【第一回】俳句+one きつネつき

今回から始まる新たな企画「俳句+one」では、俳人として活躍する傍ら他ジャンルでも精力的に活動している方とインタビュー形式の鼎談をして、その様子を記事にして連載していきます!

桜魚(以下・魚):記念すべき初回は俳句系Vtuberとして活動されている「きつネつき」さんに来ていただきました。今回は急なお願いにもかかわらずご快諾いただきありがとうございます!

※ Vtuber ブイチューバーとは?
Virtual YouTuber (バーチャルユーチューバー)の略称で、コンピューターグラフィックス(CG)やイラストをアニメーションさせて「 動くデジタルアバター」の姿で活動する動画配信者のことを指します。VTuberは主にYouTubeなどのあらゆる動画配信サイトで、活動しています。

きつネつき(以下・狐):AZULDROP所属、俳句系千年狐vtuberのきつネつきです。こちらこそよろしくお願いします!

たくみ (以下・た):第一回にふさわしい方ですね。よろしくお願いします!

魚:では早速お話をさせていただきたいのですが、きつネつきさんは俳句系vtuberをされていて、俳句はどんな経緯で始めたんですか?

狐:俳句は2020年の4月ごろからやっていて、始めたきっかけはプレバトですね。それもちょうど感染対策で外出規制がかかっているころで、外で友人と遊ぶことも食事に行くこともできずにいたんですが、なにか趣味を作りたくて、昔から、それこそプレバトが“プレッシャーバトル”だったころから組長(夏井いつきさん)の添削が好きで番組を見ていたので、俳句を始めてみようかな、おもしろそうだなと思いました。

た:最近はいちばんスタンダードな入り方ですよね。では、来月で俳句歴五年目になるということですね。

魚 :ということは、Vtuberやる前から俳句はやられていた?

狐 :最初はVtuberに自分がなるという意識は全くなかったですね。

た :ええ、そうだったんですね。

狐: 最初は自分が好きなゲームのキャラクターについての俳句を作っていました。『シノアリス』というアプリゲームの“グレーテル”というキャラクターです。

魚:え!すごいですね、要は二次創作ですよね、小説でやるようなことを俳句でやっていたわけですね?

狐 :そうですそうです!

魚: 設定が結構重いタイプのゲームですよね、キャラクターの設定とか、そういうのをみて言葉を探す感じですか?

狐: そうです、グレーテルは童話の『ヘンゼルとグレーテル』の妹で、ずっと兄を探しているという設定だったので、 「にいさま」のような言葉を使ったりして(笑)

た :うわ、いいなあ!

魚: めちゃくちゃおもしろいですね! BL俳句はみたことありますが、割と純粋な二次創作って聞いたことないかも(笑)

狐: そうですね、最初はそんな感じで、俳句は何をやってもいいという組長(夏井いつきさん)の教えがあったので、自由気ままにやっていましたね。

魚: 俳句系Vtuberの活動としてはどうですか、チャンネル拝見したんですが句会を配信でやられてますよね?

狐:見ていただいてありがとうございます! そうですね、第一回目の新年句会が無事に終了しました。

た:結構もりあがってましたね。

狐:活動自体はそれこそ“俳句の種まき”というか、Vtuberという一見変わったかたちではあるけど、俳句を広める活動ができればなと思っていて、普段Vtuberを好きな人が俳句に興味を持ってくれたら大きな種まきになるんじゃないかなと。

魚:おもしろいなあ。

狐:ただどうしても時間がとれなくて難しいところもあるんですが(笑) Vtuberというレッドオーシャンの中で、どうやったら生き残れるかなと考えたときに、ゲームとか雑談とか、それだけじゃなくて、やっぱり俳句というコンテンツは面白いんじゃないかと思いますね。

魚: それ、俳人として俳句を広めたいという思いもありながら、Vtuberとして生き残っていくためにも俳句をコンテンツとして意識しているということですよね?

狐 :そうですね、俳句のVtuberってほんとに数名なので。

た: 考えられててすごいな、 俳句のVtuberって普通想像つかないよね(笑)

魚:僕も最初きつネつきさんのこと知ったときに「俳句系Vtuberって存在するんだ!」ってツイートしちゃったんですけど、結構ニッチなジャンルだからやっぱりハマる人にはしっかりコミットしてくるというか、おもしろそうだなって直感的に思いましたね。

狐 :ありがとうございます。

魚: それで、前回の新年句会はどうでしたか? スタイルとしては、視聴者が投句してそれをきつネつきさんが選句するという流れだったかなとおもいますが。

狐:進行がグダグダになってしまうところなどはこれから良くしていきたいですね。せっかく投句していただいているので、もっとこう俳句はおもしろいんだというところを大事にしたいですね。

魚:ちなみに前回は何句くらい集まりました?

狐 :結構急な募集だったんですが、40句くらいですね。

た: すごい!めっちゃ来てる!

狐 :いい意味で想定外というか(笑)

魚 :ちなみに次回は?

