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映画

映画
私が映画を初めて観たのは、風邪で小学校を休んでいる時テレビでやっていた午後のロードショーだったか。その時は寝ていなくてはならなかったのだが家には一人でおり、調子も良くなったからか居間のテレビをつけるとと映画がやっていた。
その映画はどんな物だったかは定かではないが、ほかの皆が学校にいるのに私は一人で映画を観てまだ子供ながらなにか背徳感を感じていたのは間違いない。
余計わくわくして映画を観ることができたのを覚えている。
そしてこのわくわく感は昼間だけではないのだ、私の家では子供は21時に布団に入る習慣があった、今考えるとちょっと早すぎる気もするがそれがルールのようなものでもあった。
しかし私は21時に布団に入ってからも寝れない時がしばしばあった、そのような時またしても布団から抜け出し、隣の居間で親が観ている金曜ロードショーをこっそり観ていた。親に見つからないように壁に顔をひっつけて観ていた。だが時には親に見つかることもあった、その場合寝かしつけられる時もあれば怒られる時もあった。たまに家の近くのラーメン屋に連れて行ってもらえることもあった。そのラーメン屋に行くと席の横に冷蔵庫があり、お菓子と瓶のオレンジジュースが入っていた。店の主人から「そこから好きなものをとって良い」と言われ大喜びをしていた。それがたまにある夜中の楽しみであり背徳感であった。
映画の話からだいぶ逸れてしまったが、このような幼少期の記憶が今も映画が好きな理由なのではないかと思うのだ。
映画を観ると今いる現実の世界から少しだけ離れ、非日常の世界を想像し、体験した気になれる。そんな非日常感は幼少期に感じた背徳感に似ている。
もしかしたら今はもう戻れない幼少期の記憶や思い出を追い求めて、今映画を観ているのかもしれない。


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