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オペラ座の怪人ファンが宝塚のファントムを観劇した記録

ALW版「オペラ座の怪人」と出会った頃
芸大生の時分、全力で熱中したのがブロードウェイミュージカル「オペラ座の怪人」でした。いわゆるアンドリュー=ロイド=ウェバーの音楽で有名なあのオペラ座の怪人です。初めて見たのは映画版で、ラストに向かっていく中で幼い頃のようにハラハラしながら見とれた記憶があります。
当時20代あたりの自分にとって印象的だった要素がいくつかあり、その中で一番大きなものが「愛情の質の違い」でした。

主人公クリスティーヌを取り巻く男性としてファントム(怪人)とラウル子爵(幼馴染)がいますが、2人に向ける愛情はちょっとずつ質が違います。
それは序盤と後半での関係性によっても違うし、相手がクリスティーヌに対して思っている気持ちの変化、状況での変化もあって非常にゆらゆらとした状態だなと感じました。でもその機微が面白い!素敵!とのめり込んだあの頃でした。劇団四季版とブロードウェイ版で歌詞も違っていて、台詞が少ないので解釈も様々、いくつになってもいろんな見え方ができる作品だからこそ今までのロングランがあり、名作になっていくのだと実感いたします。

宝塚歌劇団雪組版「ファントム」について
宝塚でファントムという作品が上演されていることは友人から聞いて知っていました。花組で蘭寿さんが主演されていた頃、チケットを取って頂いて観に行くはずが急な仕事で行けなくなり、泣く泣く断念したのでした。
大人になってから観劇に通うようになった宝塚。ついにファントムが上演されるということで、満を持してチケットをとりました!
どうしてもALW版のイメージが強いオペラ座の怪人。いざ宝塚版を観劇すると、全く別のアプローチでした!この作品に多くのファンがついているのがよく分かります!
と言いつつも、やはり同じ原作ということもあってALW版のように役者や客の年齢や経験で見えるものの違う、いくつになっても違う見方ができる一生ものの舞台ということは同じなのだなあ、としみじみ感じました。
①当たり前ですが望海さんが歌ウマ
めちゃめちゃ当たり前なのですが完成度が高く、のびやかな歌声が劇場一杯に広がって震える感じ。楽曲の豊かさも相まって感涙もの!
②真彩希帆ちゃんがふり幅広くて新境地!
こちらも当たり前なのですがきいちゃんが普通に歌がうまく、それだけでなくレッスン受ける前のクリスティーヌから最後の愛情豊かなクリスティーヌまで、台詞歌からオペラまで幅広くカバーしておりまさにエンジェルオブミュージック。
③シャンドン伯爵が懐かしい二枚目
役代わりのある公演ですが、彩凪翔氏演じるシャンドン伯爵の美しい二枚目感な。立ち姿だけで愛しのシャンドン伯爵感が出ていてこれは目が幸せ。
④咲ちゃんの包容力
彩風咲奈氏演じるキャリエールさんですが、こちらも脚のびっくりする長さと細さとひげと、お芝居が非常に包容力豊かで、最後まで頼れる元支配人の暖かさを感じ、ラストではもうボロボロに泣きます。

まあ、いろいろあるのですが他の皆さまが観劇の感想は書いていらっしゃると思うのでそこそこにいたしまして。今まで見たことのない完成度の作品でした。これは劇場に居られたことが幸せであり、光栄の極みでした。
2つのオペラ座の怪人を観劇して、それぞれの様々な愛情があり、このキャストでしかできないファントムと出会えて私はとても幸せでした。
ため息がでるほどうっとり。ブラーヴォ!!

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