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パーソナルカラー診断を受けたけど全然信頼してない

パーソナルカラー診断を受けたらブルベ夏だった。
骨格診断を受けたら骨格ナチュラルだった。
顔タイプ診断を自分でやってみたら顔タイプエレガントだった。

これらの診断、どこまで信頼しますか?という境界を常々探っている。
ほにゃららタイプ診断を知る前のわたしにとって服を選ぶ基準といえば、まず私の身体が入るか、似合うか、できれば好きな系統の色やデザインであるか、くらいだった。
それがほにゃらら診断によって「わたしに似合う(とされる)」色、素材、デザインなどの基準が加わった。
基準が多くなればなるほど選択は面倒になる。考慮事項が増えるのだから当たり前だ。

まだパーソナルカラー診断を受ける前、レブロンの朱色の口紅をつけたら友達からすごく好評だった。
朱色はパーソナルカラー的にはイエベに似合う色で、ブルベのわたしにはパーソナルカラーの理論的には似合わないはずの色だ。
が、色々な人から褒められたのだから、わたしは朱色の口紅が似合っているのだろう。ちなみにブルベ夏に似合うとされるローズ系の口紅は褒められたことがない。

わたしのパーソナルカラーは何だと思う?という話になったとき、大体の友達は「ブルベ冬でしょ」という。診断を受けたらブルベ夏なのに。
もはやわたしに「ブルベ夏ですね」と言ってきたのは診断士の人だけで、それ以外の人には「ブルベ冬でしょ」と言われてきたのではというくらいブルベ冬が優勢である。

それもうブルベ冬なんじゃないかなあ。
みんながそんなにブルベ冬ブルベ冬言うなら、わたしはブルベ冬なんじゃないかなあ。

似合う色は、何も生まれ持った色素だけで決まるものではない。
クールで真面目な性格の人には青色が似合うだろう。情熱的な人には赤とかオレンジが似合いそうだね。

パーソナルカラー診断士の人はわたしのことをよく知らない。その日初めて会って、その後わたしと会わない人だから。つまりその人はわたしの色素だけでわたしのパーソナルカラーを診断したはずだ。そうするとブルベ夏になった。
しかし、わたしの性格や日頃の雰囲気をよく知る友達がわたしのパーソナルカラーを診断すると、ブルベ冬じゃない?となった、ということなんだと思う。
この場合は友達の診断のほうが信頼できる。なぜなら服を着るのは日常のわたしで、わたしの日常のを知る友達が「こういう色が似合いそう」と言ってくれているわけだから。
「よく知らない人だからこそ、バイアスなしに似合う人を診断してくれる」という意見も分からなくはないが、とはいえ身近な人たちが「ブルベ冬なんじゃない?」とあまりにも言うならそれはもうブルベ冬っぽい、ブルベ夏ではなく冬っぽい、私が。という話になろう。

わたしは血液型占いをまったく信用していない。すべての人を4つの型に当て嵌めようとするのは流石に無理があろうと思う。
なぜそれをパーソナルカラー診断にも思わなかったのだろう。すべての人を4つのタイプに分けるのは無理だ。
日本人でもっとも多いといわれるブルベ夏だが、わたしと同じくブルベ夏と診断された友達とわたしで雰囲気が全然違う、似合う色が違う、似合うデザインが違う、ということはよくある。

ほにゃらら診断に助けられることはあっても、縛られることがあってはならないと思う。
ブルベ夏のわたしにはゴールドよりもシルバーのアクセサリーが似合うらしい。でもゴールドを買った。ゴールドのほうが迫力が出る気がするから。わたしは迫力のあるものが好きだ。

コスメ選びにおいてパーソナルカラー診断はすっかり必須科目となり、いまやコスメ売り場のほうから「ブルベのあなたにおすすめ!」「イエベのあなたにおすすめ!」とおすすめカラーを教えてくれている始末だ。
率直に言うと邪魔くさいなあと思う。なんで聞いてもないのに向こうから「あなたのおすすめはこれ!」とアドバイス頂戴しなければならないのだろう。
「ブルベのあなたにおすすめ!」のポップを無視して、「イエベのあなたにおすすめ!」のコスメを買うことがよくある。わたしのことをよく知りもしないのに、よくもわたしの判断に介入しようとしてくるね。そのアドバイス絶対に聞いてやらない〜という意地がある。わたしに似合うのは「イエベのあなたにおすすめ!」の朱色の口紅なのだし、他のカラーだって似合うか似合わないかよくわからない、自分の肌に載せてみるまでは。肌に載せるものは、肌に載せて似合うかどうかを確かめるに限る。
あのポップがコスメ選びの手助けになっているうちはいいのだ。「教えてくれて助かる〜!」と思ううちはいい。だが、「わたしはブルベだからこのブルベおすすめカラーの中から選ばないと…」と思うようならダメだ。主権をパーソナルカラーに奪われている。何度もいうがパーソナルカラーに助けられるのはよくても、縛られるのはあってはならない。本末転倒だ。

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