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おウチでウイスキーを楽しむコツは ①ストレート用グラス編

ウイスキーを楽しむ場としてBARや居酒屋は欠かせない存在だが、週に何度も通うには資金の問題が付きまとう(できるなら毎日通いたいものだが…)。

となれば、「家飲み」が選択肢の一つとして出てくるのは当然なのだが、ただただ「飲んで酔っ払う」のでは、やはり味気ないだろう。

このシリーズでは自宅でウイスキーをじっくり楽しむために、筆者がオススメするいくつかのポイントや方法、グッズ等を紹介していきたいと思う。

さて、第1弾で紹介するのはウイスキー用グラス。それもオンザロックスやハイボール用ではなく、ストレートで飲むためのものだ。

専用のグラスを買おう

おそらくディープなウイスキー好きは常備しているだろう(勿論筆者も)ウイスキーをストレートで楽しむためのグラスたち。BARへ行けば勿論これにウイスキーを入れて供してくれるのだが、普通の(ウイスキーマニアでない)一般家庭には置いていることは少なく、買うにはやや敷居の高いものかもしれない。

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だが、専用のグラスは見た目・機能性ともにウイスキーを楽しむことに優れた造りをしている。これを使うだけで、ウイスキーの家飲みの満足度はぐっと高くなるはずだ。

家飲みを充実させたい、家でじっくりとウイスキーを楽しんでみたいと思うのならば、是非1脚は自宅に置いてほしいと思う。

グラス紹介

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写真は筆者自宅にあったウイスキー用に使用しているグラス群。左から順に①所謂「ウイスキーテイスティンググラス」とよく呼ばれるもの、②グレンケアン・ブレンダーズモルトグラス、③DOC・テイスティンググラス、④1920s プロフェッショナル ブレンダーズグラス。

① ウイスキーテイスティンググラス

このグラスはウイスキー関連イベントのノベルティとして配布されることが多く、また、蒸溜所のショップなどでも手に入る。手のひらサイズでかさばらず、ステム(脚)も持つのに丁度良いサイズをしている。ボウル(ボディ)部分は比較的浅く、リム(飲み口)に向かってなだらかにすぼんだ形状。ウイスキーの香りを程よく集め、飲む際には一気に流れ込むのを防いでくれる。

何より嬉しいのは価格。イベントノベルティならプライスレス、実際に買うとしてもおおよそ500~高くても1000円以内程度で確実に購入できる手頃さだ。

② グレンケアン・ブレンダーズモルトグラス

このグラスは本場スコットランドの会社、グレンケアン・クリスタル・スタジオが製造しているウイスキー専用グラスで、スコットランド本土のウイスキーメーカーでは勿論、日本国内の蒸溜所でも多く販売されている。ほかにも専門店やネット通販等でも広く購入可能だ。

外見上最大の特徴は、まるで台座のようなステムにある。いや最早ステムというより台座と言いきったほうがしっくりくるのかもしれない。他の種類のグラスには無い特徴だ。

このステムの形状のおかげで、手に持ってもテーブルに置いても非常に安定する。また、手に持った感触も丸っこくてソフト。手からリムまでの距離が短くなるため、飲む際の傾け加減も少なくて済む。尚、ボウルからリムにかけてのカーブは上記①のそれと比べてやや大きく作られており、少量ずつ口に含むのにより適している。流石、モルトウイスキーのために生まれたグラス、見た目も機能性も良い。

ただし、お値段は少々高め。実売価格としては1000円前後からそれ以上となっている。

③ DOC・テイスティンググラス

これは実はウイスキー専用のグラスではない。本来はワインをテイスティングするために使用する、国際標準規格(DOC)のものである。ワイン用として売られているものの、サイズ・形状ともにウイスキーを楽しむにはかなり適したものとなっており、実際に業務でテイスティングに使用している蒸溜所もある。

形状としては所謂一般的なワイングラスをコンパクトにした形状であり、ボウルからリムに向かってすぼむように、比較的シンプルにカーブしている。ステムは上記①、②と比べてやや長めの設計だが、決して邪魔になるながさではない。

普及品であるためか、価格は安め。特に複数個セットのものでは単価500円程度で買える場合もあり、意外とお得である。また、ワインと共用と考えれば、普段使いでも活躍の機会は多い。コストパフォーマンスに優れる1脚だ。

④ 1920s プロフェッショナル ブレンダーズグラス

これは少し別格。見た目は相当奇抜で、サイズ感もかなり違う。形状としては1920年代にウイスキーのブレンダーが使っていたというグラスを再現したものらしい。製造しているのは、ウイスキーのボトラー・ブレンダーとして有名な「エリクサー・ディスティラリーズ」。同系列の販売部門には国際的に有名なウイスキー専門店、ザ・ウイスキー・エクスチェンジがあったりする。

さて、具体的な形状だがボウル部分はまさに名の如く「ボウル」構造をしており、リムはボウルに比べて相当小さ目。ステムは非常に長く、指先だけの保持ではやや不安定になってしまう。ウイスキーグラスとしては相当ピーキーな見た目・設計だ。

さて機能性のほうだが、こちらも負けず劣らずピーキー。とにかく香りの上がり方が凄い。丸く広がったボウル部で立った香りが、小さく狭まったリムに一点集中で集約される。カスクストレングス等アルコール度数の高いウイスキーは言わずもがな、一般的な40度程度のものですら油断するとむせるほど香りが集まる。鼻の近づけ過ぎには注意が必要だ。

しかし適正な距離で香りを嗅げば、他の種類のグラスよりも濃厚な香り立ちを楽しむことができる。もしかしたら今まで気が付かなった香りに、新たに気付けるかもしれない。また、一見して他のグラスに無い、非常に優雅な見た目をしており、特別感が強い。是非、特別なシーン、特別なボトルで使っていただきたい。

特殊な形状・機能性を持っているだけあって、お値段もなかなか高め。専門店の実店舗・ネット通販ともに3500~4000円前後で販売されている。また国内での入荷数が少ないためか、販売店は多くなく、品切れになることも多い印象だ。

他にもたくさんある、ウイスキー用グラス

上記で紹介した以外にも、ウイスキーをストレートで楽しむためのグラスはまだまだ様々なものがある。

高級どころでは世界的なワイングラスメーカー、リーデル社のウイスキーグラス「ヴィノム・シングルモルト」や同じくグラスメーカーのツヴィーゼル社の「ノージンググラス」等が有名だ。どちらも先ほど紹介したものと形状・機能性が異なり、さらに高級感が増す。

基本的には廉価で使いまわしが効き、メンテナンス性の高く割れにくいものがオススメではあるが、懐に余裕があるならば④のものを含め、ちょっといいグラスで楽しむのも良い。

さて少々話が長くなったが、グラスはウイスキーを楽しむうえで基本中の基本とも言えるアイテム。まずは1脚、手元に置いて試してほしい。

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