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ドミニク・モル「悪なき殺人」 古き良きニコ動文化を知る人こそ観て欲しい2つの理由

12/3(金)に上映される「悪なき殺人」を推す記事になります。


概要

筆者がこの映画に出会ったのは2019年の東京国際映画祭でした。

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当時は右も左も分からない状態で、東京の映画祭に行ってみようかなと思った時に出会い、あまりの面白さに感激した作品でした。この時は原題を訳した「動物だけが知っている」のタイトルで上映してました。

配給の問題なのか、中々上映してくれなくて当時の面白い作品たち(「ジャスト6.5」、「異端の鳥」)が次々と上映する中「なんで?」と思ってました。

ついに一般上映されると聞いて、これは一人でも多くの人に届けたいと思いこの記事を作成しました!


見どころ

この映画の最大の見どころは「群像劇の広さ」「偶然に偶然を重ねた笑える程にどうしようもなくなる」ところにあると思います!

(1)群像劇の広さ

まず、東京国際映画祭のあらすじを引用したい。

「フランス、雪国。女性が失踪し、ひとり暮らしの農夫が怪しい。一方、アフリカ某所、ヤギを背負った青年は祈祷師を訪ねる。複数の視点で明かされる驚愕の真実とは? 『ハリー、見知らぬ友人』(00)でセザール賞受賞のD・モル監督新作。」(第32回東京国際映画祭より)

複数の視点で描かれる群像劇ものの作品ですが、まずこの範囲がとにかく広い。その上で時系列がシャッフルされていく。時系列がランダムにシャッフルされる映画だとタランティーノ「パルプ・フィクション」を思い浮かぶ人も多いと思う。実際、本作もその雰囲気を踏襲した謎多きサスペンス作品になっている。サスペンス映画であるんだけど…その結末に多くのギミックが搭載されているので是非ともその目に焼き付けて欲しいです!

この映画は一見すると無縁な人たちが思惑の中で交差して、思いも寄らない展開に進んでいく様がコミカルで面白いです!その要素にキャスティングの妙があると思います。

アフリカの青年が良い味出しているので、是非ともチェックして欲しい。またアフリカの青年と並んで、映画に登場するドゥニ・メノーシェにも注目したい。ドゥニ・メノーシェといえばタランティーノ「イングロリアス・バスターズ」やウェス・アンダーソン「フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊」に登場する俳優。

彼の存在を面白くする要因に同年に上映されたグザヴィエ・ルグラン「ジュリアン」の存在がデカい。

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この映画は第86回アカデミー賞の短編映画賞にノミネートされた「すべてを失う前に」の長編バージョンで、離婚調停と親権に関わる作品である。

少年の奪い合いとも取れるシーンの連続で、愛するあまり狂気的なスリラーじみた展開になるのが見どころであるがそれを引き立てたのがドゥニ・メノーシェといっても過言ではない。そのくらい彼の巨体に表情や暴力性の片鱗を魅せるのが上手くて、映画館で見た当時の感覚を今でも覚えている。

その彼が「悪なき殺人」では…凄くギャップを味わえます(笑)

(2)偶然に偶然を重ねた笑える程にどうしようもなくなる

この映画は「偶然」を題材にした映画であるが、そのノリが古き良きニコ動文化を継承していて面白い!

皆さんは2010年代にニコニコ動画、生配信で一部流行っていたあるシリーズをご存知だろうか?コレコレさん、じゅん☆じゅんさん、ミート源五郎さんが活躍してた男性を、、、なシリーズ・・・つまり、そうゆうことである。

このシリーズを知っている人たちこそ、この映画を観て欲しい!を声を大にして言いたい!そのくらい見応えあると思います、てか観て欲しい!

その動画シリーズにドンピシャな筆者は劇中ずっと笑ってました(笑) これサスペンス映画だっけ?と思うくらい笑いました。


何があるか?どんな魅力があるか?是非とも映画館でウォッチして欲しい。


Filmarksレビューはこちら。見た人は覗いてみてね。

・評価 4.8/5

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