『パーフェクト・ブルー』を読みました。

 テスト期間中って勉強しないといけないので時間を大事に使おうという意識がいつもよりも強まる気がします。なので、それが終わった直後は時間意識はそのままに暇になるため、有意義な時間を過ごせる確率がアップする。
 そこで、本でも読むかという選択肢が浮かぶようになったのは我ながら良い傾向だと思います。

 というわけで、今回は家にあった『パーフェクト・ブルー』(宮部みゆき, 1992)を読んだのでその感想を少し。あんまり本を読まない私の家に、なんでこの本があるのかがそもそもの謎ですが、路上バイオリニストが演奏のついでに古本を売っていたのを旅行中の親が買って、それを私が貰ったんだと記憶しています…。

 読み始めて、まずプロローグがいい感じでした。夜3時の工業団地で燃え上がる人のようなもの、それを見て吐く若い守衛、そして何故か笑い出す同僚のおじさん。これだけで「何事?」ってなります。コナンだったらここでオープニングやって俺は高校生探偵の工藤新一…って言い始めますね。

 案の定、次の第一章では一人称「俺」のマサ君が登場しましたが、彼は犬です。かなり理性的な元警察犬の脳内言語が地の文の小説は初めてでした。犬の知能のおかげで特に違和感なく読み進められましたが、飼い主の加代子(探偵事務所長の娘で本人も調査員)のことを”加代ちゃん”と呼ぶのは可愛くてよかった。犬視点じゃないとミステリーの地の文で登場人物にちゃん付けするのは厳しいかもしれない。
 話の筋として、第一章ではプロローグの事件とそれに関連したメインの殺人事件が描かれました。いろいろあって事件の犯人が判明し、幕が下りたように見えたが…?

 次の幕間(インタールード)ではメインの人々が消えて、急に知らん人々が出てきました。製薬会社が、何やら投薬実験の不始末をネタに宗田という人物にゆすられているようで…?
 後で話が繋がるんだろうなとはわかりつつ、どう繋がるかはわからない。ミステリーで急に知らん人の知らん話が出てくるの、わくわくします。オッドタクシーでも似たようなことを思った気がします。

 第二章は再び犬のマサ視点。プロローグの事件の隠された真相が明らかになり、それを契機にメインの殺人事件の犯人が別にいる可能性が浮上。幕間で製薬会社をゆすっていた宗田の名前も浮上し、事件が繋がり始めました。

 そして再び幕間。投薬実験の不始末をなんとか握りつぶしたい製薬会社側は何やらよからぬことを企てているようで…?宗田について調べていることを知られた加代子たちも目をつけられてしまいます。

 そしてクライマックスの第三章。製薬会社側の術中にはまってしまい、ピンチに陥る加代子たち。この状況をどう打開するのか、投薬実験の闇はどうなるのか、タイトル回収、そしてメインの殺人事件の犯人は…といったすべてのことが怒涛の勢いで語られました。
 いや、犯人お前やったんかい!!!

 以上、ぼかしまくりの文章になりましたが、ミステリーの感想なんでしょうがないと思いたい。あとミステリーって一旦読み出すと真相が気になるので他のジャンルよりも最後まで読むモチベが湧いてくるのがいいですね。また何かしら読んでみたいと思います。

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