2022年2月下旬〜4月に日本上映される映画がアツい件
2022年2月下旬から4月に日本上映予定の映画で、個人的に注目している作品を紹介します。
■概要「何が凄いのか?」
2022年の2月に入ってここまでに多くの映画を鑑賞された方も多いと思います。
最近では第94回アカデミー賞の候補作品が発表されていき、ドライブ・マイ・カー、CODA、パワー・オブ・ザ・ドッグをはじめ注目作品が目白押しだと思います。
筆者なりに近日公開予定の作品を調べたところ、注目作品が思った以上に多い事に気づきました。
2月末に構成で面白い作品、3月から4月にかけて第74回カンヌ国際映画祭のコンペティションのコンペティション部門の出品作品が集中的に上映されます。
そして4月末には去年のシネフィルたちが絶賛していた作品こと第71回ベルリン国際映画祭で最高賞を受賞した「アンラッキー・セックスまたはイカれたポルノ」が上映されます。
映画を本格的に見始めて4年経ちますが今回の注目作品の密度の高さが段違いだと感じたので、今回は注目作品を10作品調べてみました。
■基準
★☆☆:興味ある
★★☆:可能なら観に行く
★★★:絶対に観に行く
【2/26上映★★☆】デイヴィッド・フランス「チェチェンへようこそーゲイの粛清ー」
■注目ポイント
LGBTに関する潜入捜査もののドキュメンタリー映画。
この映画は第93回アカデミー賞の長編ドキュメンタリー賞&視覚効果賞のショートリストに選出されている。
この映画は被害者の身元を特定できないようにディープフェイクというAIを使用して顔や声を合成する技術が取り入れらている。
ドキュメンタリー映画で潜入捜査ものという緊迫感のある作品で注目したい。
■あらすじ
【3/4上映★★★】アピチャッポン・ウィーラセタクン「MEMORIA メモリア」
■注目ポイント
2021年の年間ベスト映画でTOP10入りした作品です。
第74回カンヌ国際映画祭で審査員賞を受賞した作品で、第34回東京国際映画祭でも上映された作品。
本作は何よりも「音」がストーリー進行するコアになる映画で、スピリチュアルな展開に多角的な見方が出来るのが面白いところだと思う。
特に愛知では伏見ミリオン座で上映されるが、伏見ミリオン座は音響が素晴らしいので本作をより楽しめること間違いなし。
難解な映画ではあるものの、難解である以外で音響面や画作りに予想できないストーリーテリングで見所を多く内包している作品だと思う。
■あらすじ
【3/12上映★★★】A・T・ホワイト「スターフィッシュ」
■注目ポイント
未体験ゾーンの映画たち2022で出品された作品。カセットテープを題材にしたSF映画で、この映画のために東京か大阪に行こうと思うレベルの映画。
後にシアター・イメージフォーラムでも上映されることが決まるほどの人気映画で観に行きたい。
…が、見れる場所が未体験ゾーンの映画たち2022(東京&大阪)、シアター・イメージフォーラム(東京)とかなり限られる映画なので、鑑賞難易度がめちゃくちゃ高いのがネックか。
■あらすじ
【3/25上映★★☆】ジャスティン・カーゼル「ニトラム/NITRAM」
■注目ポイント
第74回カンヌ国際映画祭で主演男優賞を受賞した作品。
1996年にタスマニア島、ポート・アーサーで実際に起きた無差別銃乱射事件を基に犯人の環境や心情変化を描いた映画。
犯行動機に興味深い要素があるらしく、サイコスリラー映画を久しく観ていなかったので期待度高め。
■あらすじ
【3/25上映★☆☆】ギレルモ・デル・トロ「ナイトメア・アリー」
■注目ポイント
「パシフィック・リム」「シェイプ・オブ・ウォーター」のギレルモ・デル・トロの最新作。
「シェイプ・オブ・ウォーター」のダークな御伽噺が好きで、この映画自体に「大アマゾンの半魚人」を元にした素敵な映画だったのでその作家性が垣間見えるのを期待している作品です。
■あらすじ
【4/1上映★★★】ジュリア・デュクルノー「TITANE/チタン」
■注目ポイント
第74回カンヌ国際映画祭で最高賞パルムドールを受賞した作品。
前作「RAW 少女の目覚め」ではベジタリアン育ちの少女が肉の味をきっかけに徐々にカニバリズムへ進むとんでもない映画を作り上げたジュリア・デュクルノーの最新作。
予告編から漂うデヴィッド・クローネンバーグ「クラッシュ」を彷彿させる映画で「クラッシュ」で描かれた自動車という「自己の内面・深層世界」を破壊してイカれるギリギリのスリリングさを楽しむ…というテイストを覚える大注目作品。
■あらすじ
【4/1上映★★☆】アスガー・ファルハディ「英雄の証明」
■注目ポイント
第74回カンヌ国際映画祭のコンペティション部門に出品された作品。
なぜかレイフ・ファインズ「英雄の証明」と邦題がダダ被りしている事でシネフィルの間で一時話題になっていた。
いわゆるSNSを題材にした映画。SNSでのペルソナを問うような作品で、英雄か欺瞞を問うのが好きな自分にはドンピシャな映画。
■あらすじ
【4/22上映★★★】ジャック・オーディアール「パリ13区」
■注目ポイント
第74回カンヌ国際映画祭のコンペティション部門に出品された作品。
本作は「燃ゆる女の肖像」のセリーヌ・シアマが共同脚本として参加している作品として注目度高め。
予告編の雰囲気からアマリア・ウルマン「エルプラネタ」に似たテイストを感じるが、セリーヌ・シアマが脚本として参画していた過去作「ぼくの名前はズッキーニ」のストーリーテリングが好きなので奥深い作品になると推測。
■あらすじ
【4/23上映★★☆】キリル・セレブレンニコフ「インフル病みのペトロフ家」
■注目ポイント
キリル・セレブレンニコフはロシアの新鋭監督として有名で、過去作「The Student」「LETO -レト-」で各映画祭で多数の賞を受賞するなど鬼才ぶりを発揮している。
本作はアレクセイ・サリニコフ「Петровы в гриппе и вокруг него」というベストセラー小説を原作に、2017年に国の予算横領で逮捕されて自宅軟禁された監督が抱いた不条理さが味付けされた作品。
ロシアの映画は旧作以外ではあまり観ないので注目度が高め。
■あらすじ
【4/23上映★★★】ラドゥ・ジュデ「アンラッキー・セックス またはイカれたポルノ」
■注目ポイント
第71回ベルリン国際映画祭で最高賞金熊賞を受賞した作品。
上半期で最も注目している作品の一つで、去年はイメージフォーラム・フェスティバルでしか上映されていなかったため絶対に見ようと思っている作品です。
本作はポルノを題材にした映画であるものの、その背景に潜むコロナの要素や社会的規範に対する人の偽善を描く遊び心溢れる映画らしい。
その時点で見る意欲を沸かせる映画で早くシアターで見れるのが楽しみです。
■あらすじ