中国外交の作られ方

 2020年10月11日に中国清華大学で「中国辺境地帯とアジア研究」に関するフォーラムが開かれ、そのVTRがYou Tubeにありました。

https://www.rwxy.tsinghua.edu.cn/info/1161/2829.htm



 この中で章百家先生が現代中国外交の成り立ちに関する面白い発言がありました。引用して紹介したいと思います。
 
 戦後、中国の国際関係学はその国家体制からアメリカとソ連に対抗するため大国間関係の処理という国家の政策目的のために始まりました。なので、中国と国境を接するような中小国に関してはほぼ何も研究されていなかったと言います。さらに、中国人の伝統的な概念としての天朝概念が周辺国に対する理解度を妨げる一因にもなっていると指摘しています。
 そこに植民地支配の歴史が重なります。独立したばかりのアジアの中小国は国家の主権や、国際社会における発言力が弱かったので、こうした状況がフィードバックされにくい環境がありました。
 こうした要因から、陸上で接している周辺諸国関係はアメリカとソ連の問題の下に属するものとしてカテゴリーされ、周辺の中小国の存在を軽んじることに繫がっていきます。
 その典型的なケースで中国は1954年までベトナムとラオスとカンボジアがそれぞれ独立した国家である事を知りませんでした。


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