「観察力の鍛え方 一流のクリエイターは世界をどう見ているのか」を読んだ。
■私の解釈(主に感想)
インターネット社会、グローバリゼーション社会が成熟した時代が到来したのだなと思った。
昭和の後半より、ビジネスパーソンのマインドセットは「一所懸命→一生懸命」へと変化したが、平成の後半から令和においては、それが逆流して「一生懸命→一所懸命」へと変化しているのだと思った。
何故そう解釈したかというと、時代の求めに応じて創造を培う為に、「する」から「いる」に転換すべきとした、著者の説明に起因する。何故創造を培う必要があるかというと、本書の中で著者は創造に対する対義語としての「模倣」を主体とした社会は、ウェルビーイングの観点から限界が来ている為、解決策として「創造」を課題として提唱しているのだ。
「一所懸命」とは、己の居場所を守る事に他ならない。
「一生懸命」とは、死に物狂いで必死に生きる事を意味する。
「する」の時代であれば「一生懸命何かをする」というのが価値の生産であり、それが成果となり、我々は経済的自由という結果を手に入れる事になった。しかしこの価値観では立ち行かない時代になった(ウェルビーイングが犠牲になっている)、というのが著者の問題定義である。
「いる」は、曖昧さ(創造の源泉とも言うべき、答えの無い不可思議な価値、すなわち”あいまい”)に対して、自分自身がどういう存在として、そこに「いる」かが問われる。
中世の時代では物理的に地図上に線引きして明確だった守るべき「いる場所(領土)」だが、現在の情報化社会では縦横無尽に仮想空間上に広がっており、誰にも線引きできない。
であるからこそなおさら「いる」こと(良い状態の人間であること)が重要であり、すなわち「一所」を「懸命」である事が求められている、そのように解釈した。
■今後のアクション
・自身は認知のメガネをかけており、けしてそれを外せない事を、常に念頭に置いて行動する
┗理由:他者とのコミュニケーションを円滑にする為。他者と自分がお互いに認知のメガネの存在に気が付かない事が原因で、コミュニケーションエラーを起こしているのであれば、それが改善できる見込みがある。ビジネスに活用ができる。
・何かの判断をする際に、自分自身の認知バイアスのチェックを怠らないこと
┗理由:判断に失敗しないため。認知バイアスが原因で判断に誤る事は、このスキルに気が付いた時点から、極力なくして行きたい。私が常に正確な判断を下せるようになることは、周囲に良い影響を与える。
・仏教を勉強する
┗理由:本書で様々に仏教の言葉に触れたが、初歩の初歩ですら知らない事に気が付いた。どこかに入信するとか門弟になるとかではなく、学問としての初学者の地位を得たい。
・ギリシャ哲学を勉強する
┗理由:物事の本質を問う為の草分け的な思想を知らずして、本質的な問いができない為。観察をするためには避けて通れないのではと感じた。
・自身の感情はコントロール可能であるという認識の元、今、感情が何に向かっているか、己の観察を怠らないこと
┗理由:「する」から「いる」にマインドセットを変革する中で、感情をコントロールできるスキルは必須であると感じた為。「いる」をうまくやる為には、感情がコントロールできる必要がある。他者との関係性で調和がとれている必要がある為。
■本書の気になったキーワード
・メガネ=①認知バイアス、②身体・感情、③コンテクスト
・過去の認識は現在の認知の状態によって、いかようにでも変化する
・ディスクリプション=見たものを見たままに客観的に言語化する
・客観と主観、具体と抽象を行き来する。
・この世界をただしく認知し、行動をするのを妨げているのは、自分の脳なのだ
・確証バイアス・・・仮説を補強する情報だけが目に入り、他を排除できる
・『悲観主義は気分だが、楽観主義は意思である』哲学者アラン
・『幸福な家庭はどれも似たものだが、不幸な家庭はいずれもそれぞれに不幸なものである』トルストイ「アンナ・カレーニナ」
・「そういうものだ」と心の中で唱える。想像通りにいかないことを楽しめるようになると、行動することが怖くなくなる。
・振り返りの重要性
・バイアスチェック ①確証バイアスではないか、②ネガティブバイアス、③正常性バイアス、④同調バイアス、⑤ハロー効果、⑥生存者バイアス、⑦後知恵バイアス
・仏教の五蘊、四苦八苦
・ギリシャ哲学
・時代が代わり、理論よりも感情と関係性が重要な時代となった。
・自身の感情を観察する。感情が何に向かっているのかを注意する。
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