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Yesの名作アルバム「Fragile(こわれもの)」の今更感想文

Yesといったら「危機(Close To The Edge)」というより、こっちというのが私の中にイメージがあるので。しかも所謂黄金期メンバーで制作されたアルバムなのでYesどころか1970年代のプログレを象徴するアルバムです。

このアルバムはバンドとしての4曲と各メンバーのソロの5曲からなる全9曲からなっています。実際にはこのアルバムから参加したリック・ウェイクマンだけ彼名義の曲が無いのは、前バンドのストローブスとの契約が残っていた関係上、彼名義の曲が収録できなかったという経緯となっています。なおこのアルバムに収録されるはずの曲は彼のソロアルバム「The Six Wives Of Henry Ⅷ(ヘンリー八世と六人の妻)」の「Catharine Of Aragon(アラゴンのキャサリン)」として収録されることになります。

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1. Roundabout

Writer: Jon Anderson, Steve Howe

説明不要なレベルで有名な曲です。ジョジョ始め後にミーム化されたことによってイントロに関してはみんな知っている状態までになりました(純粋にYesにハマってなけなしのお金で「危機」の次に買ったアルバムなのでちょっと複雑ではありますが)。歌詞に関しては本国の人たちも真意が未だ不明のようなので考えないほうが良いと思います。それがジョン・アンダーソンなので。

2. Cans And Brahms

Writer: Johannes Brahms

ウェイクマン演奏のブラームスの交響曲第4番第3楽章。正直埋め合わせ感が強いです。

3. We Have Heaven

Writer: Anderson

アンダーソンのヴォーカル多重録音作品。次の曲につながっています。最初はライブ演奏なんてされなかったんですけど、2000年に入ってから次曲とともにライブで演奏されるようになりました。

4. South Side Of The Sky

Writer: Anderson, Chris Squire

バンド演奏の曲で7分強あります。スティーブ・ハウのギターがこのアルバムの中で一番うねっている曲です。

5. Five Per Cent For Nothing

Writer: Bill Bruford

ビル・ブルーフォード作の40秒ぐらいの楽曲です。タイトルは前のマネージャーにロイヤリティを払わなくてはいけない皮肉らしいです。

6. Long Distance Runaround

Writer: Anderson

この曲自体はバンド演奏なのですがこのあと続く次曲につながるメドレーになっています。Wikiによるとドラムが5/8拍子、他のパートは4/4拍子になっているらしいです。

7. The Fish(Schindleria Praematurus)

Writer: Squire

前曲から続くクリス・スクワイア名義の楽曲。ライブではスクワイアのベースソロとして扱われています。Yessongsの演奏はもう圧巻の一言です。再結成後のツアーからはアラン・ホワイト(ブルーフォードの後任のドラマー、何気にYessongs以降脱退していない)のドラムソロと絡めてWhitefishという名前で演奏されています。タイトルはスクワイアのあだ名で、長湯を言い訳に遅刻をしまくることから来ているらしいです。

8. Mood For A Day

Writer: Howe

前作の「The Yes Album」のソロ、Clapから続くハウのアコースティックギターソロ。ライブのソロのレパートリーにほとんど入っている名曲。

9. Heart Of The Sunrise

Writer: Anderson, Squire, Bruford

アルバムの最後を占める楽曲。音楽に詳しく無くてもイントロのベースラインはとても美しいと思っています。たしかDramaと90125ツアー以外はセットリスト入りしている曲でもあります。

後記

Yesというバンドの大きな転換期となったアルバムといえるでしょう。前作までのキーボード担当のトニー・ケイがピアノとオルガンに拘りを持っていて、シンセサイザーやメロトロンなどの新しい技術を嫌っていたため、バンドとしては技術を取り入れたかったために対立したそうで…そういう経緯を経てケイを解雇して、新しい技術に明るかったウェイクマンに変更することになったそうです。

プログレ関係なく音楽界でも名作アルバムです…ですよね?

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