見出し画像

高次脳機能障害の理想と現実

2月26日6、庄内高次脳機能障がい者支援センターで医療福祉系学生向けの公開オンライン講座が開催されました。

高次脳機能障害について、医療で仕事してからでなく、社会にでる前の学生のうちに学んでほしい、知っていて欲しいという新しい試みに興味があり参加しました。

コーディネーターの東北公益文科大学の鎌田剛先生の楽しいナビゲートの中で進行。
医学生、医療系の学生、福祉系の学生が多く参加していましたし、発言、質問も積極的でした。

講師の丹治和世先生は以前に一緒にお仕事したことがありますが、トップレベルの研究者でありながら、情の厚い、患者さん思いの先生です。
それだけでなく、支援する側にも協力を惜しまない先生で尊敬しています。


今回は、高次脳機能障害の基礎知識だけでなく
制度の運用に地域差があることの是非にも踏み込んでおはなしされていました。
それは山形県だけで仕事をしているちょっとピンとこないかもしれませんが、県により独自のルールというか解釈があります。

特に手帳について説明します。
障害により、生活に支障があるときには障害者手帳の利用が可能です。
高次脳機能障害のための手帳は精神福祉手帳です。

脳のケガで、片麻痺が生じれば、身体障碍者手帳のはんちゅうになります。
同じ脳のケガで、注意が散漫になり集中できなかったり、視野が左側が見えにくくなったり(右側だけに注意が集中する)というように注意障害の症状があるときには精神福祉手帳のはんちゅうになります。

生活ではどちらも活動が制限される辛い状態です。
歩行が安全にできないとか、運転操作ができない。
以前のように仕事や生活ができない状態です。

高次脳機能障害の手帳は精神福祉手帳であっても精神科医師以外にも、脳外科、脳神経内科、小児科、リハビリテーション科の医師が記載できます。
しかし、統合失調症を基準に作ら得た精神福祉手帳の審査をする段階で認められないこともあります。
身体の障害はなく、患者さんは支援を受けられず、取り残されてしまいます。

高次脳機能障がい者の制度活用の理想と現実を、学生さんたちに知ってもらうのは将来的には重要なことですし、変わっていくきっかけになると思います。参加して良かった、学生さんたちの発言に希望があります。

ふりかえって、現在困っている患者さん達へは、実際に支援する立場から声を上げて、前進する必要があります。それは私たちの役目です。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?