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毒ガス兵器の功罪は、神も判断せず、毒をもって毒を制す。


世の中の功罪は、誰にもわかりません。
ドイツのユダヤ人で、フリッツ・ハーバーという科学者がいました。
空気中の窒素からアンモニア合成法を開発し、農産物の大量生産に成功しました。

当時ヨーロッパでは産業革命で人口も増大し、農産物の需要が劇的に高まったのですが、それを賄う肥料が不足していました。窒素は空気中にはいくらでもあるのに利用できずにいました。ハーバーのおかげで食糧問題が解消し、人類に大いに役立つ存在になりました。

一方、発生する窒素ガスを使用し、彼は毒ガス兵器を開発しました。彼は強い愛国心を持ち「毒ガスで戦争を早く終わらせる事で、無数の人命を救う事ができる」(原爆投下を正当化する同じ理屈)と、第一次世界大戦において、イギリス兵やフランス兵を大量の殺戮に貢献しました。
ハーバーの妻は強く反対し自殺しました。それでもハーバーは止める事は無かったのです。

ドイツはWW1に敗戦を迎えました。その後ヒトラーが台頭します。ナチスによるユダヤ人の追放でハーバーも、ユダヤ人であるが故に国外追放されました。

ハーバーは、食糧で人類に貢献し、毒ガスで人類を苦しめました。


アシュタールさんなど高次元の存在は、良いも悪いも判断せず、視点による功罪がある多様性を指摘します。
遺伝子組み換え食品で陰謀論界では悪の代表とされるモンサント社なども、食糧難のとある国民の生活を向上させた側面も多大にあります。
地球環境を守ろうとする活動が、環境破壊に結びつく側面もあります。
無自覚に被害を受け犠牲になってくれた貢献で、自覚を促してくれる側面があるそうです。

聞きかじりの陰謀論を振り回し、表っつらのスピリチュアルを振りかざし、他者を評価することで、気づくとその批判すべき行動を自らがしている時があるのでしょう。
功罪は誰も判断できないけど、そこに自覚しているかの判断はできるでしょう。

薬は毒です。
しかし、毒をもって毒を制し、肉体の苦痛を緩和してくれる側面もあります。
目的のためには手段を選ばず。いや手段を重んじない目的なんか重要じゃないといえます。
正義のためには悪魔とも手を組む。いや正義かどうかなんて主観で、手を組まされる悪魔のほうが正義かもしれません。
私たちの判断なんて、何も判断できてないかもしれません。

地球を球体だと仮定し狭い範囲の環境だと考えれば、自転して起こる偏西風の循環の中で、逆風や乱気流が起こることもあることで、硬直感の緩みや環境の多様的な再散布が起こるでしょう。
ハーバーが1人で順風と逆風を行っただけで、普段から、いろんな人がいろんな役割でいろんな風を吹かしてるかもしれませんね。

あなたも気づかない小さな事で、人類に貢献しながら人類の災難に加担しているかも。
人は対比する立場を同時に体験してます。
分かりにくいですよね。
誰かの言葉に頼らず、自分の頭で考えて行きたいですね。

自分の立ち位置に固執している自覚が難しいけど、少なくとも毒ガスを出してないか、そして毒ガスの風下からは逃げる自覚は持っておきましょう。
という隠喩で締めます。


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