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マレーシア国立公文書館で「China」を探す 

 唐突ですが・・・実は昨年末からマレーシアを拠点にしながら、中国関係の歴史文献などを漁っています。そしてここ三カ月ぐらいは「マレーシア国立公文書館」で中国や日本赤軍について漁っています。この記事ではマレーシア国立公文書館の使い方や雑感をまとめます。

はじめにやること

 国立公文書館を使うためにまずやる事は、利用者登録を行ない入館カードを作成します。外国人はパスポートが必須になります。事前にネットでも出来ますが、僕は現地で登録しました。

マレーシア独特の”クセ”

 マレーシアは多民族国家、多言語国家であることが知られています。この事が公文書の検索にも大きく影響します。探し出したい史料の年代と検索で用いる言語の種類には注意が必要です。古い時代の史料であれば英語でも検索できますが、戦後の比較的新しい時代の史料だとマレー語がメインになってきます。
 さらに中国を対象とする場合「China」という単語がまた厄介さをもたらします。もともと「China」という英単語は「中国」の他にも「華人」や「中華文化」のようなものも包括します。さらに英語でもマレー語でも「China」という単語の綴りは同じです。なので、館内のシステムで「China」検索すると「中華人民共和国」関係の史料だけではなく、マレーシア国内の「華僑」に関する行政公文書なども同時にヒットします。

Chinaが包括する広さ

 マレーシア国立公文書館における「China」の概念の広さは、同じ時期で「Taiwan」と検索してヒットする資料数にも表れています。「China」というキーワードで1966/1/1から1976/12/31までの記録で検索すると
File-403
Emblem Badge Sealed Sticker-1
Treaty and Agreement-2
Audio Visual Record-96
Newspaper & Magazine-11
Publication-48
Workingpaper-5
Correspondence-10
Personalia-1
Literary work writing-1


がヒットするのに対して同時期の「Taiwan」は
File-66
Audiovisual Records-17
Publication-11
Working paper-3
Meeting minutes-1

です。ちなみにマレーシアと中国が国交正常化したのは1974年です。この66年から76年の10年間というのは中国的には文化大革命の時期で、あまり諸外国と交流がなかった時期です。それにも関わらず「China」でこの量の資料がヒットするのは、あらためて「China」が包括する広さを感じます。






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