マサラチャイの効能
スパイスの効いたミルクティー が日本では「チャイ」というイメージが浸透していますね。
「マサラ」はスパイスを混ぜ合わせたものを意味します。
「チャイ」はヒンドゥー語で「お茶」を意味します。(ロシア語やトルコ語でもチャイといいます)
その歴史と効果について、まとめました。
インド式チャイが生まれた背景
19世紀、イギリス統治下でアッサム地方に茶が自生していることを発見したことから、インドで生産を始めたとされています。
当時、イギリスでは紅茶は上陸階級の飲み物として中国から輸入していたようですが、植民地であったインドで発見したことで安く手に入れたいということだったと思います。
インドで生産された紅茶は選別され品質の良いものだけイギリス本土へ、残った低品質な茶葉は味も悪いので捨てられていたようです。※クズ茶(ダスト)と言われます。
しかしながら、当時のイギリスはこれはもったいないということで、自家消費を促したのですが、味も悪い。
インドは各種スパイスの発祥の地でもあり、近隣で生産されていたこともあり、暑さによる疲労回復や冬場の寒さ対策で普段からスパイスが身近にあったため、品質の悪い茶葉と身近なスパイスを牛乳で煮出したのがマサラチャイの始まりと言われています。
※インドは牛乳消費量世界一でもあり、2015年には約1億5000万tの生産量と報告されています。(日本は約750万t程度)
品質の悪いお茶をいかに美味しく飲むか、先人の試行錯誤の末、今の美味しいチャイに繋がっています。
マサラチャイの効果
マサラの名の通り、マサラチャイにはいくつものスパイスが合わせられています。
カルダモン
スパイスの女王と言われるカルダモン。
その効能も数多くあります。
1)消化促進作用
「テルピニルアセテート」が胆汁の分泌を促進し、消化を促進します。
2)リラックス作用
緊張やイライラ感を抑える効果
3)発汗作用
4)抗炎症作用
「1,8-シネオール」には殺菌作用があり、免疫効果を高めると言われています。
インドでは、カルダモンコーヒーもよく飲まれています。
シナモン
1)抗酸化作用
スパイスの中で最も抗酸化作用があると言われています。
「プロアントシアニジン」という成分が抗酸化作用を示し、体内の活性酸素を中和することで、アンチエイジングが期待されます。
2)抗炎症作用
フラボノイドが多く含まれ、筋肉痛やのどの痛みなどの炎症を抑える効果が期待されます。
3)血行改善
血液の流れを改善するとともに、血管や毛細血管を作る元となる受容体タンパク質(神経やホルモンなどの信号を受取、体内活動に影響を及ぼす)であるTie2を活性化させる効果もあるため、血管の修復を促進し、末端の冷えやむくみの改善が期待されます。
他にもコレステロールバランスの正常化や血圧低下にも効果があるとされています。
クローブ
1)抗酸化作用
「オイゲノール」というポリフェノールが抗酸化作用を持つとされています。
2)抗菌作用
こちらもオイゲノールの作用とされています。
肉料理にクローブを刺して仕込むことは香り付けとともに抗菌作用による腐敗を遅らせる効果も期待されます。
スターアニス
中華料理でもよく使われる八角です。
1) ストレス緩和
「ピネン」という成分が鎮静作用があるとされています。
2)消化促進
「トランスアネトール」や「リモネン」という成分が消化促進作用があるとされています。
本場インドでは
「クルハド」と言われる素焼きカップに入れて飲まれています。
飲んだあとは、地面に叩きつけて割る習慣があります。
素焼きカップでのため釉薬を使っていないので、土に還すことができます。
※素焼きカップを作る職人の仕事を無くさないためとか、人が使ったものは使わないからとか諸説あります。
最近では、プラスチックカップも使われていましたが、現在はSDGsや脱プラスチックの観点で素焼きカップが再注目され、インド主要駅で提供されるチャイは素焼きを採用されることになったようです。
以下に詳しくまとめられています。
サーキュラーエコノミーや脱プラスチックの取り組みとして、素晴らしいと思います。
日本でも、自然に還る素材やバイオプラのカップ普及が進んでいますが、それを処理する施設が少ないのも現状であり、結局ゴミとして捨てられる実情があります。
カップをどう処理するかは、今後の課題と考えています。
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