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せめて小二までは一緒に。

書道教室に週一度通っている。主に小筆で漢詩、手紙の課題を書き、一番上手なものを先生に選んで頂いて、次にもっと上の先生に見てもらって級が上がるかもしれない…というよくあるシステムである。私の場合は、一回の稽古で約30分墨を磨り、90分で課題に取り組むというタイムスケジュールだ。2時間だけだがかなり全力で向かうので終わった後は結構体力が削がれてしまう。
帰り道、たまに玉子焼き屋さん(いわゆる明石焼きと全国で有名になっているもの)で思わず3舟を頼んでしまう。それくらい体力を消耗するのだ。案外書道はマッチョな”道”である。

私だけかもしれないけれども。

小学生は1時間。時間割で大人が終わる頃やってくるので5分から10分くらいかぶるのだが、見ていて面白い。多様性だかなんだかよくわからないけどこの世代は、私が想像する男の子と女の子のイメージそのままだ。圧倒的に宿題をせずに来るのが男子。それに「あー〇〇君はやってないんだぁ~」と冷ややかに言うのが女子。過去その女子だった私がまだそこにいるような感じだ。多分未来も変わらないと思う。それはそれでいいんじゃないかと思うのだけれども。

その中に最近新しく入ってきた小学校2年生の子がいる。初めて会った時にその子供から「こんにちは」と挨拶をしてきて少し驚いた。きちんと挨拶をしなさいとご家庭で教育がなされているんだろうなと感心した。

しかし、書への姿勢が全く足りていないようだった。お手本を全く見ずに書く。お手本を全く見ていないのでかなりのスピードで書く。お手本は簡単な文章になっているのだが書いたものがお手本と違っている。
お手本が「きれいな花がさいた」⇒「されいな(漢字がくちゃくちゃ)ガきいた」みたいに…。これは先生もびっくりなさって、途中から生徒が並んでいる席から外して、先生の横に座らせていた。そして筆順もめちゃくちゃな事にも驚いたそうだ。アラビア数字の「1」は下から上に書くという風に…。

いやいや来ている訳でもないし(自分から母親に書道教室に行きたいと言ったそうだ)ましてや反抗している訳でもない。先生は手強いのが来たと思ったそうだ。挨拶もきちんと出来るのに…なぜ?!

社会に出て「文字が汚い」人は敬遠されるし、格下に見られるのが正直なところだ。せめて丁寧に書こう。他人が見ても文字として読めるように丁寧に書こう。大げさだが「この人大丈夫なの?」となる可能性もある。
そう思われてしまう前に、せめて小学校に入った2年ほどは鉛筆の持ち方や筆順は親が傍で見て教えてほしい。もっと言うなら筆記具に興味を持った時点で”文字”への正しい認識をさせてもらいたい。

将来に係わると言っても大げさではないと思う。


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