。

ま、まさか、始めからそのつもりだったのか!!

結果、そんな知能犯ではなかったのだが、かくして、ヒゲ息子はライオンからトラになった。

しかし、髪の毛を切るって信頼関係があってこそだ。
息子からしたら今日のこのドタバタ劇は母の裏切りでありサプライズというところだろう。

悪いことが起きても「おいしい!」と思えるたくましさ、さすがはヒゲ息子だ。

人生それ、めっちゃ大事!





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