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本名がインターネットに公開されている恐怖

突然ですが,わたしの本名を検索すると,現職場や学歴・メールアドレス・顔といった個人情報が公開されています。
職業研究者の人はresearchmapや大学のホームページに全て載っている人が多いかと思います。
研究者以外の職業でも,医者であったり会社経営者であったりといったような方は同様の状況なのではないでしょうか。
スポーツ選手も学生時代から活躍していると学歴や顔,本名がインターネットに公開されています。
このような職業に共通するのは自分が直接関わらない人に対しても一定の信頼をもってもらう必要がある,というものなのかなと思います。
知らない人に自分の知識や技術,その技術の獲得過程や過去の業績を示すことで,自分の発言に説得力を持たせたり,応援してもらったり,顧客となってもらったり・・・というようなイメージです。

人類のうち,googleで本名を検索して検索のトップページに本人の情報が記載されたページが出てくるという人は少数派だと思います。
そのため,今日はこの「インターネットに個人情報がある人」ゆえの愚痴を書き連ねていきます。

例えば,大学教員はインターネットに職場やシラバスが公開されているため,ある人がどの時間にどの場所にいるかは全世界に公開されています。
A先生が月曜日の12時にB大学のC教室で授業をするならば,その前後の時間にその教室へ行けば必ずA先生と接触できます。
これはA先生をストーカーしたかったり,危害を加えたかったりする人にとっては格好の情報といえます。
(某都立大で某先生が襲われた事件などがありました。その犯人がどのようにして情報を得たのかはわたしには分かりませんが,わたしはこの事件を見て大学教員って匿名性に守られていない・リスクある職業だなと思いました。)

ご無沙汰気味の知人や知らない人と会う時にわたしはインターネットに本名があるゆえのモヤモヤを経験することがあります。
最近,10年ぶりくらいの知人Dと会うことがありました。
Dは当然わたしの本名を知っているわけですが,久しぶりに会う前にDはインターネットでわたしの近況(勤務先など)を知りそれを話題としてあげてきました。
わたしはちょっと気持ち悪いなと思いました。
同業界の人に会う前(仕事のアポ前など)にインターネットで名前を調べてアポに臨むというのはわたしはやるべき準備だと考えているのですが,プレイベートの関係の人にそれをやられると距離感を無視して居心地悪い距離まで詰められたような感覚になります。
このような,本名からネットで検索して個人情報まで知られてその情報を基にした話題をふられる,ということは,知人だけでなくほぼ初対面の人でもありました。
LINEを交換しただけの人からそのような話題をふられると,警戒心が一気に高まりもうそれ以上距離を踏み込ませねえ!となってしまいます。

Twitterで大学院生や研究者で婚活恋活している人のツイートがよく流れてくるのですが,そこでアプリであった女性が自分のresearchmapを読んできてくれて研究分野とか論文について質問してくれて嬉しかった!的なことを書いてあるのをよく見ます。
わたしはこのようなツイートを読むたびに,「これ,男女逆だったらめちゃくちゃ怖いと思うけど???」と思ってしまいます。
アプリであっただけの人にすでに個人情報を握られていて,しかも,(相手が個人情報をインターネットに公開していない人なら)自分は相手の名前を検索しても情報が得られないという情報の非対称性があるなんて恐ろしくないですか。
男性だと腕力で相手に勝てるからストーカーとかのリスクを考えずにそんなに怖いと思わないのかな・・・

数年ぶりに会う知人でも,別の知人だと事前にインターネットでわたしの本名を検索してくるということがなくとても「自然」でした。
数年ぶりにあった知人Eは,わたしの職業とかも何も知らないようで会話の中で自然とお互いに近況を教え合うという感じでした。
わたしはEに会ったことで,「やっぱ事前にインターネットで本名を検索して情報を得る奴って変だよな・・・」と思いました。

インターネットで情報が公開されていると,なんだかプレイベートと仕事の線引きがうまくされてないような気がしてきてしまいます。
上記のように他人に対して過度に警戒しなければいけませんし・・・
ペンネームや活動者名が別にあるひとがとても羨ましいです。

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