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書き始めよう、自分のために。

仕事を辞めたら(正確には正社員から非常勤になったら)、書きたい、と思っていた。

私はずっと趣味で文章を書き続けてきた。しかし、あることが原因で書けなくなった。それでも書いてはいたのだ。自分のためではない、仕事として書く誰かのための文章だけは。それはそれで、やりがいはあったけれど、大好きな「書く」という行為がノルマとしてこなされる対象になったことは、私の精神をさらに疲弊させた一因でもある。「好き」を消耗することは、私みたいな感覚優位な人間にとって致命的だなぁとボンヤリ思った。

そう。気付いたときには、ボンヤリとしか思えなかった。私の精神は日常に追われるなかで鈍麻し、摩耗していた。でもどうしようもなかった。

2年と少し前、私は自己免疫疾患を発症した。現時点での医学では完治の方法がなく、一生付き合う病気。個人差はあるらしいが、これまで患ったどの病気よりも付き合いづらく、1日12〜14時間、繁忙期は18時間働いたりせざるを得ない、しがない会社員にはなかなか過酷な日々となったわけだ。心身がいよいよ追い詰められ、日常の崩壊が見えたとき、私は自分の感覚を必死に研ぎ澄ませた。

会社を辞めよう。自分のために書こう。

理由はわからない。ただ、それが私や家族の幸せになるのだという、根拠のない自信はあった。

書けなくなった原因も乗り越えなくてはいけない。ReLIFEするのは、いまだ。満を持して時がきた。さあ、書き始めよう。自分のために。







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