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舞台『フラガール』感想と井上小百合卒業に寄せて

 超今更なのですが、舞台『フラガール』を、CSで見ました。それも、一ヶ月ほど前に録画していたものを、やっと見ました。
 主演は、つい先日乃木坂46を卒業した、井上小百合です。
 正直、ちょっと泣いてしまったりもしたので、それにかこつけて、舞台の感想と、卒業に寄せての言葉を書いてみようと思いたちました。

 ちなみに、井上の最後のブログ記事にコメントを書こうと、乃木坂の曲を聴きながら、PCで下書きをしていたら、何故かボロボロ泣いてしまいました。曲はあまり井上と関係のない『Sing Out!』なのですが…

 そんな涙腺ガバガバのオッサンの感傷に、良ければお付き合い下さい。


・舞台『フラガール』

 映画『フラガール』は随分話題になりましたが見ておらず、細かいストーリーは知りませんでした。
 舞台のストーリー、正直お涙頂戴な面もありましたが、良かったと思います。炭鉱夫という消え行く労働の悲哀も、他の方法で盛り立てようと奮闘する者達とのぶつかり合いも、とてもリアルでした。

 舞台上の井上は、小柄な体に似合わない存在感があって、その表情の豊かさも印象に残りました。乃木坂の舞台女優と言えば井上、という声を聞くのも、この作品を見ると納得です。
 彼女は卒業について、

「目標も達成できたし大丈夫かな」
「多少は知名度もついて、経験も積んできたので、そういう部分での目標を達成できたかなと思えたんです」
「やっとひとりでやっていけるかもしれないスタート地点に、乃木坂46のおかげで立たせてもらえたので、ここからは自分の力で頑張っていかなきゃなと思っています」

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 と語っています。
 単に舞台の数をこなした、というだけのことではなく、評価をもらったからこそ、でしょう。
 それを証明するように、乃木坂OGが所属する『乃木坂46合同会社』を経ることなく、高橋克実、八嶋智人らが所属する『シス・カンパニー』に移籍が決まった、とのこと。
 今後も楽な道ではないとは思いますが、まずは朗報です。

・グループ愛

 リアルタイムでは見ていませんが、昔の井上は、選抜発表で三列目になるたびに、泣いて悔しがっていました。初期には泣いていたメンバーが段々と泣かなくなって行く中、いつまでたっても泣いていたのが井上でした。
 ポジションを求めるバチバチがあまりない乃木坂46、という印象が既に固まっていた私には、正直、異様に見えました。

 その井上も、いつの間にか泣かなくなりました。序列を突き付けられるのは、グループアイドルに付きまとう嫌な面で、メンバーには過酷な試練だと思います。
 泣かなくなってからも、恐らく全てに納得していたわけではないでしょうが、グループに対する愛着が上回るようになった、のだと思います。

 その象徴的な場面が、恐らく有名だと思われる『インフルエンサー』のヒット祈願での一言です。
 何十メートルもある氷の滝を登る過酷な企画でしたが、全員無事登り切ったVTRをスタジオで見終わった後、感想を求められた井上が涙ながらに、

「こんなに細い子達が一生懸命に山を登ってて、この曲売れなかったら世間がおかしいと思う」

 と答えた時、私は本気で涙ぐんでしまいました。
 この言葉は私に限らず、多くのファンの印象に残っていることと思います。
 メンバーがお互いのことを大切にする、乃木坂46というグループの空気感がよく表れています。

・卒業

 『乃木坂工事中』の卒業挨拶では、一人で録画したような寂しい別れの挨拶となっていました。
 それでも、乃木坂46の井上小百合の足跡はこんなことで傷つくほどヤワではないですし、女優 井上小百合にとっては、こんなことは躓きにもならないでしょう。

 白石麻衣の卒業は延期になっても、井上小百合は予定通り卒業する。
 不公平と言えば不公平ですが、誰もが白石のように、世間的なスポットを浴びて卒業出来るわけではありません。その評価に、100%は同意できないまま、卒業して行ったメンバーもいることでしょう。
 それでも、私のようないわゆる箱推しのファンとしては、彼女達が、
「乃木坂46に入って良かった」
 と八割ぐらいは思いながら卒業してくれたら、と願わずにはいられません。

 井上小百合さん、卒業おめでとう。本当に、お疲れ様でした。

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