パンタバートを日本のお米で作ってみた
今月、私が神戸で主催するレピスには、インド、コルカタから来日したSanjukta(サンジュクタ)の料理教室を開催していて、私も見たことのない数々の料理を作ってくれた。
サンちゃん(こう呼んでいます)は元々デザイナーで、コロナ禍以降世界中で広がりつつある、独自で発酵を研究するfermenterの1人でもある。
そんな彼女が、ワークショップで披露してくれたのが、この"パンタバート" Panta bhat である。
日本語で検索すると、「水ごはん」とよく出てくるが、なんとも美味しそうかと言われると正直微妙な響き。
サンちゃんに話を聞いても、「炊いたお米を1日発酵させて食べるんだけど、夏にもいいし私は大好きでよく作るのよ」という感じで、イマイチピンと来ない。
正直ワークショップの初日の朝に味見をするまで、どんなものなのか、お客さんは果たして気に入ってくれるのか、不安でいっぱい、、
けれど味見をした瞬間、「美味しい!」となり、これは味付け次第では日本でもいろんな人に勧めたい料理だと思っている。
料理ステップとしては以下の通り。
①ご飯を炊く(白ご飯)
②ご飯に水を入れて12-24時間、常温で発酵させる
③発酵が進んで水が白くなったら1度水を交換する。この時の水は捨てずに取っておく。
④ご飯を塩、唐辛子、レモンなどで味付けしていただく
単純に、「待つ」ことが重要な、甘酒などを作ったことがある方はわかると思いますが、いわゆる発酵フードの典型。
そして、丸1日たったご飯は、乳酸菌の働きが活発になっていて、まるでヨーグルトのような香りがする。
もちろん、インドではバスマティ米やパールボイルドライスで作ることが一般的で、サンちゃんがワークショップで披露してくれたものはバスマティライスで作っている。
日本米で作った感想としては、
・早く水を吸うためか、やわらかくなり若干お粥のように早くなりやすい
・味わいは日本米の方が若干甘みがあるので、噛めば噛むほど味わいがます
・味のミスマッチ感はほとんどなく、むしろこの作り方で日本の食材を合わせたい
乳酸菌の働きで、ご飯の栄養素が増し、消化が良くなるとワークショップ内でもサンちゃんが語ってくれた。
塩と少しのレモンで味付けすると、なんとも爽やかで食べやすい!これは日本の暑くなってきた夏にもぴったりだと感じた次第。
この料理には社会的な意味合いもあると少し話してくれましたが、料理をする過程ででた残り物を、女性たちが活用させるために編み出された料理だとも。
数年前に、バングラデシュの女性が、オーストラリアの料理番組でこの料理を披露しているのを見たことで、この料理はもっと注目を浴びるべきだと思ったとも。
👆🏻Facebookのビデオしか見つかりませんでしたが、実際での様子。
日本の気候でこれをやるなら、近年の暑い7-9月がおすすめかと思います。
だいたい30度ほどの室内に24時間放置してちょうど完成しました。
・ご飯からヨーグルトのような香りがしてきて、小さな泡が出てきたら完成の目安。すぐ食べない場合はそれ以降は冷蔵庫に入れると安心。
・発酵させる時は、金属はできるだけ避けて、陶器がおすすめ(土鍋と、ホーロー製で試しました)
・つけておいた水も栄養価の宝庫なので、捨てずに味付けして食べるとよい。飲みきれなかった場合はお米を炊く水に使うととてもよい。
(玄米を浸水と炊く時に使いましたが、いつもよりやわらかく仕上がった気も)
・24時間で発酵しなかった場合でも必ず一日に1度水を変える。
・水は必ずご飯がかぶるくらい。最初に入れてから時間が経つと水を吸うので多めに入れる。
そんなわけで、教室内で質問があったのでやってみました。
食べたあとは、お腹の調子も良くなって、ふんわり眠くなるような感覚もサンちゃんの作ってくれたパンタバートのようでした。
冷たく冷やしても美味しいかも?
まだ暑い季節のうちに、自由研究のように楽しんでみてくださいね。
レピス
神戸市中央区山本通1-7-15
東洋ハイツ1F-1E
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