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時間を戻して 藤原竜也&竹内涼真、現在地から見つめるスタートラインへの思い

■頭が真っ白に!?超絶スケールのアクション秘話

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百戦錬磨の藤原竜也竹内涼真が「冷静に考えたらスゴイことをしていた!」と目を丸くして驚く時間が、かつてあった。それはタイムリミット・サスペンス『太陽は動かない』(3月5日公開)でのこと。胸に起爆装置を埋め込まれた絶体絶命のエージェントに扮した2人は東欧ブルガリアで、日本では100%表現不可能なハードアクションに身を投じた。結論から言うと、細々とした撮影時のエピソードは忘却の彼方にあるという。それは単にロケが敢行された2019年から時間が経過したからではない。アドレナリン大量放出ゆえに、撮影時は頭が真っ白になっていたからだ。

ブルガリアで約1ヶ月に渡るロケを敢行。藤原は「首都ソフィアでのクランクインの夜に花火を偶然目撃して、みんなで『綺麗だね~!』と言い合って動画を撮ったりして楽しんだのもつかの間、翌日から橋から飛び降りたり、電車に飛び乗ったり、トラックの荷台で格闘したり。あの綺麗な花火を見てからの目まぐるしさと言ったら…。それ以降は記憶もおぼろげです」と命がけアクションの連続に苦笑い。

ド派手なカーアクション、走行する貨物列車でのワイヤーアクション、高さ10メートルの陸橋ダイブ。血沸き肉躍る驚愕の場面が多数クリエイトされた。竹内が「アクションはあと何シーン残ってる?という話ばかりしていましたよね」と振り返ると、藤原も「一般的な作品でいうところのクライマックスがほぼ毎日連続しているような感覚だった」と規格外な撮影であり、いまだかつてないアクション作品だと実感を込める。

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■癒しの時間は?ブルガリアの焼き肉とトレーニングジム

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緊張が続くシーンの合間には、もちろんリラックスタイムも。息抜き時間は、連れ立って行った夜ご飯タイムだ。「みんなで焼き肉を食べに行ったりして、それがブルガリアでのオフの楽しい思い出」と藤原が回想すると、竹内も「竜也さんとゴハンを食べに行ったり、お酒を飲みに行ったり。楽しかったですね」と懐かしがり「僕はトレーニングのためにブルガリアのジムに通っていました。それもリフレッシュのいい時間でした」と異国の地での充実ぶりを物語る。

エージェントとしてバディを組んだ二人だが、そんなオフタイムの交流もあって撮影中は身も心もバディの意識で共闘できた。竹内は「チームの中心には常に竜也さんがいてくださって、撮影後の食事に関しても音頭を取っていただいて。それによってチーム全体の士気が上がり、まとまりを感じることができました。その雰囲気作りは凄いです」と藤原の先輩としての心遣いに感謝。「撮影以外の場所でも竜也さんが信頼関係を築きあげてくださったので、水に浸かったり橋から飛び降りたりしても、思い切りやることができました」と悔いなく胸を借りることができた。

藤原も「僕自身も涼真に引っ張られた部分はあります。彼が物怖じせずに進んでくれるので、精神的にも支えられました。彼ではなかったら、怯んだり躊躇したりしてしまうところもあったと思う。涼真は想像以上に物語の世界に入り込んでくれて、僕としても非常に助けられました」と初共演の後輩に全幅の信頼を置いている。

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■今だからこそ語れる、初々しいスタートライン

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エージェントの胸には起爆装置が埋め込まれている。24時間ごとの定期連絡が途絶えると爆発するという仕掛けだ。…もし24時間という人生最後の自由時間が与えられたら?藤原は「家族で箱根温泉旅行!癒しに走る!」と妄想し「最後の晩餐は真っ白いゴハンに沢山の豪勢な料理を用意してもらって、お蕎麦とかもたらふく食べて、家族全員で温泉。『幸せだね~!』と言い合いたい」と親子水入らずの時間に充てるという。

