不満足RPGツクール

この記事はクソゲーアドベントカレンダー 1日目の記事です。

みなさんはRPGツクールというものをご存知でしょうか。1990年にアスキーからエンターブレイン(現KADOKAWA)に開発元が移ったのがRPGツクールシリーズの最初です。

最初はそれなりの知名度といった感じだったのですが、2000年にRPGツクール2000が発表されると、知名度は一気に上昇。変数の概念が追加されたことにより、より分岐の幅が増えたためより独創的なRPG(自作戦闘システムって流行りましたよね)、挙げ句の果てにはアクション(有名なものだとのびハザとかですね)まで制作できるようになりました。ここからRPGツクールはゲーム創作においてメジャーな地位を確立させます。そこからあまり人気では無い2003を挟んでXPが発表されます。ここからRGSSと呼ばれるスクリプト言語が登場した為、イベント以外の戦闘システムやメニューデータベースに関わる部分も手軽にカスタマイズができるようになりました。

ここまでPC版のRPGツクールシリーズについて書かせてもらいました。ここまでクソゲー要素無かったのでここからクソゲー要素を混ぜていきます()

自分語りから始まるクソゲーツクール

10年前、当時携帯ゲーム機であるDSのツクール「RPGツクールDS」が発売されました。当時RPGツクールに強い憧れを抱いていた少年の私はクリスマスプレゼントとして強請ったのでした。これが2010年のクソゲーオブザイヤーに選評されるぐらいにはクソゲー度が高いものだと知らずに…

どの面からとっても圧倒的に何もできない

このツクールがクソゲーである所以は仕様とバグが酷すぎて何も作れないといったところでしょうか。主なクソ要素をいくつかに分けて紹介します。

1.容量不足

このDSからコンシューマー、携帯機でも手軽にゲームを配布できるようにいろいろ方法が講じられてきました。今作では通常のFullモードとDPモードと分かれていてDPモードで制作したものは今作を持っていなくてもダウンロードプレイで遊べるといったものでした。しかしこれが本当にクソ。
DPで制作するとまず容量の異常な消費量に驚きます。データベース、マップやイベントの設定はもちろん、BGMの設定、魔法のエフェクト適用、モンスターのグラフィック適用とかでも万単位で吹き飛びます。これには理由があって、プレイに必要な素材の分もこの消費の中に含まれているからです。特にマップ関連は3、40万吹き飛びます。これがそれなりに2、300万あればまだそれなりのものを作ることはできたのですが(フィールドマップを使わないタイプのものとか、一昔に流行っていたWWAみたいなものとか…)、116万程度の容量なんですよね。何作るにもこの消費量の激しさでメモリの管理をしっかりしないとすぐ枯渇するので何もできないです、はい。
DPの消費がひどいなら従来のFull版でやればいいと思うでしょう?そんなうまい話はなく、前作のGBA版とは確かに2倍近くには増えているのですが消費量は4倍ほど増えている為実質容量下がっているらしいんですよね。そんなぁ…

またWi-Fiコネクションを使ってコンテストに応募することができたのですが、第1回目はなんとDPモードのみでしか応募できませんでした。しかしツクラーの涙ぐましい試行錯誤によってこのコンテストは何とか成功に収まります。このことによってクソゲーオブザイヤーの選評からは外れることにはなりました。

2.クソみたいな仕様

従来のツクール、というか最近のRPGに必須と言える要素がこの作品には欠けています。
まず属性という概念がありません。正直RPGのみならずアクションとかでも属性の概念というのは当たり前になってきているのですが、これにはそんなものはありません。PVで属性の概念があるように説明しているように見えますが実際にはそんなものはありません。よって弱点や耐性という概念も存在しません。また状態異常の耐性なども無いため、ラスボスにも状態異常かけ放題です。これはひどい
次に職業を設定しようと思って設定項目を見てみると16個あります。しかし主人公は8人までしかいない…じゃあこれは転職用の欄でしょうか?いいえ、転職ができませんので違います。公式からは「友人からのデータの保存用」とのことらしいですが、この職業の設定自体はそこまでできないため本当に必要あるかどうかと言われたら…
散々な職業の設定ですが他の要素もひどい仕様です。変数が無いので凝ったイベントはスイッチなどでなんとかする必要があります。プログラミングを少しでもやったことがある人ならイベント用に設定できる変数が無い、これがどういう意味かわかるはず。細かいことをあげるとすれば戦闘時にメッセージを出すことができないため、戦闘が完全に戦うだけというおざなりなものになってしまう…
ステータス関連では前述の属性&耐性無し、魔法関係の能力、ステータス増減の処理不可、スキルの忘却不可、レベル低下処理不可、即死技設定不可といろいろな不満点があります。これポケモンシリーズで言うと、
特攻・特防無し、タウリンなどのアイテム無し、第二世代以降の技忘れおやじが居ない、一撃必殺技無しといった点となります。不思議のダンジョンシリーズも含めればふこうのたねとかも実装できないので役満です。
スキルに至っては魔法関係の能力が無いため誰が打ってもほぼ同じ威力になります(というか乱数の範囲内でしかない)。クソです

3.あまりに多い不具合

ここで書こうと思いましたが、正直あまりにも多すぎるためにおそらくアドカレ発表の当日中に終わりそうにもなさそうなので…こちらのリンクに色々書いてありますので気になる人はどうぞ。デバッグ本当にしたの?って言いたくなる不具合が多すぎて笑えないのだわ

あまりに酷すぎて笑えないんですけどもう一つゲームの関係無いところで問題が発生します。前に「カルドセプト サーガ」というボードゲームで「猿楽庁」というデバッグやゲームバランス調整を請けもつ会社が「ユーザーにとって満足できる」ソフトに猿マークを付けていたんですが、そのカルドセプト サーガが同じように不具合関連でクソゲー(2006年クソゲーオブザイヤー次点)だった為にこの猿楽庁の猿マークの信頼が揺らいでしまった事件がありましたが、この作品のデバッグを請けもったのが猿楽庁でした。反省しなかったのかな?

最後に公式PVのリンク貼って批評は終えようと思います。PV詐欺と言われたプロゴルファー猿といい、クソゲーはPVに関してはしっかり作るんですよね。その情熱をゲーム本編に向けたらいいのに

最後に

この作品をプレイしたせいで、PC版(2000とVX)を1年後に強請ることになりました。ツールとしての出来は月と犬のフンレベルで違いました。

ここまで酷いとこの先クソは現れそうにもないのですが…2018年に現れてしまったんですよね。クソゲーオブザイヤー据え置き部門を大賞して戻ってきて。

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もうめんどうみきれよう。


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