日記のススメ
最近、仕事の方が忙しく、更新が滞っておりました。
今回は、題の通り、ぜひ日記をつけていただきたい、ということについて書きます。
私たちはつい、
・自分の考えていることは、自分が一番よく理解している
・数ヶ月後、1年後、5年後も自分は変わらない自分のままである
などと考えてしまいがちですが、
実際に1年前の自分の考えていたことを日記で読み返してみると、意外な発見があったりします。
日記をつけることは、このnoteのテーマである、宗教や脱会についての問題の解決にも関係しているので、よろしければ参考にしていただければと思います。
日記の役割
まず、日記の役割について説明しておきたいと思います。
私は、日記には以下の3つの役割があると思っています。
1、感情の保存
2、気持ちの整理
3、決断の後押し
順に説明します。
1、感情の保存
冒頭でも書いたように、私たちは意外と自分の考えたことや感じたことを長時間記憶に留めておくことができません。
ヘタをすると、明日には今日抱いたこの気持ち、感情を忘れてしまいます。
(だからこそ、悲しみや苦しみなどの負の感情からも解放されて、生きていくことができるのですが。。)
波がやがてはおさまって、平穏な水面に戻っていくように、感情のたかぶりも時間と共におさまっていきます。
宗教、脱会問題においてもこの現象が起こっており、それゆえに脱会ができないままズルズルと日々が過ぎ去っていくということが多いように思います。
例えば、教団の集まりに出かけたり、伝道活動に出かけたりして、
・「ああ、こんな納得いかない教えを聞き続けるのはもううんざりだ。」
・「自分にとっては、この活動をこれ以上続けていくことはもう無理だ。」
・「正しいと思っていないことを人々に伝えることに罪悪感があって、これ以上活動を続けるのはもうやめよう」
などと思ったとしても、しばらく経つと、
「まあ、とりあえずもう少し様子を見るか」
と再び集会へと足を運んでいる自分がいることに気づきます。
これは、モラハラやDVに悩んでいる方にも同じような心理が働くでしょうし、いわゆるブラック企業を辞めたいのに辞められない、という方にも同じことが言えるかもしれません。
私自身も経験したことなので、少し強めに言っておきたいのですが、
もう少し様子をみよう。
と思って、先延ばしにしている限り、辞める時は一生来ません。
モラハラであれば、そのモラハラしてくる相手から一生離れることはできませんし、
ブラック企業であれば、その会社をやめることは一生できません。
どんな環境であれ、そこから離れる時には勇気が必要になります。
たとえ、その場にいることが自分にとって良くないとわかっていても、そこから離れて、一人で生きていくよりは、この未来の予測できそうな日々に留まっていたいと思ってしまうのです。
この「まあ、いいか」という感情のおさまりに騙されないためにも、日記は大切です。
感情が元に戻ってしまう前に、今感じている不快感をしっかりと書き残しておきましょう。
辞めたい、今の環境を脱出したい、と思った時、
その記述を読み返すことで、自分の決定を後押ししてくれるでしょう。
そこに書かれているのは、誰に言われたのでもなく、自分自身が感じていたことだからです。
2、気持ちの整理
以前、どこかの記事でも書いたような気がしますが、書くことによって気持ちが整理され、自分が何を臨んでいるのか、どのように感じたのか、といった思いがクリアーになっていくということが実験などでわかっています。
1日の最後に、
今日あったことや、考えたこと、今の気持ちなどをすべて紙の上に書き起こしていくことで、気持ちを整理し、新たな気持ちで明日を迎えることができます。
特に、この宗教などを「辞めたいのに辞められない」という苦しみを抱えている方は、自分の気持ちを押し殺して、周りの評価で生きてしまっているところがありがちです。
おそらく、クセになってしまっているので、すぐに治すというのが難しいかもしれませんが、日記をつける習慣はそのリハビリにもなると思っています。
この時間だけは、誰にも忖度せず、ありのままに自分の思ったことを書きなぐる。
誰にも見られることがないので、遠慮は要りません。
3、決断の後押し
1のポイントでも少し書きましたが、こうして書き溜めた日記の集積が、自分の決断を後押しする力となってくれます。
あなたが今いる場所を離れたいけれど離れられないのは、
その決断によって誰かを悲しませたり、傷つけたりしてしまうのではないか、という罪悪感があるからではないでしょうか。
あるいは、
この場所を離れるという決定に自信を持つことができず、本当にこの行動をとってしまって大丈夫だろうか、取り返しのつかないことになってしまわないだろうか、という恐怖があるのではないでしょうか。
そうして、先に進むための勇気が出ない、ためらってしまった時は、ぜひこれまでに書いてきた日記を読み返してください。
これまでに散々、この問題に対して悩んできたのではないですか?
何度も、「もうちょっとだけ頑張ってみよう」「あと少しだけ」と自分を奮い立たせてきたのではないですか?
今いる場所を離れるべきか、とどまるべきか、
その答えはすでにあなたが書き綴ってきた日記の中にあると思います。
・神様がそう言っているから
とか
・誰かが悲しむから
とか
そういう思いもあって仕方ないのですが、
それはそれとしていったん置いておいて、
過去のあなたがずっとどう思ってきたのか
これに耳を傾けてあげて欲しいと思います。
今いる場所を離れる時、
その場所で作ってきた様々な思い出が離れることを思いとどまらせようとしてきます。
離れたいとはいえ、そこで過ごしてきた日々があり、楽しかったことだって、嬉しかったことだってあるでしょう。
思い出がまるで足枷のように引き留めてくるのです。
しかし、先へと進む力をくれるのもまた思い出です。
今すぐに脱会することが難しいと感じるのであれば、今は日々感じていることや考えていることを書き溜めていってください。
その日々が、思い出となって、
いつの日か自分が脱出を決行するその時、力を貸してくれるはずです。
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