不妊治療をしながらパートで働く38歳Aさんのキャリア面談
不妊治療をしながらパートで働く38歳Aさんのキャリア面談を行いました
キャリア面談って何を行うのか想像が付かないながらも好奇心で申し込んで下さったAさんの面談の様子を基に、キャリア面談の流れをご紹介します
キャリア面談の流れ
①導入
「こんにちは」と軽く挨拶をした後、キャリア面談の守秘義務について説明し、お話し頂いたことは本人が特定される形で決して口外されないことをご理解頂きました
そして「どのようなことで今回はキャリア面談を申し込まれたのですか?」という問いかけで面談をスタートしました
②相談内容ヒアリング
Aさんは以前は9−18時で派遣で働いていた職場で、現在は9−17時のパートに切り替え働いているのとのこと
退社が1時間早くなったことで時間・精神の余裕が出たが、給料はダウン、ずっと仕事をやってきた人間としてパートの仕事にもの足りなさを感じています
一方でAさんは多趣味であり、教える資格を取得している趣味もあるとのことで、副業も考えています
趣味を仕事にした自営業の方が不妊治療との両立もやりやすいと考えていますが、安定した収入が得られるか分からず、今後治療のステップアップも視野に入れると会社員として働くのが無難と考えています
正社員だと不妊治療との両立は大変だと考えており、時間の融通の利く働き方となると派遣だと思っていますが、3年を上限に契約を切られるため収入が安定しません
③内省(自分自身を見つめる)
Aさんは趣味を仕事にしたいと考えていますが、不妊治療のお金のためには会社員で働く必要があると話していました
一見お金のために会社員として働くしかない、と思っているように見受けられますが、一方で今の仕事にもの足りなさを感じているとも語っていました
そこで、なぜもの足りなさを感じているのか問いかけたところ、昔正社員で働いていたことがあり、その頃と比べるとパートとして働くことでやれることに制限があることを歯がゆく感じているとのこと
働く時間が決まっており、定時には帰らなければならず、もっと役に立ちたいのに働けず、微妙な立場だと感じていることが分かりました
④目標設定
内省を通じて、お金も、もの足りなさも、どちらも解決するのが正社員としての働き方と思っていることが明らかになりました
では、正社員では本当に不妊治療との両立は難しいのでしょうか?
不妊治療は月に数回通院が必要になります
体外受精の場合は、採卵や移植で半日、もしくは終日かかる場合もあります
確かに勤務時間の短いパートや派遣の方が仕事を休む頻度は少なくなるかもしれません
しかし、フレックスタイムの仕事であれば、日中治療で働けなくても、その分夜や早朝に行うことも可能です
ましてやリモートワークが可能な仕事であれば、通院の時間待ちでも仕事が可能です
不妊治療の場合は、勤務時間が短いよりも柔軟な方が働きやすいと言えます
フレックスタイムやリモートワークがどの程度可能なのかは求人票に書いていないケースもあるため気になった仕事があったら実際に面接で確かめて見るといいでしょう
こうして、Aさんは今の仕事を続けながら転職活動を始めて見ることにしました
また、趣味を仕事にしたいというキャリアの目標も、地域の創業相談を活用しながら並行して検討することにしました
キャリア面談を受けて、Aさんは自分自身の固定概念に気づいたそうです
不妊治療とキャリアの同時進行は無理だと思い込み、自分を押し殺していたAさんですが、キャリア面談を通して自分を客観的に見つめ直すことで固定概念に気づき、次のステップが見えてきました
今後は、転職活動を進める中で自分自身に変化が生じたタイミングで再度キャリア面談を受けることになりました
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