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携帯のなかった時代の代名詞は「すれ違い」

だんだん冬が近づいて来ましたね。
コロナの脅威に加え、インフルエンザもやってくるかと思うと不安になりますね。
こんな時代になるなんて誰が想像していたでしょうか。

時代と言えば今、青春物語を書いているのですが 携帯のなかった時代とある現代では恋愛模様が全く違うと思うんです。

携帯がなかった時代の代名詞は、すれ違い。

名作「めぐり逢い」は携帯がなかった時代だからこそ感動の映画でした。
もう二度とあんな映画は作られない。
だって現代はだいたいの日時場所だけ端末で決めて当日「ここらへんにいるよ〜」で会えるわけでしょ。
行きたくなかったら「今日は体調が悪くて」ってドタキャンできるんでしよ。

携帯のない時代の恋愛は固定電話が頼りでした。
しかも、いつなんどき相手の親が電話口に出るかわからないのでドキドキもんでした。
デートの待ち合わせ時間、場所は必ず復唱しましたし。
それでも相手が時間になっても来ないと何度も時計を見て辺りを見回す。
場所が違うのかしら?って思い始めるけどその場を離れたらすれ違うかもしれないと立ち尽くすしかありませんでした。

逆に自分が遅れた時は電車内でも走りたい気持ちでした。
雨が降り出したりしたら、どこどこって冬なのに汗かいて探し回りました。

そう言えば、中遠恋してた時(当時は遠恋なんて言葉はありませんでしたが)デートの約束をしてた日に大雪になったんです。
会社を出る時は小降りだったのですがどんどん大雪になって。
待ち合わせのお店の軒先で大雪の中、2時間待ちました。
今思えば、そんな長時間よく立っていられたなってかんじです。信じられない。

当時の彼はいつも高速道路を使って会いに来てたんですがその日、大雪で途中で閉鎖されやむなく高速を下され戻ったらしいです。
そして高速が閉鎖されて待ち合わせ場所に行けないと私の家に電話したんですね。
母は私から電話があったら伝えると返事したそうですが一向に私からは連絡なし。
痺れを切らして会社に電話したらすでに退社してるとのこと。
母は私と連絡が取れないのでずっとオロオロ心配していたそうです。
今更ながらごめんなさい。

高速が閉鎖されて待ち合わせ場所に来れないなんて事情は考えもしなかったし、知る術もなかったので私はガタガタ震えて待ちました。
雪で遅れているだけかもしれないし彼の自宅に電話するにも近くに公衆電話がない。
ひたすら立ち尽くすしかありませんでした。
結局、2時間後にあきらめてバスに乗って帰ったんですけどね。

今なら携帯ですぐ連絡取れるし、ましてや大雪予報もネットでわかる。
でも人を信じて待ち続けるなんてロマンティックなことは携帯のない時代だからこその産物じゃないかしら?