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常に新たな自分を発見し、新鮮な想いを抱く。自己探求型俳優・前田公輝が今、見るもの。見据える未来。

​​数年に渡って連続ドラマへの出演が続いている前田公輝さん。
同時に映画に舞台にバラエティに、と多忙を極め中。
そんな前田さんが7月放送開始のドラマ『私をもらって』で演じる役は……

■自分がこれまで培ってきたものを生かすことができた『ナックルガール』

——近年は連続ドラマに立て続けに出演中ですね。
 
前田 どれくらいだろう…。8クールくらい、連続で出演中ですね。しかもいろんな役をやらせてもらえました。
 
——それらのドラマで様々な役と出会ってこられたと思いますが、特に印象に残っている現場について教えてください。
 
前田 7月から放送が開始されるドラマ『私をもらって』は世界観が変わるくらい印象的でしたし、出演してきたどの作品も印象に残っている大事な作品ですが、強いて挙げるのなら『ナックルガール』です。アクションを撮るのは本当に楽しかったですし、これはやり続けたいなと思わせてもらった作品でもありました。雑誌「anan」の表紙をやらせてもらったり、東京国際映画祭に登壇させてもらったことも印象深いです。『ナックルガール』もドラマ『私をもらって』も、このあと出演が決まっているミュージカル『ミセン』も韓国で社会現象を起こした作品でもあります。日韓で制作する作品に出演する機会が多くなってきて、自分のこれまで培ってきたものがそういった分野で生かせるということを最近よく思うんです。そういった部分に対してもっと勉強をして挑んでいきたいって思っていますし、その考えを持つきっかけとなったのが『ナックルガール』だったので、影響も大きかった作品でした。体のベースも今よりも大きくしたいなとも思うようになりました。あと30代になってから特に、説得力がないといけない役が続いているので、スーツを着こなせる体を目指したいなと思うようにもなりました。

■御曹司・一条稜英という浮世離れした人物を演じることは楽しかった

——韓国の人気webtoon・web小説原作のラブストーリー「私をもらって」にW主演の一角を担う前田さん。以前出演された「ナックルガール」も韓国のWeb連載が原作でしたが、昨今の韓国の原作から感じるのはどんな特色ですか?
 
前田 絵が綺麗ですよね。あとは韓国作品の作風としてなのか、僕がやらせていただいている作品はストーリーの展開が「こう来てくれたらいいな」と思う方向に到達してくれるんです。それよりもちょっと上の展開ではあるんですけど、「こうなって欲しい」という読者の想いに応えてくれる感じがすごくしています。
 
——ご自身が演じられる一条稜英。どんな人物ですか?
 
前田 御曹司で、王子様っぽいんです。今回は映像化にあたってコメディの要素も入れ込んでいるので、原作よりもちょっとコミカルに寄せたキャラ作りをしました。稜英は浮世離れした人物。一条家という歴史ある家系に生まれてきて、いわゆる普通ではない生活が普通である人で、結婚も自分の恋の先にあるものではなく会社同士の政略結婚が日常にあるような稜英と、そういう世界に縁がなかった森川奈津実(久保田紗友)との恋愛ストーリーなので、今までの役作りは使えなかったです。口にする言葉も現実の自分とはかけ離れたものいが多かったですし、指先からも視線からも、心情の端々が出る役でもあって。例えば恥じらいとか、他人に与える圧だとか、そういった表現と戦いながら役を作っていきました。でも本当の愛を知るととても繊細にもなる人。そんなふり幅を楽しみながら演じました。
 
——W主演のお相手である久保田紗友さんのお芝居の印象をお聞かせください。
 
前田 めちゃくちゃ素晴らしかったです。一条稜英が映っていないときの奈津実の撮影のときにも僕は映らなくとも相手としてそこに立っているのですが、その紗友さんの素晴らしい芝居を前に、一人の芝居好きの役者・前田公輝が拍手をしたくなっちゃうんです。ご本人はあまり感じていないようで、「今の芝居、本当に良かったですか?」と心配そうな顔をされていました。僕は自分が思った感情がカメラに映れたな、という感覚があるんですが、紗友ちゃんはどうやらその実感を抱いてはいないらしくて。それでも素敵な森川奈津実がそこにはいました。
 
——既に第2シーズンの放送も発表されていますが、どんなことを楽しみにしてもらいたいですか?
 
前田 ラブ、コメディ、ファンタジー、サスペンス。いろんな要素が詰まった作品ですが、30分という見やすさもありますが、話数がある分だけ伏線もたくさんありますし、物語が進んでいくとそれらがちゃんと回収されていくので、いろんなことに心を持っていかれる作品ではありますが楽しんでもらいながら何周でも見てもらいたいです。あとはすべてがロケで撮影されて、景色や空の色にもこだわって作ったので、そういった部分もぜひ楽しんでもらいたいです。

■未知なる自分に出会った2024年上半期。下半期を見据えて目指すは……

——2024年も半分が過ぎました。前半はどんな時間でしたか?
 
