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田舎の価値を魅せてくれる人、がんばって欲しい

都会には、本当にステキなものがいっぱいある。

公園も、植物も、建物も、
カフェも、食べ物も、
人も、海も、水辺も、乗り物も、
道も、イベントも、おまけに仕事も。

地方という田舎には、ないものの方が多い。
どれを比べても、
自然ですら都会より見劣りしてしまうことも。

中でツタが伸びてる、ガラスの割れた建物。
使う人のいない公園、古ぼけた遊具と伸びた雑草。
管理の行き届いていないひび割れた道路。
管理の行き届いていない荒れて崩れた山。
賞味期限を疑う飲み物の自動販売機しかないお店。
平成年号の閉店のお知らせが貼ってある建物。
数年前の雑草が立ち枯れている駐車場跡。
人通りを前提としない歩道のない狭い道路。
荒廃した農地、資材置き場のような里山。
動物よけの柵が張り巡らされた農地は、
鳥獣とのせめぎ合いの前線のよう。
そして冬になると人の活動を妨げるほど積もる雪。

都会に勝てそうなのは、
巨大な虫、さびた古い看板、
産業廃棄物処分場反対の立て看板、
さびて曲がったガードレール。


私の両親の出身地は、
過疎地を絵に描いたような山間部。

私のご先祖様は、いつのころからか
山間部で暮らし、営み、
命をつなぎ、私までたどりついた。
人間が追い求め、たどり着いた便利な生活が、
山間部を人が生きていけない場所にしてしまったみたい。

リモートワークだとか
ワーケーションだとか
UJIターンだとか
都会の人は言うけど、
やってる人はいま何人?
推奨する張本人たちは巨大都市から離れない。

兵庫県庁ですら、神戸市から移転しない。
過疎地問題、消滅可能性だとか、
人口減少対策だとか、
巨額な庁舎建て替えだとか、
眉間にしわを寄せて、
都会で考えているふりしている。

いま、田舎での人の営みは、
クマやシカやイノシシに負けてしまいそう。
たぶん消えてしまう集落はある。
もうしかたないところもある。
「多様性」「地方の持続可能性」とか
言ってみたとて、本音はみんな都会が好き。


都会にはないものを、
田舎にはあるということを、
見つける人がいてほしいな。
田舎でしかできない、
ステキな、楽しいものは絶対ある。

東京ディズニーランドやUSJや
東京スカイツリーや大阪城もいいけど、
そうじゃない、
誰かが決めたような、
画一的な価値観じゃないもの。
「静かさ」とか、
「鳥の鳴き声」とか、
「たき火」とか、
「流れる沢の水音」とか、
「海や山のにおい」とか、
そういう「非日常」の価値を、
自分の感性で、味覚、嗅覚、感覚で、知性で、
田舎にあるものを感じて欲しい。


田舎にあるステキなお店に行くこと、
もう、私の趣味に近いかも。
田舎のステキなごはんやさん、パン屋さん、
カフェを探すことは、
SNSが盛んになった今、とても簡単。

都会にはない、「田舎の非日常」を、魅せてほしい。
旅行として楽しませて欲しい。
それに挑戦する人に、心からの感謝をおくりたい。

そんな感性のある人がのびのびと育つ
そんな社会であって欲しいなあ。

特に趣味らしい趣味はない私だけど、
そこを訪れることはしたいと思う。
田舎に向かう勇気や感性を、お客として支えたい。

兵庫県生野の山の中でのランチ

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