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【北米エンタメニュースまとめ】KCCがフィリピンで展覧会、San Diego Comic-Con開幕、「American Manga Awards」ノミネート作品公表

日々の北米エンタメ市場のニュースなどのまとめです。拾い切れていないものもあるのでぜひリクエストお待ちしております。感想も歓迎です。


韓国文化センター、フィリピンでWebtoonの展覧会を開催

韓国の文化振興を担う韓国文化センターがフィリピンでWebtoonの展覧会を開催中です。Webtoonはその名の通りWebでの展開が中心ですが、印刷されたものを展示しているもよう。Webtoonの作家によるトークイベントも開催されました。展示の様子は、これから日本発のWebtoonを世界に広げたい人には参考になるかもです。それにしても日本も文化庁あたりが音頭をとって、日本の漫画の原画展を世界で開催してほしいです。


San Diego Comic-Con、会場契約を1年延長

7月25日から、米国、サンディエゴで「San Diego Comic-Con」が始まります。「つい先日AnimeExpoをやったばかりじゃないか」と思われるかもしれませんが、7月以降、北米ではほぼ毎週どこかの町で大なり小なりコミコンが開催されています。そのぐらいもう身近なのです。そのなかでもSan Diego Comic-Conは規模が大きく伝統のあるもので、1970年にホテルのプールで300人が集まって始まったといわれています。それが今は世界中から人を呼び、地域の経済を支えるイベントに。1億6000万ドルの経済効果をうみだしているともいわれています。

そんな規模になったイベントを当然地元は逃したいわけはなく、この度会場となっている場所と1年契約を延長することで合意したようです。

これで2026年まではサンディエゴでの開催が決まりました。ただ、主催者側には来場者向けのホテルの不足など不満もあるようです。

実はこの宿泊場所問題はAnimeExpoでもホテル代の上昇で問題になっていました。こうしたコミコンでは通常イベント主催側は参加者向けの割安のホテルの部屋を一定程度確保しますが記事によるとホテル側がこの「確保」向けに部屋を出したがらないもよう。まあ7月という観光のトップシーズンなのでディスカウント価格で出したくないというホテル側の事情もわかります。(以前参加したときは会場近くのホテルをすごく安く泊まれたのですがいまはもうそんなことはないのでしょうか)

その中でこのような記事も出てきています。
「『コミコン再起動といううわさが』が再表面化」

https://www.axios.com/local/san-diego/2024/07/15/comic-con-san-diego-contract-rumors

前述の1年の契約延長は実は市の観光当局からは2年という契約を提示されていたもののそれを断って1年にしたとのこと。ここから、「もしかしたらほかの都市で再出発するのでは」といううわさになっているようです。まあ、現実的にはコミコンの名称にもなっている「サンディエゴ」から出ていくのは難しいと思いますが。


「American Manga Awards」ノミネート作品公表


今年から始まった北米で発表された漫画作品の表彰を行う「American Manga Awards」。AnimeNYCでの発表を前に、ノミネート作品が公表されました。新作、連載作品、レタリングなどいろいろな部門での表彰があり、新作には、「性別『モナリザ』の君へ」が、連載作品には「ダンジョン飯」が、レタリング部門には「サーチアンドデストロイ」のレタラーなどが選ばれました。受賞作品の発表が楽しみです。


北米の2023年の漫画・グラフィックのベルの販売、前年比7%減

ICv2によると、2023年の北米の漫画・グラフィクノベルの売上高は前年比7%減の18億7000万ドルにとどまったもよう。このあたりが市場規模としては上限なのでしょうか。


初代『ガンダム』セリフ改変、歴史的事件での放送中止…不遇だったアメリカ進出

今でこそプラモデルを含め北米で人気のガンダムシリーズですが、初代の進出は苦労したもよう。こちらの記事はそんな当初の厳しさを振り返ったものです。現地に普及させるための改変など、いまからすると「なぜ?」と思うことも当時としては必死だったのかなと思います。


アニメグッズ、北米で「Kidult」をターゲットに

日本で大人をターゲットにアニメのリメイクが行われるように、北米でも子供のころ好きだったものを抱えたまま大人になった「kidult」が玩具メーカーのターゲットになっているようで、日本のアニメのグッズもこのトレンドに乗っているという記事です。北米の大人は2024年1~3月期に15 億ドル分の玩具を買っており、そのうち43%が自分のためだそうです。


TVドラマ「SHOGUN 将軍」エミー賞 作品賞など25候補 ノミネート

快挙です。俳優の真田広之さんがプロデュースしたテレビドラマ「SHOGUN 将軍」がエミー賞にノミネートされました。これをきっかけに、海外ももっと日本を舞台にしたドラマを作ってくれてもいいと思っています。


YOASOBI、米津玄師のヒットを経産省が分析 音楽ビジネスのレポート公開

日本政府がコンテンツ産業の後押しに前向きだと感じさせるのはこのようなリポートが出てくることからもわかります。JETROの米国のアニメ市場の分析につづき、経済産業省による音楽ビジネスのリポートが公表されました。海外でどのように日本の音楽が受け入れられているかがわかります。


【日本の出版コンテンツ 海外流通特集2024】世界に広がる日本の出版物 ミリオンセラー生み出す動画SNSの拡散力 紀伊國屋書店・森啓次郎副社長に聞く


米国での日本コンテンツの発信拠点となっている紀伊国屋書店で海外事業を担当する森啓次郎副社長のインタビュー。森副社長の発言からも、ここ数年で米国で日本の漫画市場が広がっているとわかります。客層が日本コンテンツのファンから、アニメを見たファミリー層に広がっているというのは興味深いです。


Netflixドラマ「シティーハンター」91日で1650万ビューの大ヒットに


Netflixの決算に合わせて公表された視聴データから漫画原作の「シティーハンター」が大ヒット作になったことがわかりました。特にアジア圏でヒットしたとのこと。


世界各地でBLは「どう」愛されている?

日本の漫画の輸出コンテンツのひとつが、BLとGL。その中でBLが世界各地でどう受け止められているかをまとめた記事です。
北米に関しては以前こちらの記事でも書いたのですが、かなり日本のBLが翻訳されて受けいられています。それに刺激をうけて、現地のクリエイターによる同人誌も登場してきているというサイクルです。ただ日本のようにBLレーベルやBL専門のチャンネルがあるわけではないので、目立ちにくいというのはありそうですが、「Manga Planet」という電子書籍配信サービス会社のBLカテゴリーがあります。(https://mangaplanet.com/category/bl-futekiya


追加
この企画を始めるきっかけになった菊池健さんのマンガ業界関連の日々のニュースをまとめるマガジンです。


トーハンの雑誌配送が1万店のコンビニで終了するというのはショックです。最近のコンビニは書籍売り場が縮小されているうえ、雑誌もかなり売れ残っているので返本率が高そうだなと危惧していたところでした。ますます雑誌がいきわたらくなると、電子頼み→雑誌がうれない、という悪循環に陥りそうです。

今週はここまでー。引き続きよろしくお願い申し上げます。


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