見出し画像

濃密すぎる共同生活で出会った仲間と、過ごした時間で変化した恋愛観。「恋愛ドラマな恋がしたい」新シリーズ出演、樫尾篤紀が語る恋とお芝居の話。

5月1日(土)23:00よりABEMAで恋愛リアリティショー『恋愛ドラマな恋がしたい~KISS or kiss~』が配信開始になる。8人の若手俳優・女優が共同生活をしながら”キスシーン”のあるドラマを演じていく。俳優としての自分とプライベートの自分の境界線を曖昧にすることで生まれる「リアル」と「フィクション」のはざまを追う、これまでにないジャンルの番組だ。シーズン7となる今作には、樫尾篤紀が出演。撮影終了直後の彼に、同番組の見所や感想、そしてそこで起きた「とんでもないこと」についての話や、自身の俳優観について尋ねた。

■いろいろ、すごいことが起きちゃって……。 普通に生きていたら絶対経験できないことばかりでした。

画像1


―『恋愛ドラマな恋がしたい』、かなり挑戦的な番組だと思うのですが、最初に声をかけられた時はどう感じましたか?

もう、率直に嬉しい気持ちでした。あの「ドラ恋」に出られるんだ!という喜びが強くて。シーズン4に友人の俳優である高崎凌くんが出演していて、そのときに、“アイスを口の中で溶かし合う”っていうシチュエーションがあったんですけど、めっちゃやばいじゃないですか。そういうシチュエーションって、実際にはなかなかやれないぶっとんだ瞬間だと思うんです。それをどういう感覚で演じるんだろう?って考えると、役者としてすごく貴重な経験だと思うんですよね。ただ、いままで一人暮らししかしてきたことがなかったから、他人と一緒に同棲ハウスで共同生活をすることにはちょっと不安がありました。

―「同棲ハウス」って言うんですね。

スタッフさんが言っていて、癖になっちゃって(笑)。男女で共同生活すること自体初めてなので、仲良くなれるのかな?とか。嫌われないかな?とか、そういう思いはありました。しかも、情報解禁前には誰にも相談できなくて……。でも、一通り悩んで、開き直って現場に臨みましたね。

―撮影はどれくらいの期間だったんでしょう?

3週間くらいです。男子は一部屋に4人。女の子は二部屋に2人ずつ分かれて。男子は初日からすごく仲良くなりました。

―恋愛模様に関しては、実際に観てのお楽しみ、ということになりますかね。

はい(笑)。観ていただければ分かると思うんですが、いろいろ、すごいことが起きちゃって……。 普通に生きていたら絶対経験できないことばかりでした。

画像2


―すごく気になります。

このインタビューを受けている今は、撮影を終えて数日しか経っていないので、もっとあの場所に居たかったなって正直思っています。同じような目線で夢を追える同世代の人と会えたことがすごく嬉しかった。

―お互いに切磋琢磨し合う仲間ができた、という感覚ですか?

はい。みんないろんな考え方を持っていて、そこに惹かれて魅力を感じる、ということもありましたね。芝居への熱量をみんなと共有できて、向上心と恋愛が絡み合っていった感覚です。

―役柄と自分が混じっていくような感覚はありましたか?

めちゃくちゃありましたよ。入り込みすぎて、たまにわからなくなる時もあったくらい。『ドラ恋』の共同生活は、基本的にずっとカメラが入っていて、普段の発言とかもちゃんと映っているんです。だから、最初はけっこう気負っちゃって。素の自分でいくのか作り上げた自分でいくのか、そこからお芝居だな?とか。でも、実際はすぐに素が出ちゃったし、境界線がどんどん曖昧になっていきました。あれ?これは自分の気持ちなの?それとも台本に書いてある役の気持ちなの?って。二つの自分が並行していて、徐々に交わっていくような。シーズン6の主題歌『真っ白』の歌詞に「その口づけはお芝居なんでしょうか」っていうフレーズがあるんですけど、みんなでそれをロケバスの中で聴いて……貴重な体験でしたね。

―ちょっと羨ましいです。

共同生活をしながら、キスシーンのあるドラマを演じていくんですけど、もう本気か演技か、どっちかわからないんですよ。いろんな感情が入り組んでいて。不思議な感覚を味わいました。

画像3


■今自分が大声で叫んだらこの人たちはどう反応するのかな?って想像したり

画像4



―そんな風に自分の感情を揺さぶられることってなかなかないですよね。恋愛における芝居って、誰もがする部分でもあるから……そう考えるとよくわからなくなってきますね。

わからないですよね。僕自身は追いかけるタイプで、好きな人を振り向かせたいんです。でも、ぐいぐいいけるわけではない。今回は、今までしてきた恋愛よりも勇気を出して踏み込まなきゃいけないことが多かったです。

―恋愛観、変わっちゃいそうですね。

変わったと思います。刺激を追いたくなっちゃいますよね(笑)。ここ数日は、スマホの中に入っているみんなで撮った写真とか動画をひとりで見ています(笑)。楽しかったなって思いながら、この子はこの子が好きで……とか、客観的になると、めっちゃカオスだなって。

―樫尾さんの好きなタイプを言葉にするとどうなりますか?

気が強い女性が好きで。自分がちょっとナヨナヨしてるというか、あまり気が強いタイプではないんですよ。だから、自分にないものを持っている人に惹かれます。

―具体的には、どんな瞬間に?