劇中では藤原演じるエージェント・鷹野の新人時代の背景も語られる。初めての挑戦とは記憶に新鮮に刻まれるものだ。藤原と竹内にもしばし時を戻してもらい、俳優としてのスタートラインを俯瞰してもらおう。

竹内の心に刻まれているのは、初主演した特撮ドラマ『仮面ライダードライブ』(2014)で宿った「悔しい」という感情だという。「初回放送を見て、自分の演技のヘタさ加減にショックを受けました。その時に感じたのは悔しさ、そして焦り。元々スポーツをやっていて負けず嫌いだったのが良かったのか、そこからは『どうしたらいいのか!?』と自問自答。必死にもがきました。そんな悔しさがあったからこそ、1年半の撮影を走り切れたんだと思う」と俳優としての土台がその時間にはあるようだ。

一方、藤原の俳優デビューは、蜷川幸雄さん演出による主演舞台『身毒丸』(1997)。しかもロンドンにあるバービカン・センターでの初舞台だ。「そのために15歳で初めてパスポートを取得したのも忘れられません。でも初ロンドンに無邪気にはしゃいでいたら、蜷川さんから『風邪をひいたらただじゃおかないぞ!』とビシッと言われました」と若気の至りに照れ笑い。その時間を現在の藤原はどう捉えているのか?「当時の僕はイギリスで芝居をすることの重みを理解していなかった。だからこそ平気で舞台に立てたんだと思います。日本の演劇をイギリスに持っていくことがどれほどのことだったか…。今だからわかるところがある」と忘れ得ぬ貴重な経験として胸に置いている。

■「男らしくなった!」後輩・日向亘が取材現場をサプライズ見学

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実はこの2ショットインタビュー取材の場には、鷹野の青年期役で俳優デビューを果たした16歳の日向亘が取材現場見学としてサプライズ参加。同じ事務所の先輩である藤原と竹内は日向を見つけた途端「何歳になった?」「大きくなったね!」「男らしくなった!」と溺愛!?自分たちの若かりし頃を重ねるように、笑顔で迎え入れた。

取材見学を終えた日向は「最前線に立っているお二人ですから、取材の様子も勉強になります。改めていつまでもその背中を追い続けていきたい方々だと思いました」と憧れの眼差し。「藤原さんは男の中の男。僕の中ではカリスマ的存在。竹内さんは母親も大ファンで、そんな母に勧められてオーディションを受けたので僕がホリプロに入るきっかけになった原点的存在。そのような方々に色々と声をかけていただけるわけですから、人生何が起こるかわかりません」と喜びを噛みしめている。


【プロフィール】

藤原 竜也(ふじわら たつや)
1982年5月15日生まれ、埼玉県出身。14歳で『身毒丸』の主役オーディションに合格しデビュー。カンテレ・フジテレビ系「青のSP—学校内警察・嶋田隆平—」が毎週火曜21:00〜放送中。彩の国シェイクスピア・シリーズ第37弾舞台「終わりよければすべてよし」が5月から上演予定。

竹内 涼真(たけうち りょうま)
1993年4月26日生まれ、東京都出身。2014年ドラマ「仮面ライダードライブ」で初主演を果たす。日本テレビ×Hulu共同製作ドラマ「君と世界が終わる日に」が毎週日曜22:30〜放送中。初舞台・初ミュージカル「17 AGAIN」が5月から上演予定。

日向 亘(ひゅうが わたる)
2004年3月18日生まれ、群馬県出身。2019年HORIPRO MEN’S STAR AUDITION~未来のスターはキミ? それとも隣のカレ?~ でグランプリを受賞。カンテレ・フジテレビ系「姉ちゃんの恋人」に出演。雑誌「DUeT」「Myojo」にて連載中。

写真/玉村敬太
取材・文/石井隼人

藤原竜也
ヘアメイク/赤塚修二さん(メーキャップルーム)
スタイリスト/小林新(UM)

竹内涼真
ヘアメイク/佐藤友勝
スタイリスト/徳永貴士

日向亘
ヘアメイク/宮田靖士(THYMON Inc.)
スタイリスト/五十嵐堂寿


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