前田 知らない自分とたくさん出会える時間でした。「ディズニーコンサート」に出演させていただいたのですが、出演させていただいたきっかけは横浜アリーナで「フレンド・ライク・ミー」(アラジンでジーニーが歌う曲)を歌わせてもらったことでした。とはいえ僕がディズニーをめちゃくちゃ好きなことも大きかったのではないかとも思っているんです。コンサート当日、みなさんは役についた曲を歌ったのですが、僕は役付きの曲はないですし、俳優として一人で出て歌うことでディズニーが好きで足を運ばれたファンのみなさんに落胆されないようにめちゃくちゃ練習をしたんです。ボイトレも入れて、時間をかけて練習をしたら、自分で言うのもなんですがすごくよかったんです。キャストの方々からも「ディズニーの声優やっていないの?」とか「もはや持ち歌だったね」と、この上なく幸せな言葉を掛けてくださったんです。自分でも想像していなかった反応でしたし、一生懸命練習をしたことやディズニーへの想いもあって歌唱表現の急成長に繋がったと思いますし、頭で考えていたことを短時間で体に落とし込むことができたことも含めて、自分としても予想外の自身に出会えた上半期でした。
 
——では下半期はどんな時間にしたいですか?
 
前田 3年くらい走らせてもらったので、少しゆっくりしたいです。今までの僕は境界線を引くのが下手だったので、オフをオフにしきれなかったのですが、良きパフォーマンスをするためにも、しっかり線を引いてオフには仕事を抜きたいです。ただ多くの方になにかを届けるのはエネルギーが必要なので、下半期は自分をどれだけフラットな状態に出来るかを意識していきたいです。

【リーズンルッカ’s EYE】前田公輝を深く知るためのQ&A

Q.もしも夏休みがあったなら。どんな風に時間を使いたいですか?

A.年上年下は関係なく、自分がリスペクトしている方々とごはんに行って色々なお話を聞きたいです。どうやって主演として立っているのか、どうやって芝居を構築しているのかなど、そういったみなさんのスタンスや考え方にもっと触れたいです。今回自分が主演をやらせてもらって、皆さんのお話がすごく生きたんです。なので、みなさんのお話を伺うためにも食事をご一緒する機会を作りたいです。あまり“夏休み”は関係なかったですね(笑)

Q.夏バテ防止のために意識していることを教えてください。

A.梅干しを食べること。あとは最近買った扇風機がめちゃくちゃ良くて、活用しています。このあいだまで撮影をしていた作品では3ピースのスーツを着ていたので、すごく暑かったんですね。でもこの携帯扇風機は風力のレベルが100くらいまで設定できますし、冷感モードもあるのでひんやりできたので助かりました。あとは首に巻く冷感タオルも重要でした。それから撮影現場ではキンキンに冷えた氷水に足をつけて、久保田紗友さんと共に整っていました。冷水で整うのもおすすめです

<編集後記>

「芝居のパフォーマンスをあげるためにはちゃんと食事をとって、睡眠時間も確保するようになった」という前田さん。数年続くという連続ドラマ出演という多忙な中でも、役者として求められることに応えるためにも自分自身をケアする姿勢、ぜひ見習いたいと思いました。

<前田公輝マネージャー談>

痩せやすいそうで、撮影期間はお弁当を二つ食べてスーツの似合う体型を維持していました。ただ、前田さんは本当に幸せそうにご飯を食べるので、食いしん坊なだけなのでは?と少し疑っています。とってもお茶目で楽しい方です!

<撮影の様子はこちら!>

【プロフィール】
前田 公輝(まえだ ごうき)
1991年4月3日生まれ。神奈川県横浜市出身。特技はボウリング、アクション、空手(少林寺)。趣味はLEGO、ギター、ボウリング、ドラゴンボール。1997年、ホリプロ・インプルーブメント・アカデミー第1期生として入所。6歳で芸能界デビュー。2003年から2006年までNHK教育テレビ『天才てれびくん』にテレビ戦士として出演。2007年よりホリプロに所属。2008年映画『ひぐらしのなく頃に』で初主演。2023年ミュージカル『スリル・ミー』では木村達成とペアとなり“彼”を演じる。近作にAmazonオリジナル映画『ナックルガール』、ドラマ『アイのない恋人たち』(朝日放送テレビ)、『366日』(CX)。主演ミュージカル『ミセン』2025年1月出演。

取材・文/えびさわなち
撮影/RYO SATO
 
 


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