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南仏・イタリア旅#1

去年の10月末のバカンス期間に南仏とイタリアへ旅行に行った。
少し時間が空いてしまったが、写真と一緒に文章を残しておこうと思う。

10月28日。一番安かったFlix Busでディジョンからマルセイユへ向かった。途中に5回ほどの休憩を挟んだ計8時間の道のり。寮で作って持ってきた簡単なサンドイッチを食べ、音楽を聴きながら延々とバスに揺られる。夜行バスは眠気も相まってあっという間に時間が過ぎるのだが、日中の長距離バスは果てしなく長い旅のように感じる。

陽が傾き、眩しい光がバスに差し込み始めた頃にマルセイユに到着。まさに地中海、見たこともない乾燥に強そうな木々が立ち並んだ景色。

マルセイユに来るときに一番不安だったのはその治安。フランス人の友人にもマルセイユは他の場所よりも気をつけろ、と脅されていたので気を引き締めてバスから降りた。確かに駅周辺は極端に移民の多いエリアであり、トルコかどこかに迷い込んだかと錯覚したほど。すぐに陽が落ちてしまったのでその日はホステルから出ずに眠ることにした。

公園で子供たちが爆竹を鳴らして遊んでいたり、落書きだらけの瓦礫や人通りが少なそうな通りが多く、かなりヒヤヒヤしながらホステルへと歩いた。この時点でマルセイユに2泊することにした自分を少し恨んだ。

次の日の朝、目覚ると手早く身支度をして外へ出た。朝ごはんはモノプリの隣にあったカフェでクロワッサンを食べる。レジのマダムが素敵な笑顔だったのでマルセイユに対する不安が少し和らいだ気がした。

駅とは反対側にある観光エリアへと歩いてみる。初めて見る地中海。晴れているのに少し霞がかったような景色で、海が穏やか。

マルセイユ大聖堂へと入ってみる。

この海側のエリアは観光客が多く、昨日とは全く違う印象を持った。手入れがされて、いかにも観光地の見た目を装っている。

地中海文明博物館にも行ってみる。

外観がなんともユニークで、ランダムな網目状になっている。常設展を観たが、第二次世界大戦あたりの現代アートと地中海発展の歴史についての展示だった。中々面白かったが、年末に行ったパリのポンピドゥセンターの展示が凄すぎて簡単に比べられるものではないな、と感じる。

当たり前の話ではあるが、入口のセキュリティチェックがかなり厳しかった。リュック一つで旅行をしていたので、ぐちゃぐちゃになった中身を見せるのは少し抵抗がある。カメラのレンズを見せる時に銃かなんかと間違えられまいか、などと要らぬ心配をするのもいつものことである。

このオフィスで仕事ができるの、すごいな。

メインの建物からは橋が架かっていて、他の建物の展示や展望台へ出ることもできる。

昼ごはんは宿の方面へ戻ってモノプリで出会ったおにぎり(アボカドツナ味、照り焼き牛肉味という訳の分からない具だった)を買って食べた。フランスどこへ行ってもあるこのスーパーにはいつもお世話になりっぱなしだ。

ご飯を済ませ、高台にあるNotre-Dame de la Gardという大聖堂まで歩いて登ってみることにした。かなり暑い日だったので汗だくで歩いたが、そこからの見晴しはとんでもなく素晴らしかった。

マルセイユは落書きが多い。よくこんな所に描くよな、という所に平気でカラフルな落書きがある。

皆反対側の地中海方面に釘付けであったが、私はこちら側の山と町の風景が好みだった。

観光地側にいると殆ど昨日のような移民の人たちを見ないというのも不思議だ。視界に入る人は皆観光客。バカンス中の人たち。切り離された別の世界を見ているようだ。

廃墟の塀にも落書き。

港まで降りてきた。奥にさっきまでいたノートルダムが見える。道中漫画屋なるものを見つけて少し覗いてみると、最近の人気漫画にジブリのアニメまでなんでも揃っていた。日本語のままの書籍も相当数あり、誰が買っていくのだろうかと不思議に思う。店内は結構賑わっていて、ガシャガシャの機械の前には子供達が群がっていた。

太陽の光の強さと暑さですっかり疲れてしまった私は早々にドミトリーへ帰って明日以降の予定を立てる。一部屋に8人の大部屋だったがベッドにカーテンが付いていて助かった。明日は少し東にあるニースへ行く。

身近な風景の写真を撮っています。
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