例えば嫌なことをはっきり嫌って言えるとか、デートでも「ここに行こう」って引っ張ってもらいたい。尻に敷かれたいタイプなんですよね(笑)。その上で、ギャップが見えるとやばい。一見クールそうだけど、しゃべってみたら親しみやすいとか。その逆とか。

画像5


―俳優という道を選んだきっかけや思いについても教えてください。

元々芸能界には全く興味がなくて、就職しようと思っていたんです。でも、大学1年の終わりくらいに『紙の月』っていう池松壮亮さんが主演の映画を観て。大学生役の池松さんと年上の女性との恋愛が描かれていて、そこに自分にはないものを感じたんですよね。なんていうか、こういう大学生が実際に「居る」って感じてしまって。うわっすごいなって、心が動いたんです。ちょうどその頃、モデルの仕事を少しいただいていたので、次第に俳優にチャレンジしたいっていう気持ちが湧いてきました。

―そこから、どうやって今の事務所に?

大学2年か3年のはじめくらいに「事務所 オーディション」って調べたんですよ(笑)。そしたら1番上に「ホリプロスカウトキャラバン」って出て。妻夫木聡さんとか、竹内涼真さんとかの写真が並んでいて、それでぽちって押しました。そのオーディションでファイナルまで残って、今につながっています。

―これからやってみたい役はありますか?

サイコパスな役をやってみたいです。あとはきらきらした学園もの。人間ドラマもやってみたい。いろんな役をやってみたい気持ちが今はとにかく強いんですけど、一番はサイコパスな役柄ですかね。

―自分の中に、そういう役と通じるような狂気っぽさはあったりしますか。

狂気とは違いますが、小さい頃は空想の世界に没頭していました。小学生の時は「死んだらどこにいけるんやろうな」ってずっと考えていたり、あとは今自分が大声で叫んだらこの人たちはどう反応するのかな?って想像したり。小学校高学年でサッカーを始めてからそういう時間は減ったんですけど、自分の中心に想像するという行為があるような気がします。

―憧れとするような俳優さんは?
 
先ほどもお話しした池松さんにはもちろん憧れているんですけど、今回『ドラ恋』に一緒に出演した俳優の木田佳介くんは、凄かったです。薬物中毒の人物を演じた経験がある、と話してくれたんですけど、役に入り込んでいく中で、自分の爪を実際にはいじゃったんですよ。一般的にはありえないかもしれないけど、一緒に過ごす中で彼の優しさ、人間的な魅力をすごく感じて。お芝居への誠実さ、真剣さから来る行為なんだなって僕には感じられたんですよね。素直に尊敬できるな、と思っています。そういう俳優さんが近くにいて刺激的だし、嬉しいんですよ。

画像6


■次の日の予定を逆算して起床時間を考える時間が一番楽しい

画像7


―「リーズンルッカ」は、「自分時間」をテーマにしているのですが、樫尾さんは一人の時間は好きですか?

好きです。散歩することが多いですね。家に居ると息苦しくなっちゃうので、フラッと外に出てとにかく歩く。家で映画とかも観るんですけど、散歩することが多いです。

―1日の中で大切にしている時間はありますか?

夜眠る前、次の日の予定を逆算して起床時間を考える時間が一番楽しいです。(笑)

―え?楽しいんですか?

はい(笑)ちゃんと起きられるかな?って考えながら、アラームを小刻みにかけるんです。それで、自分で「めっちゃかけるやん」って思うのが楽しかったりします。えっこんなに必要ある?!って自分に突っ込むというか(笑) 見てもらってもいいですか。これ……。

―(スマホのアラーム画面を見る)めちゃくちゃかけてますね。1、2分刻みで。

今日だったら、朝8時半に駅集合だったのでここの駅まで30分かかるから、この時間には電車に乗らなくちゃいけなくて…って考えていたら、めちゃくちゃおもしろくなっちゃって。

画像8


―ちょっと先の未来を想像するのが楽しい、みたいなことも?

そうですね。それもあります。でも、なんでこの間隔を3分で統一してないんやろ、みたいなくだらないところでおもしろくなっちゃってます。寝る前のこの目覚まし時計を設定している時が一番楽しいかも。

―珍しいですね(笑)。急に空き時間ができたら何かやりたいことはありますか?

観葉植物を見に行きたいですね。ここ最近知り合いが誕生日だったり、いつも髪を切ってもらっている美容師の方が独立されたりして、そういう時に観葉植物をプレゼントするようにしているんですよ。でも自分はまだ持っていないから、観葉植物を見に行きたい。

―それはコロナ以降の生活の影響もありそうですね。

そうですね。本当にいろいろな面で変化がありました。外に出ることもできないし、人と会うこともなくなったので。生命のぬくもりみたいなものを感じたいのかな(笑)。 一人でいる時間が好きだったんですけど、改めて一人で居すぎたら孤独を感じすぎちゃって。だから、人と出会うこと、関わることって本当に大切だなと思っています。

―『ドラ恋』の収録は、そういう意味でも大切な時間だったのかもしれないですね。

本当に。濃密すぎました。ぜひ観てください!

画像9

<恋愛ドラマな恋がしたい〜KISS or kiss〜>


【プロフィール】
樫尾 篤紀(かしお あつき)
1996年7月13日生まれ、高知県出身。第42回ホリプロタレントスカウトキャラバンファイナリスト。日本テレビ「今夜くらべてみました」で桐谷美玲が“今会いたいイケメン”と紹介し話題に。TBS「グランメゾン東京」など話題作にも出演している。
Instagram

画像10

写真/向後真孝
取材・文/長嶋太陽

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?