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只者の詩

物憂い昼下がり
下がりきって沈んだ
胸の高鳴り
互いの座標が偶然重なった朝
雑踏にふわり舞う薄浅葱のカーディガン
忘れえない横顔を見つけた
結んでは解(ほど)ける肖像に
拐(さら)われた点と線
この惚(ほう)けた図の中に帰ってこない
どうしたものか
勿忘草(わすれなぐさ)に訊(き)いても
答えは返ってこない
どうしよう

憧れと諦めの撹拌(かくはん)
何者かによる何某(なにがし)かの
ロールプレイ
がむしゃらに代わりばんこ
いつまで続く?
推し量れないイライラ係数を
0(ゼロ)にしてくれる触媒
サイバーな密林を漁るだけ無駄
解(わか)ってる
解ってた
君の及ぼすあの作用こそが答え
気づいたことで僕の公式は
天つ風に吹かれて飛び散った

憶えてるでしょうか?
早送りで再生された君のフィルムに
一瞬映ったその影を
つまらない存在だった僕のことを
今でも誇れるものなんて無い
只者(ただもの)だけど
透明人間はもうやめました
ずっと正面から見れなかった君の顔
次にもし再び実像をたぐり寄せられたら
そのときは真っすぐ見据え
無限を焼き付けたい

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