ADHDの僕がミニマリストになって良かったこと③
子供の頃、見た記憶。
…それは、スローモーションのような。コマ撮りのアニメのような映像で、僕の忘れっぽい脳ミソにも、しっかりと刻み付けられて離れない。
鏡のような湖面が、なんの前触れもなく爆発するように膨れ上がり、けばけばしい緑と黄色に塗られた、7センチ大の木製ルアー(疑似餌)を、空中に弾き飛ばした。
その下から顔を出した大きな魚の口…エラの内側の真っ赤な色を見せ、宙で反転すると、真ん丸い大きな黒い目がこちらを見たように感じた。魚体にはハッキリと黒い斑点模様が浮かび、水に塗れて光る姿は、神々しくさえ思えた。
水音と共に、湖面に吸い込まれていく一匹の魚を、小さな僕はただ呆然と、ただただ呆然と見送ることしかできず、隣で立つ父に向かって「ねぇ…見た?」とようやく言葉を発するまで、世界の誰よりも阿呆な顔をしていた事だろう。
辺りは午前6時の静寂に戻り、湖面は何事もなかったかのように朝の奥琵琶湖の景色を映す。
父は、ニカッと笑って「見た見た。あれがブラックバスだぞ」と子供のように言った。
小さな僕は、さっきの魚を釣ってやろう!と、必死にルアーを投げ続けたが、二度と魚は現れなかった。
小さな僕は、父の「帰るぞ」と言う苦笑いする顔に見つめられながら「あと一投…!」と、10回は駄々をこねた。しまいにはあまりの悔しさに泣き出して、「バカだなぁ」と笑う父に、引き摺られながら湖を後にした。
いつか、必ず、釣ってやる…
それから30年近く経ったのだが、僕は未だに鮮明に覚えている。
僕の小さな脳ミソの片隅に、この記憶が残り続けている。
スローモーションのような。
コマ撮りのアニメのような映像で。
あの大きな口、驚くほど赤い口の中…真ん丸い黒い大きな目を、何度も思い出す。
"この場所に、必ず戻ってくる"
それから30年近く経って、僕はその景色を湖の上から眺めていた。
あの頃と同じ、鏡のように静かな湖面が、「遅かったな。待っていたよ」と、朝焼けに染まる。
…お待たせ。
湖面に浮かぶ船の上。スキーター50馬力が今日の相棒だ。
僕は、気付かない内に泣いていた。気持ち悪い位…ニヤニヤしながら。
"忘れられないほど、追いかけたい夢が、あなたにもあるだろうか?"
僕がミニマリストになって良かったこと
「夢を叶えられること」
何を大袈裟なと思われるかもしれない。
僕自身、いきなりそんな風に言われても疑う。
…でもね?聞いて欲しい。
僕はあなたがミニマリストになろうが、なるまいが、何の利益もありません。
それでもこんなに
"ミニマリストになろうぜ!夢叶っちゃうぜ!"
と、まるで下手くそなマルチか新興宗教のように繰り返すのは、「本気で信じているから」だ。
OK。理屈を述べよう。
ここまでのnoteで、僕はミニマリストになったことでうまくいきはじめた
●お金の話
●時間の話
●価値観の話
をしてきたけれど…(まだ読んで無い方!良ければ読んでくださいませ(*´▽`*))
物を減らすと…
時間に余裕ができる
↓
自炊などもできるようになる。ストレスも減っていく。体調も良くなる
↓
お金に余裕ができる
↓
精神的に余裕ができる。自分の人生を本気で考えようとする
↓
価値観を形成する
↓
本当にやりたいことや、本当にお金、時間を使いたいことが明確になっていく
↓
夢や目標を取り戻す
と、まあ、こんな具合です。
ミニマリストは、目的ではない。
これは僕が交流させてもらっているミニマリストさんの言葉だが、その通りだと思う。
ミニマリストになることが目的じゃない。
ミニマリストのその先がある。
ミニマリストになった理由がある。
ミニマリストとして生きるのは、主義の為じゃない。
生活するための
お金や、時間。物や、人間関係。人によっては仕事も。
最小限にした先に、何を求めているのか?
