オカネを稼ぐことの面白さと怖さがわかる 庭りか氏『いつか咲く花』


いつか咲く花』(庭りか氏)


【あらすじ】

両親のもとでつつましいながらも幸せに暮らしていた主人公の少女、春音。しかし、借金を理由に父親が自死してしまう。母子2人になってしまったところ、助け舟を出してくれたのが、父親の友人だという東雲一だった。しかし春音は、父親の死の原因になった借金相手が東雲であることを知ってしまう。そこで東雲に謝ってもらうために、父親の借金分を返すべく、東雲らを通じて出会った人の問題を解決することで、東雲の仕事を「手伝い」始める。様々な人との出会いを通じて、「仕事とは」「お金とは」を春音とともに考える作品。


マンガ度     ★★★

オカネがわかる度 ★★★

リアリティ度   ★

【ここがポイント】

以前ほかのサイトのレビューでも書きました。

(参照「お金か人のつながりか――幸福感に必要なものを教えてくれる『いつか咲く花』」)FROMシミルボン

レディースコミック中心に活躍されているマンガ家なので、あまり単行本が書店に並んでいる方ではないかもしれないのですが、私は定期的に人間不信になったり人づきあいがいやになったときに読みにいきます。

オカネの大切さを描きながらも、結局は人との付き合いやつながりが大切であることを物語の中で自然に描き出します。

その物語の中で、きちんとオカネを自分のものとするにはどうすればいいのかというノウハウを詰め込んでいるのもすごいです。

個人的には『はした金で売られた女~蕾の頃~』という第二次世界大戦後の日本を舞台に、嫁ぎ先で商売を始め百貨店の開業までこぎつけた藤原刀自の生き方に憧れます。『いつか咲く花』などほかの庭りかさんの作品には主人公らを導く人として登場されます。


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