狐 :3月12日火曜日に夜8時から句会配信やります!前回も音が乗らなかったり色々トラブルあったんですが(笑)

た: 楽しみだなあ~ ぜひこの記事を読んでくださっている方にも来てほしいですね!

狐 :めちゃくちゃありがたいです

魚 :逆にVtuberになってみて大変なことってありましたか?

狐:そもそも俳句にまったく興味がない方を掴むのはすこし難しいかなと、それこそプレバトみてるとか多少なりとも俳句に興味がある人に来てもらうところがひとまずの限界かなと思いましたね。

た:たしかにそこは難しいところですよね。

狐:でも、まずは僕を知ってもらって、それから俳句を知ってもらえたら。俳句だけじゃなくてゲームも雑談も歌も声劇もそういう普遍的なコンテンツの中に俳句があれば面白いのかなと、まず入り口はVtuberとして入ってもらってその先に俳句があればいいのかなと思っています。

た:すごい考えられてる。

魚 :この人いつも見てるけどなんか俳句やってるらしいな、くらいのノリで俳句にきてくれたらすごいことですよね。

狐:俳句もやってるんですねって声かけてもらったら一番うれしいですね。このひと気になってくれたんだ!って。まずはふれてみてほしいです。

魚:めちゃくちゃ器がでかいですね、きつネつきさん。

狐:いやいや(笑)

た:ほんとにそうよね(笑) かっこいいね(笑)

魚: ちょっと個人的に気になるディープな質問なんですが、なんというかきつネつきさんのそのカッコイイお姿があるじゃないですか、それって画面にお姿を映したりする技術含めてご自身で全部やっているわけじゃないですよね? 自分で探してご依頼するんですか?

狐: そうなんですよ。個人勢( 事務所に所属していない)なので全部自分で依頼してっていうのはやるんです。いやらしい話、お金もね。

魚: めちゃくちゃ大変だ。

た:そうですよね、スタートさせるにあたっての。

狐: そこケチっちゃうとね、入り口はビジュアルですからね (笑)

魚 :群雄割拠のなか、まず目に留まるかですもんね。

狐:たとえば僕の場合は三つ編みがあるので、ちゃんと動くようにしていただいたり、動きの調整だったりと、いろいろ手間がかかってますね。

魚:すごい話だ。いろいろな人の力があって存在しているんですね。

狐:そうなんですよ、だから大好きです。

た:すごい貴重な話だね。

魚:Vtuberの活動ですが、今後やりたい企画とかありますか?

狐:Vtuber の方ってよくテレビ番組のパロディをやるんですが、プレバトやりたいなあと思ってますね。

た:あ、めっちゃいいね(笑)

魚:うわ!見たいなあ、それ!

狐:芸術肌のVtuberの方って結構いらっしゃるので、書道とか、絵とか、そういう方を講師にお呼びしたらやれるんじゃないかなぁと思っていますね。 “Vバト”ですね。

魚:Vバトね (笑)

た: みえてますね (笑)

魚: 俳句以外もやりたいってことは、きつネつきのポジション的には浜ちゃんか。

狐: 関西なのであのノリはできますよ 笑)

魚:でも、大手事務所のVtuberがサラリーマン川柳みたいな感じで俳句を企画してるのを見たことがあるので、意外と界隈には効いてるコンテンツなのかもしれないですね。

狐:そうですね、それもプレバト効果かなって思いますね。

魚:たくみくんもプレバト俳人だからね。

た:そうだよ、そしてよくわかる。

狐:プレバト俳人っていっぱいいるから。

た:そうだよなぁ。

魚:“Vバト” たのしみ!

魚: 今回きつネつきさんには作品もお願いしました。原点回帰してシンプルな質問なんですが、俳句で大事にしていることとかありますか?

狐 :絶対「 伝わること、伝えること」だと思うんですよね。この人が言いたいことはこれだなとか、そこから想像膨らませてもらうこともそうだし、読んだ人に何か伝わらないと意味がないのかなって、そこが肝かなと思っていますね。

魚:描写でみせるとか、独りよがりにならないようにするとか、そういうところですよね。

狐 そうですね。ちゃんと伝えることを意識しています。

きつネつき 自選5句
人の世の狐火として千年を
初晴の五円を神へ放りけり
人になる焚火に当てたところから
寒晴は命が濁る前の色
白息は私が吐いたから白い

魚:今日はすごく貴重な話をお聞きできてよかったなあ、裏の雑談で推しVtuberトークができたのも最高でした。

た :いや、ほんとにおもしろかったね

狐 :僕も楽しかったです!

魚 :たくみくんどうでしたか?

た: 知らない世界を知れるっていうのはなにより面白いですね。それが顕著だった初回なので、素晴らしかったと思います。これからのこの企画が楽しみです。

魚 :神回でした。大成功! では、きつネつきさん、最後になにかひとことお願いします!

狐:今回はありがとうございました、俳句の事をここまで話せることってあんまりなかったので楽しかったです!あと、Vtuberになりたいと思ってるそこの君!お金かかるよ!
一同: (笑)

2024年3月吉日

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3月12日の句会配信はこちら た&魚も投句しました!)↓


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