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あすなろ荘のこれから

ここのところやっと秋らしい陽気になり、あすなろ荘にある紅葉もやっと色づき始めたかなという感じです。
こんにちはLet's be tomorrowです。

あすなろ荘では現在クラウドファンディングに挑戦中です。もし関心がございましたらぜひ下のバナーをクリックしてください。

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このクラウドファンディングは老朽化した建物を建て替えるための資金集めです。
ただ建て替えるだけでしたら、何とかなるのですが、せっかく建て替えるのであれば、あすなろ荘でこれまでできなかったところもやれたらと考えています。
それが「入居者支援×退居者支援×地域の青年支援」なのです。

今回から3回に分けてそれぞれの支援について、あすなろ荘がこれからどういう風にしていきたいかを書いていきたいと思います。

あすなろ荘の「これからの入居支援」

それまでの自立援助ホームとは

自立援助ホームはそれまでの間、児童養護施設を中卒もしくは高校中退などで措置解除され、自立を強いられてきた青年達が社会で生活するための練習の場としての役割を持っていました。
もちろん家庭からくる青年たちもいましたが、そのほとんどが児童養護施設や児童自立支援施設出身の方たちでした。
彼らは週5日以上一日6時間以上働く事、寮費として3万円支払うこと、自立準備のための貯金を5万円以上することがあすなろ荘で生活する条件でした。
児童養護施設を出て、家に帰ることができない青年達、お世辞にも出身施設との関係がよかったわけではない青年たちも多かったため、仕事や生活に対して後ろ向きな子が多かった気がします。逆に家からきた青年は自分の意思で家を離れることが多かったため、自立に向け真剣に取り組んでいた青年が多かったように思います。

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2009年の児童福祉法改正が一つの分岐点

2009年の児童福祉法の改正で自立援助ホームの対象年齢が20歳未満に引き上げられました。
また当時児童養護施設では小規模化を推進し、グループホームや小規模ユニットケアが増えてきた時期でもありました。
すると児童養護施設で中高生でも時間をとることが可能となり、職員との関係性が良好のまま、18歳を過ぎてからの入所というものが増えてきました。そしてそれ以上に増えたのが家庭からくる青年達でした。

昨年度より、成年年齢が18歳になりましたが、児童福祉法の保護年齢は18歳未満であり、成年年齢の制度は20歳以上だったころは、18歳、19歳の青年達の支援がとても薄かったように思えます。
特にネグレクトや性被害など他者から見えにくい虐待などは発見されるのも遅かったりもするため、保護できなかったということも少なくありません。
また中学を卒業すると、高校就学や就職などをしないと、どこにも籍がなくなってしまうため、なおさら発見しずらくなってしまいます。
20歳未満に保護の対象が延びたことで、こういう対象者を保護することが可能となりました。
すると、10代後半まで不適切なかかわりを受けていた青年たちが多く入居することになり、働いて、寮費を稼ぎ、貯金をするという状況以前、まずは心身ともにケアが必要な青年たちが増えてきました

2016年児童福祉法改正で新たなニーズが

また、2016年の児童福祉法改正により、2017年からは就学者に限り、22歳年度末まで自立援助ホームにいることが可能となり、就学していない就労者については、補助事業としてやはり22歳年度末までいることが可能となりました。
この改正で学籍者が大幅に増え、現在では全国の自立援助ホームに在籍する青年の半数以上が高校等の学籍を有しており、数%ではありますが、大学や専門学校に就学している青年もいるようになりました。
先ほどのケアが必要な青年たちが増えてきたことで、就労が困難であっても、とりあえず学校に行くことでの猶予期間ができたことはよかったのかもしれません

混在するホームの青年達

新たな制度ができるたびに自立援助ホームのニーズが広がったことで、たった6人という定員の中で、就労者・就学者・そこまで行けない青年達が同居するようになりました。
学籍者や働く人が困難な青年たちは、国から出る一般生活費が児童養護施設と同等になり、寮費の支払いがなくなりました。一方では一生懸命働いて寮費を払い、もう一方では寮費も免除で学校に通っている。もしくは働かなくても何とかなる状況となっており、この状況をどうしたものかと検討してきました。


もう一つの自立援助ホーム

今回の建て替えの際にこの課題をクリアするために、新たにもう一つ自立援助ホームを立ち上げることを計画しました。
新たな自立援助ホームは、児童養護施設と自立援助ホームの中間ホーム。
年齢的に児童養護施設ほどしっかりと保護をするのではなく、自立援助ホームのように社会で生活するほどの練習というほどでもなく、まずはここに来たことで、それまでのしんどい思いから解放され、寮費は公費からまかなうことで、必要最低限の生活は保障しつつ、自分の生活用品や携帯代くらいは自分で稼ぐ、貯金も働いた額にあわせて金額を決めていくという、まずは生活意識を就労するところまで持っていく自立援助ホームを考えていました。
ここで順調に進めば、ステップアップとしてあすなろ荘に移るということも可能になります。
本来ならば建て替えと同時に今のあすなろ荘と新しいホームを1建物2ユニットという形で計画を立てていましたが、補助金申請の段階で別々の建物にするよう言われてしまったため、まずは現在のあすなろ荘を建て直すことに専念し、新たな自立援助ホームは改築後に再検討することにしています。

ステップハウス

生活の安定と就労に向けた支援については、新たな自立援助ホームが担うこととなりますが、あすなろ荘と社会の間にもハーフステップを行うことも大事だと考えていました。
あすなろ荘での生活は基本的に自分たちで稼いだお金ではありますが、食費や水光熱費などは集めた寮費などでまかなうため、自分がどの程度かかっているかがわかりにくくなっています。
またいつも誰かがいて、リアルタイムで話ができるあすなろ荘からいきなりアパートで一人暮らしをすることになったことで、さみしさや何かあったときにストレスや愚痴をこぼす場がなくなってしまい、それが積み重なって生活が破綻してしまうということも少なくありません。

そこであすなろ荘で借りているアパートで数か月生活を行うことで、実際の自分の生活スタイルでどれだけの水光熱費がかかっているのか、外食が続くとどのくらいお金がかかるのか等を経験してもらっています。
この経験を活かして一人暮らしをはじめると、大きな失敗にはつながらないのではないでしょうか。

今のあすなろ荘でも新たに考えているホームでも入居者に対する支援の考え方や理念は特に変えるつもりはありません。
しかしより一人一人のニーズに合わせて支援を行うのであれば、せめて役割を二つに分割し、ある程度青年たちの状況によって変えられることができればと考えています。

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