「選択と集中」
ミニマリストについて調べると、よく聞く言葉なのだけど、これに尽きると思う。
「お金」をどこに使うのか?
「時間」をどこに使うのか?
「物」減らしたスペースをなにに使うのか?
「作った孤独の機会」をどう使うのか?
「選んだ仕事」でどう生きるのか?
いままで追われてきた人生の問題から、解放されたその時、「あなたは何を選ぶのか?」
答えは人の数だけあると思う。
僕は船の免許を取って、自分の操縦で、初めて釣りに夢中になった大好きな湖で、釣りがしたかった。
時間や、お金の問題に追われて、諦めていた夢を、一つ叶えることができた。
誰かにとっては、とてつもなく下らないことに思えるだろう。
でも、そんなことは関係ない。
僕にとっては、大の大人が、船の上で独り、気持ち悪い位ニヤニヤしながら泣き出してしまう程大切な夢だったんだから。
そして、これで終わるつもりもない。
まだまだ叶えたい夢はたくさんあるのだから。
僕が、ADHDの凹凸特性に苦しみ、社会に出てから、ずっと胸を張って生きられなかった人生は、私生活を整える事で大きく変わった。
上司の嫌味や、飛び交う怒号の毎日に、心折れずに生き延びて、本当に良かったと心から思う。
だって小さな頃の夢、一つ叶えちゃったし( *´艸`)✨
僕は、少なくとも当時まだ8歳だった僕との約束をひとつ、守る事が出来た。随分時間はかかったけど、約束を守ったよ。
次は、もう少し大人になった自分の夢を叶えてあげる番だ。
誰かに遠慮ばかりしていたら、人生は自分の思うように動いてはくれない。
人生の舵取りをする為には燃料と、時間と、コンパスが必要だ。
お金は燃料だ。時間を作り出して、コンパスはあなただけの価値観。どこに向かいたいのか、決めるのは自分自身でしかない。
「世間的に見て大きな仕事」とか、「世間から見て偉い仕事」とか、僕には○ソどうでもいい(o゚∀゚)=○)´3`)∴パーン{汚い!!
僕が生きたい人生は、「下らないことをたくさんしたなー!いやぁ…楽しい人生だった!」と笑えるような生き方だ。葬送のフリーレンに出てくる、勇者ヒンメルのような、そんな生き方だ。
だから、そんな自分に恥じないよう、自由と希望をもって生きる。
希望とは、
今日より明日が、良くなると信じられる事
自由とは、
今日の僕が、自分の意思で動ける事
自由と希望のある暮らしとは、
昨日の自分を、今日、数センチ超えること
超え続けること
ADHDの僕が、ミニマリストになって良かったこと。
「夢を叶えられること」
湖畔に小さな家を建ててさ…
使い心地のよい、小さなキッチンを付けよう。
土地は安いから、少しの畑と、ボート小屋を建てられるようにしたい。
バスボートだけは譲れない。中古を手入れしてでも必ず船は手に入れる。
家は小さくて良い。その方が管理がしやすいし、平屋のルーフトップ付きがいいな。
…ねぇねぇ!
昔漫画でさ、自分の家の窓からルアー投げて魚釣るってやつ、見た?知らない?
あれ、ぜっっっったいやりたいんだよねー!
だからルーフトップね!窓はきちぃーから。投げるの。
OK!夜はキャンプファイヤとかしちゃおう。んで、カラオケ大合唱!
大丈夫大丈夫!どうせ猿とかシカとかキツネしか周りにいないから!聴きにくるかもしれないし(*´▽`*)
…ここまで読んでくれた皆さん。
いつか、僕は夢を叶えるから。
湖畔の家に、必ず遊びに来てください。
最高にきれいな湖と、あなたの夢の話で、美味しいお酒を飲みましょう。
それを楽しみに、僕は今日も生きるから
マギィ