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脱徒然 6話「モンスタードリンク」

どうもハマるという行為がある度合いを超えるとそれはもう中毒と呼ぶらしい。
きっかけは些細なものであった。
高校時代、ほぼ一夜漬けに近いテスト勉強を乗り越えるため、黒光りした緑色の爪痕マークがトレンドマークの飲み物を近くのコンビニで購入したことが始まりだった。

別に美味しくもないが、不味くもない。ただ、眠気という眠気が吹き飛ぶ。一日が長くなると当時は阿保丸出しで喜んでいた。
そうすると今度はテスト以外でも飲み始めようになってしまった。
幸いにも高校生のお小遣いでは到底何十本も変えるような代物ではなかったのでそこまで飲むことはなかった。

だが、残酷かな。
大学に入って夜勤をはじめてからは飲む量が尋常ではないほどに増えた。水でも飲んでるのかと疑うほど飲んでいた。当人は水を飲んでいる感覚とほぼイコールの感覚であったのだから恐ろしい。
そして何よりも厄介なのが、やめるタイミングというものは意識しない限り全く訪れないということであった。しかし、やめようにも本人は無意識的(健康への影響、摂取量、飲まないといけないほど仕事があるのか等)に飲んでいる。

こうして体重が入学時から15kg増えたところでついに飲酒ならぬ禁エナジーを始めた。

終わりが来ることなどは想像もできないことが多々ある。
突然くる終わりとはひどく残酷なものが多い。
大事にしたいもの・出来事・習慣の終わりの迎え方を考えるのもまた人生に彩を与えるのかもしれない。

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