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BizOps立ち上げにおける道のりと成功の鍵


この記事はBizOpsアドカレの9日目の記事です。前日は中嶋牧子(まきこ)さんの「経営に寄り添うBizOpsに必要な2つのマインド」という記事でした。


初めまして。株式会社ログラスの小林と申します。

弊社は「良い景気を作ろう。」をミッションに、企業経営のDXと高度化を推
進する「Loglass」シリーズを開発・提供しております。

この度、BizOpsの立ち上げ経験者が1年経って気づいた学びを共有することで、BizOpsという役割の理解を広めることと、これからBizOpsを立ち上げようとしている方々が私と同じミスをしないよう何かの役に立てばと筆を執りました。

また同じようにBizOpsとして社内で日々奔走されている方々におきましては抱えている課題がこの記事によって少しでも解決できれば幸いです。

1. BizOpsの台頭

近年BizOpsやSalesOps、CSOpsなどXOpsという職種がスタートアップ企業を中心に少しずつ増えてきています。

その中でもBizOpsは企業ごとに諸説あるものの、主に営業の生産性向上、見積〜支払までのプロセス改善、データ活用体制の整備の役割を担います。

これらの役割において課題の発見・改善策の立案・実行・計測までの様々なプロセスを統括します。

ただ、この重要な役割は日本において比較的新しい概念であり、多くの企業がその具体的な実践方法について模索している段階にあると考えています。

弊社におけるBizOps

BizOpsの役割について前述のとおり企業ごとに違いがありますが、弊社ではBizOpsの役割を「Salesforceなどの営業系ツールを活用したデータドリブンなビジネスオペレーションの実現」と定義しています(2023年12月時点)。

私自身は昨年、転職を機にBizOps部署をゼロから立ち上げるという挑戦を経験しました。BizOpsという概念が少しずつ広まり始めてはいるものの、具体的な立ち上げのプロセスや運営のノウハウについては、まだ十分な情報が存在せずほとんどのことを手探りの中で進めてきました。

本稿ではBizOps部署の立ち上げにおける私の実体験を共有し、同じように新たな部署を設立しようとしている他の企業やビジネスリーダーたちに対して、実践的な洞察と具体的なアドバイスを提供したいと思います。私が直面した課題、それにどう対処したか、そしてBizOps部署を成功させるための鍵となる要素について詳しく説明していきます。

2. 実践から学ぶBizOps部署立ち上げの道のり

立ち上げ初期の課題

1年間BizOpsとして業務を進める中で立ち上げ初期の課題はいくつかありますがメインとなるのは4つだと思います。

①役割を定義すること、②人に比例して増える要望、③幅広い役割と必要なスキルが多岐にわたること④採用の難しさです。

①役割の定義

自社内でも定義がふわっとした状態であったためとにかく調べることに注力して情報を集め、BizOpsとはどういうもので、弊社のステージとしては何に注力すべきかを考えました。

概念が新しいため会社としても個人としても手探りだったこともありますが、BizOpsに対して自分なりの定義を決めることと、会社が求めるBizOpsの役割を早い段階ですり合わせることが重要です。

②人に比例して増える要望

システムやオペレーションに対する要望が様々な場所で発生しており、情報が集約できないことから起きる二重依頼やSFAのロードマップが誰も分からないことに課題を感じていたため、要望を集めるデータベースを1箇所にまとめました。

また、ステークホルダーが多岐にわたるため各部署マネージャーとBizOpsで議論する場を設けて、部署内の個人から集約した要望の詳細ヒアリング、インパクトの見極め、対応優先度をその場で決めるようにしました。

ここで重要なのは上がってきた要望をそのまま飲み込むのではなく、どういう目的で要望が生まれたのか、解決すべき課題は合っているのか、解決方法もそれが一番ベストなのか、このタイミングで本当にやるべきかどうかという点を議論することです。

③幅広い役割と必要なスキルが多岐にわたる

これは事業の成長スピードによりますが、成長速度が速すぎる場合にはBizOps内の役割をいくつかに分類してから、それぞれに特化した人材を立てることが重要であると考えます。

