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好きだった人の死

地元の市役所に勤めていると、
小学校、中学校時代の同級生によく会います。
会おうとしなくても、
仕事で会ったり、イベントで会ったり、スーパーで会ったり。

同級生に会う

仕事先の打ち合わせが終わって、
そこには同級生がいて、
「亡くなってた同級生が3人いるって知ってた?」
「え~!知らない!」
「○○ちゃんと、○○くんと、○○くん。みんな、癌だって・・・。」

私たち同級生は、今、50才。
少しずつ51才になっていく。

20代、30代、40代で亡くなった知人もいる。

だから、50才なら数人亡くなっていても不思議ではない。

でも、それが、まさか、あの子なんて。


かっこいい小学校時代の彼

背の高い、すらっとした、明るい、ハンサムな彼。
バンビのように飛び跳ねる彼。
まぶしくて、同じ教室で、いつもステキだなと思っていた。
でも記憶があるのは小学生のときの彼。
楽しくない中学生活で、そんな中学生活を振りきるように
私は自分の世界にこもっていたので、
彼がどんな中学生で、
そしてその後どんな男の子になっていたのか、
知らなかったけど、
・・・体に癌ができてしまっていたのね。

私は強い人、に見えていた

その数週間後、
中学校の卒業以来の、
また別の同級生と二人でランチすることになった。

その彼が、私のことを、
「強い人で、いつも笑ってたよね」と。
「勝ち組」とも言ったかもしれない。

強い人か・・・。しかも勝ち組って・・・。
中学生のときの私は、
決して強くもなく、むしろ弱いと思ってたよ。
心を打ち明けられる、理解し合える友だちはいなくて、
すごく孤独で、
女子によくある「無視」のターゲットにもなった。
だからこそ、一人でも、
とにかく、とにかく、笑っておこうとだけ思っていた。

強い人という印象だったのか・・・。
他人のことはわからない、ということね。


好きな人に会いたい

会いたかったな、生きている彼に。
たぶん、私の淡い、薄い、初恋の人。
教室で笑顔がはじけていた、ちょっと甘い声の彼。
大人になった彼に、会いたかった。
伝えたかったな。
スキだったよって、とってもかっこよかったよって。
私から見えてた彼のことを伝えたかった。
彼の気持ちを少し明るくする言葉を、
私は持っていたと思うのに。

こうやって私たちは消えていくのかな。
この世界は、生きている人のもの。


私は弱い。
なぜなら、別れが、とても怖いから。

だから、好きな人には会いたい。
好きな人にはずっと会っていたい。
そばにいたい。


彼はどこに行ったのかな



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