歯列矯正に15年もかかった話
わたしは歯列矯正を、15年ぐらいしていました。
なぜそんなにかかったかというと、両親が「歯を抜くのはどうしても厭だ、私たち親があげたカラダに傷をつけるなんてもってのほかだ」という考えだったからです。
どこの歯医者さんに行っても口をそろえて、「歯ぐきに隙間がないから歯を抜かないと歯列矯正は無理です。」と何度も説明されました。
ですが両親はことごとく「歯を抜くのはどうしても厭なんです」の一点張りいました。わたしは「歯を抜いてもいいじゃない、スペースがないんだから」とは言えませんでした。そんなことを言っても無駄でしかないということは、厭というほど知っていました。うちの両親は人の意見に耳を貸さないばかりか、理論を理解できないのです。
わたしは親のいいなりになるしかありませんでした。
昔からわたしの両親は、わたしの意見なんて聞いてくれませんでした。
まるでわたしのことを所有物みたいに扱うのです。
歯を抜かないままの治療が何年も始まりました。歯医者さんを転々としました。どこの歯医者に行っても歯並びは良くなりません。
親はそのうち、知り合ったばかりの東京の歯医者さんに依頼しました。そこもやはり、歯を抜かなくても歯列矯正してくださるという歯医者さんでした。わたしは実家がある静岡から二ヶ月に一度、その歯医者さんに通うようになりました。
そこの歯医者さんに通うようになり、2年が経ちました。母にある日、「歯を見せて」と言われたので口を開けて見せました。わたしの歯並びは、直るどころかどんどんひどくなっていました。それを見た母は黙ってしまいました。
ある日母は、「今度からこの歯医者さんに行って。予約をとったから」とわたしにメモを渡しました。東京の住所と歯医者さんの名前が書いてありました。わたしは大人しくうなずきました。
そこでも歯を抜くという話が出ました。
「歯を抜くのは両親が反対しています」
わたしは歯医者さんに伝えました。
歯医者さんは、親に電話をかけてくれて、話し合ってくれたようでした。わたしは奥歯を抜きました。ようやく歯を動かすスペースができました。
一事が万事、こんな調子でした。
高校進学する時も、大学受験の時も、留学の時も、就職する時も、両親は狭い自分たちの世界と価値観だけを信じました。
基本的に田舎の公務員しか知らない彼らは、世界中を回ってきたかのように判断を下していました。
「その、仕事を紹介してくれた派遣会社にお礼をしなさい。そういうものだから」
親があまりにもうるさくいうので、わたしは仕事を紹介してくれた派遣会社に菓子折りを持っていきました。派遣会社の人はびっくりしていました。
(やっぱり、菓子折りなんか持っていかなくてよかったんじゃない。派遣会社って仕事を紹介するのが仕事だし、マージンだってもらってるんだから)
わたしはそう思いましたが、もめることを恐れて、親には何も言いませんでした。
歯列矯正は、痛みを伴います。
ごはんもおいしく食べられません。
味がしないのです。
この話を歯医者関連のお勤めの方にすると、
「そういう親御さんはたまにいる」
と言われます。
もし、あなたがそういう親御さんだったとしたら、どうか歯医者さんの説明に従ってください。歯医者さんにお任せしてください。
お金も年数もどちらもかかってしまいます。
それは、無駄なお金と時間です。
また、ちょうど歯列矯正をしていた時期は学生の時期でした。
見た目が悪いのも、常にある痛みも、どちらもつらかったです。
もともと備わっている歯を抜くということに抵抗はあるかもしれませんが、プロフェッショナルの意見に耳を傾けてください。
お願いします。
見に来てくださって、どうもありがとうございます。スキボタン、フォローどうもありがとうございます。 うれしいです。 サポートしていただけるなんてまるで夢のようなできごとです。サポートは次のnoteのエネルギー源に変換します。大事に、本当に大事に使わせていただきますね(⁎˃ᴗ˂⁎)