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【北米エンタメニュースまとめ】小学館やJICがAI翻訳企業に出資、Z世代とミレニアル世代は書籍が大好き、NYジャパンパレードに「鬼滅の刃」登場

日々の北米エンタメ市場のニュースなどのまとめです。拾い切れていないものもあるのでぜひリクエストお待ちしております。感想も歓迎です。


小学館やJIC、AI翻訳企業に出資

このところ話題になりました、小学館や産業革新機構によるAI翻訳企業への出資の話です。出資を受けた企業は同時に、配信サービスも立ち上げるようで、英語を中心に日本語以外での英語の販売に力を入れていくようです。

日本語以外の言語圏に漫画を広げたいというのは海賊版対策としても急務と感じているのだなと思うのですが、そこで翻訳をAIに任せるのは議論がわかれるポイントのようです。漫画の翻訳は文脈もよんで翻訳する必要がある文学翻訳や映画の翻訳に近く、しかも日本の漫画家は言葉遊びが大好きなのでさらに翻訳の困難度はあがります。(最近だとシティーハンターの「もっこり」の訳し分けが話題になりましたよね)ここをAIがうまく担えるのかは、一介のマンガ読みとしては疑問です。

あと翻訳家というのは、翻訳だけでなく翻訳後のマーケティングの担当者にもなることがあるます。イベントや書店でその作品の面白さを伝える役割を担うことになるので、簡単に機械にまかせて単純な「翻訳」以外の部分が削れられてしまうのはもったいないな、と思います。

翻訳についてはこのような意見もあります。

とはいえ小学館の焦りもすごくわかる。

こちらは恒例のニューヨークタイムズの売れ筋グラフィックノベルのリストなのですが、このリストをここ数年眺めていても小学館の作品はなかなか入ってこないのですよね。日本語であれば新旧あわせて売れている作品あると思うのですが。「葬送のフリーレン」もアニメがあれだけ人気になっても英語版の単行本はそこまで動いていないのだろうかと思ってしまいます。こういうところに小学館は名前を連ねるようにしたいのではないかとうがった見方をしてしまいます。


米国で日本の小説が人気 翻訳者が増えAIツールも貢献

とはいえ、AIツールが一概に悪いわけではないそうです。こちらの記事は、米国で日本の小説の翻訳版が人気になっており、読書会なども盛んに開催されていることを伝えるものですが、爆発的に売れている背景には、AIツールも貢献しているとのことです。



Z世代とミレニアル世代は書籍が大好きー「読者」とは名乗らなくても

ある行為をすることと、その行為をする人だと名乗ることは違うーーということで米国の調査によると、Z世代やミレニアル世代の61%は「書籍が好き」とのこと。ただ彼らは「読書家」とは名乗らないそうです。書籍が好きとなれば、日本のコンテンツも翻訳を通じて流入する余地がありそうです。

「ダンジョン飯」の作者ら、AnimeExpoに登壇

7月開催のAnimeExpoに、「ダンジョン飯」の作者、九井諒子先生とアニメを手掛けたCloverWorksの代表が登壇すると発表されました。コロナ禍を経て、また海外のアニメイベントも日本からのゲストを積極的に読んでいます。円安なので日本側の負担でいくと大変なのですが、これは登壇ということは招待なのかなと思います。声優の登壇イベントもあり、どんどん豪華になっていっています。九井先生は日本国内でもあまりイベントには登壇されていないイメージなので、面白い話が飛び出しますように。


NYでジャパンパレード、舞台版「鬼滅の刃」の役者が登場

ニューヨークで日本文化を紹介する「ジャパンパレード」が開催されました。様々な日本文化を紹介する団体に混ざって、舞台版「鬼滅の刃」の役者が、舞台上のコスチュームで登場し、ファンを沸かせました。


「とんがり帽子のアトリエ」の作者、カナダのTCAFに登壇

「とんがり帽子のアトリエ」の白浜鴎先生がカナダのToronto Comic Art Festivalに登壇されました。

かなり多くのファンが集まったようです。単行本も売れてほしい。


舞台「 千と千尋の神隠し」 イギリスでスタンディングオベーション


英国で上演が始まった舞台「千と千尋の神隠し」。現地のファンに好意的に受け入れているようで大ヒットしています。4か月にわたる長期公演ということです。これが日本初上演の舞台作品の輸出の先駆けになってほしいです。


「ツタヤブックストア」がカンボジアに進出

北米とはずれるのですが、ツタヤブックストアのカンボジア進出は日本コンテンツの輸出に寄与しそうと思いました。北米では紀伊国屋書店が日本コンテンツの発信拠点として非常に重要な地位を占めていますがアジアではその拠点になるのはどこかというのはこれからで、ツタヤブックストアが名乗りをあげたのかなとも思えます。


追加
この企画を始めるきっかけになった菊池健さんのマンガ業界関連の日々のニュースをまとめるマガジンです。

今週は決算もある充実。決算資料にIPの名前があるとみるの楽しいですよね。意外なIPがまだ現役でお金を稼いでいるのをしるとうれしいです。

ニュース的にはソニーグループ含む複数企業へのめちゃコミ運営企業のアムタス社への買収観測が興味深いものでした。ソニーグループは電子書籍プラットフォームとしては「Reader Store」を持っていますが、漫画制作のノウハウも含めてほしいのかなと思いました。

今週はここまでですー。引き続きよろしくお願いいたします。


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