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水出しコーヒーはカフェインが多い?

水出しコーヒー = カフェインが少ない というイメージが定着しているように思いますので、化学的視点から考察してみました。

水出しコーヒーは高温でしか抽出されない成分が出にくいので、スッキリした味わいにはなりやすいので、苦味が少ない ≒カフェイン少ないというイメージになっていると思います。

(カフェインの性質)
カフェインは比較的低温でも溶けやすい性質なので、レシピや抽出方法次第では実はカフェインが多いということになります。



水出しコーヒーや紅茶の場合は、比較的コーヒー豆や茶葉量を多くすることや長時間漬け込む浸漬式で抽出することが多いので、実際はそれほどドリップコーヒーとカフェイン量は変わらないか多い可能性があります。
上のグラフからわかるように、一般的なレシピであればほぼカフェインは水に溶けてしまいます。実際は相互作用もあり、収率は90%程度になるかと思います。

分析していないのであくまでも参考ですが、当店レシピを元に理論値から計算すると、水出しコーヒーのほうがカフェインは多くなりました。



厳密にはもう少し細かい反応や成分の特性の影響や相互作用もあり、一概には言い切ることが難しいのですが、傾向としてドリンクを選ぶ際の参考になれば幸いです。


理由は以下に解説。




一般論として、有機成分は高温ほど溶け出しやすいという性質があります。
※これは #アレニウスの式 (3枚目写真)という方程式で説明できます。
ご興味あればご連絡ください笑

簡単に言うと、温度だけに着目するなら

低温 : 成分が薄くなる
高温 : 成分が濃くなる

ということになりますが、これほど単純ではなく、得られる成分に影響を及ぼすものは温度以外に、抽出時間と有機成分の量にも依存します。

1.時間が長い = 成分が出やすい
2.有機成分が多い(コーヒー豆や茶葉が多い) = 成分が出やすい
※ただし、水に溶け込める量は水質、水量、温度によって変わります。(飽和濃度といいます)
※身近なものでは、塩や砂糖が常温の水では溶け残るけど、お湯なら溶けるという状態。


(水質の影響)
ミネラル分の多い硬水でコーヒーを淹れると、元々の水にミネラル成分が多い状態なので、コーヒーや紅茶から抽出される成分が相対的に少なくなります。また、ミネラル分とコーヒー成分の反応もわずかながら発生する可能性があります。


(カフェインを減らすには?)
化学的には、低温&短時間&硬水で抽出すれば、カフェインの少ないドリンクが出来上がります。
どんな味になるか、興味があればお試しください。
おすすめはしませんが💦 (実験済みです)

個人的にはカフェインを気にされる場合はデカフェをおすすめします。
デカフェも1種の水出しによって製造されています。

最近は以前紹介した超臨界技術(二酸化炭素)を使う場合もあります。

ここは別の機会にご要望あれば紹介したいと思います。

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