理由としては事業の成長速度に人の成長が追いつかないこと、そしてBizOpsの担当領域が広くシステム構築まで含むとオペレーション全体を少人数で統括することが非常に難しいためです。

④採用の難しさ

BizOps自体が最近広がりつつある役割であることからBizOpsの認知がされておらず募集をかけても集まらない状況にあります。

ご自身ではBizOpsにあたる仕事をされていてもBizOpsという呼称ではないことも多々あり、弊社もですが採用には非常に苦戦する傾向にあるかと思います。

業務プロセスの構築

BizOps部署における主要な業務プロセスは入社後すぐに着手しました。オペレーションの設計も必要ながら当時はSFAを導入しているものの管理者がおらず整備することが急務でした。

あとの業務改善のためにまずは土台となる情報を集約するSFAの整備に着手すべく、各部署から要望を吸い上げるデータベースを構築しました。
またMAも含めて今後の企業・担当者のデータベースを設計して、既存システムのリプレイスなど大きな部分の問題解決に動きました。

入社当初のBizOpsの目的であったデータドリブンなビジネスオペレーションの実現に向けては現在も着手している最中ですが、ダッシュボードと会議体をワンセットで定義しようとしています。

元々の計画では今後10年で必要となるデータの定義を細かくやろうとしましたが、変化の激しいスタートアップ企業であることから予測できない部分が多く、定義に時間をかける自体が無駄と判断してまずは最低限必要なダッシュボードを作ることから始めました。

改めて感じたことですが完璧でなくていいので作りきり、そこから議論を始めることが重要であると思います。

チームの構築と運営

現在のチーム構成は経営戦略室という部署にBizOpsが属する形を取っています。社内のオペレーションを大きく変えることが求められるケースもあるため、全体を俯瞰できる部署に属することが重要だと感じています。

立ち上げ期はSFAの活用レベルが低かったためリソース不足を感じませんでしたが、社内でSFAの利用が高度化してきた結果やりたいことが増えてきて人手不足を感じることが増えてきました。

繰り返しになりますが、先々を見据えて採用チャネルを早めに増やしておくことが重要だと思います。

3. BizOps部署立ち上げにおける成功への鍵

まだまだ短いたった1年の経験ですが、これからBizOpsを立ち上げようと考えている方に伝えたい成功の鍵は次のとおりです。

成果と学び

この経験から学んだ重要な教訓は「①定義を合わせること」「②要望を1箇所にまとめること」「③採用チャネルを持つこと」の3つです。

①定義を合わせること

新しい考え方であることからBizOpsに対する役割が人によって大きくズレる可能性があり、期待値のズレを無くすためにも入社後すぐ、もしくは面接の段階でしっかりと認識をあわせておきましょう。

BizOpsの事前情報を収集する際には上村さんが書いたBizOpsについての記事がとても参考になりますので前提知識として一読することをおすすめします。

②要望を1箇所にまとめること

要望を一箇所に集約することは自分だけではなく依頼者側とマネジメント側の双方のためになります。また可能であればいつどうなる予定なのかが可視化できるようにしておきましょう。

ちなみに弊社ではSlackで要望を投稿してスタンプを押すとZapierを介してNotionに起票され、Notion内で可視化される仕組みを作っております。
誰でもいつでも平等に要望をあげることができるため、現場で起きている課題を一次情報としてそのまま上げてもらうことができます。

③採用チャネルを持つこと

ログラスでも、必要な人材を探すのに非常に苦労しました。そのため、エージェントさんに頼るだけではなく、BizOpsのコミュニティなどに参加して自ら母集団を形成出来る体制を作っておきましょう。人が足りないと感じ始めてからでは手遅れになることが多いです。

以上が1年間BizOpsの立ち上げを通じて得た学びとなります。
まだまだ手探りで進めていることも多いですが、1年の経験を通じてようやく少しずつ形になってきたと実感しております。

これらの学びがこれからBizOpsの立ち上げを検討されている方々の一助となりますと幸いです。

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