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高次脳機能障害は急性期に伝えられていない問題について

脳卒中や脳の外傷で急性期病院に入院した時に、後遺症として残るかもしれない高次脳機能障害を説明されていないという意見があります。

私はかつて救命センターがある某大学病院を経験して、その後長期療養型の病院に長く勤めてその中で回復期リハビリテーション部門を担当していました。その経験から、伝えられていない問題について書きたいと思います。

私が高次脳機能障害の講演をするときによく使うスライドです。
ご本人よりも家族の気持ちのフォーカスしています。

急性期から回復期にたとえ言葉として高次脳機能障害「今後記憶力が低下、性格が変わる後遺症があるでしょう」と言われても、
今歩行ができる、手が動くに気持ちが集中するのは当然です。
もう一つ、高次脳機能障害、しかも軽度の方は回復期リハビリテーションの場では優等生なのです。
麻痺が少なく、病院の中での生活は不自由しないので、患者さん自身は早い社会復帰を望みます。
この時点で例えばリハビリ技士が、計算が遅い、新しいことが覚えにくい、気に入らない訓練には参加できないで布団に閉じこもるなど話したとしても、あたかも回復や社会復帰への抵抗勢力のようにとらえてしまうかもしれません。

なので、高次脳機能障害については時期を選んで伝える必要があると考えています。
以前に、高次脳機能障がい者支援センターでは、脳卒中になった方のためのパンフレットを作成しました。
家に帰って何か困った時に相談できるところがありますよ。という内容で、急性期や回復期の医師でなくても、リハビリテーションに関わるスタッフや看護師が自宅へ帰る家族に渡してくれてその時は読まなくてもいずれ気づいてくれたらという願いを込めました。

気づいていないことは問題化しません。ただでさえ急な病気やケガで本人も家族も忙しい、考える時間はありません。
困った時に相談できる、困っている内容が明確になってきたときに専門機関に繋げられる場。
一つにはインターネット。ところが手足のまひについてはでてくるのですが、高次脳機能障害については1万最初のページには出てこないのです。
行政の窓口、行きにくいですよね。しかも、就労世代の歩ける家族のことを相談。

なので、細々でも高次脳機能障害という言葉が普及して、相談するところがあると困っている当事者家族に伝わりますように、相談窓口情報を掲載します。家族会の連絡先を載っています。


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