株式の譲渡に係る所得税の取扱い

確定申告の時期に入ってきたことから、今回は所得税の論点について触れていきたいと思います。テーマは株式の譲渡について。

株式等の譲渡による所得については、原則として「一般株式等に係る譲渡所得等の金額」「上場株式等に係る譲渡所得等の金額」として申告分離課税制度を採用している。(所得税15%,住民税5%の税率で課税される)

一般株式等の範囲は以下の通り。(①~④のうち上場株式等に該当しないもの)
①株式
②出資
③投資信託の受益権
④公社債(非課税となるものを除く)など

上場株式等の範囲は以下の通り。
①金融商品取引所に上場されている株式等
②公募投資信託の受益権
③特定投資法人の投資口
④国債及び地方債
⑤外国債及び外国公社債
⑥公募公社債
⑦平成27年3月31日以前に発行された公社債(同族会社が発行するものを除く)など

株式等に係る譲渡所得の金額は以下について算出される。
 譲渡所得の金額=総収入金額ー(取得費+譲渡費用+負債の利子)

●取得費:次の①、②のいずれか多い金額。
①原則(譲渡の都度総平均法に準ずる方法により計算した金額。(1株当たり単価の端数処理は1円未満切り上げ))
②収入金額×5%
●譲渡費用:仲介手数料
●負債の利子:譲渡した株式等に係る借入金の利子

 取得費は原則総平均法で計算されることに留意する。(例えば、株式を元々所有しており、今回新たに取得し、取得した分をそのまま同額で他社に売却したような場合でも取得費は総平均法にて単価計算することから課税される場合があることに留意する)
 また、「一般」の譲渡損益と「上場」の譲渡損益は、譲渡損が発生したとしても「一般」と「上場」をまたがって通算することができない点も留意する必要がある。


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