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日記 写真のこと

 私が写真を撮るのは、ただ今日心を動かされた何かを、残しておきたいからです。それは、綺麗な風景であったり、変わった雲であったり、嘘みたいな青空だったり、一生懸命咲いている花だったりします。
 特に雲の写真が好きで、白い雲も、夕焼けに染まって不思議な色をした雲も好きです。雲は毎日、全く違った顔を見せてくれます。だから、いくら撮ってみても飽きません。
 雲以外にも、紅葉に染まる山々や、雪に埋もれた畑や、露や霜がついた草花や、自然の中には被写体で溢れかえっています。たとえばそれが、道に降り積もっただけの落ち葉でも、花びらでも、雪でも世界は美しいもので溢れています。


ただの落葉


ただの花びら


ただの積雪

 世界はキレイなもので満ちています。

 けれど、私はキレイなものだけが好きなわけでもありません。たまたま、かなり自然が豊かな場所に住んでいて、キレイな景色に出会える確率は高いと思いますが、もっと好きなものがあります。

 それが人工物です。
 ボロい消火栓や、もはや相棒とも呼べる近所のカーブミラーや、電柱、鉄塔、高圧線、道路、標識、水門、人の作ったものを撮るのが好きです。

 ただ、人工物なら何でもいいというわけでみなく、どちらかというと、新しいものより古いもの。木造より、鉄製。石より、コンクリート。曲線より、直線のものが好きです。
 もうこれは何で? と、聞かれてもそうだとしか答えられない性癖のようなもので、どうしょうもなく、廃墟に惹かれます。それも、完全に崩れた遺跡ではなく、使用に耐えるものを人の意志で打ち捨てたものに惹かれてしまいます。
 それが長年風雨に晒されて、自然に侵食され始めているのが、たまらなく好きです。多分、こういう趣味嗜好の方は一定量いらっしゃると思うので、わかってくださる方もいらっしゃるでしょう。

 とはいえ、廃墟に無断で侵入するのは、犯罪です。プラスして、危険です。色々な意味で…。
 ですから、より身近で、安全で、合法な標識や鉄塔や電柱を撮るのです。

 古くなって、自然に侵入されてはじめて、それらは風景の一部になる。そんな瞬間に心が動くのだと思います。

ただの廃ホテル

 これは、敷地外からの撮影。近くに行く勇気はありません。
 やっぱり私には、カーブミラーがいいてすね。それでは、この辺で。失礼いたします。

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