2021年卒の就職活動が始まりますね。

早い企業では募集やインターンシップが本格的に開始する時期にあります。私も学生時代、就職活動を4-5月から開始、一番最初の面接は、ある外資企業の7月初旬でした。

「最初から」、コロナ禍でオンライン・リモートがとなる今年の就職活動は、学生の皆さんにとっても、採用する企業にとっても、チャレンジの採用年になります。

私が就職活動した年は、東日本大震災が発生しました。まさに面接会場に行こうとしていた矢先に、地震に遭いました。

VUCAという言葉が出てきて久しいですが、歴史を見て、「確実だった」時代ってあるのかなと思います。単純に割合の問題で、確実・安定している「ように見える」時期が、一時的にあっただけ。

その前提に立つと、少なくとも「自分の中では、ここまでは調べて、理解して、こういった傾向がみえるから、こうしてみよう」という、確実性を上げるアクションがすべてだと考えています。できる限り誰が見てもそうだといえる、自分が納得しやすい「定量的」なファクトで根拠づけができると、尚良いです。

就職活動の虎の巻や各種書籍、ブログ、就活サイトなど情報もたくさんあり、惑うことも多いと思います。そんな時の情報の整理の仕方のヒントになればと思い、以下メモします。

直接就活における、ESや面接突破に役立つものではなく、考え方やプリンシパルに関するメモなので、その前提で読んでください。

①まず定量的に全体俯瞰、全体像を把握する。
就活支援事業者やシンクタンクが、レポートを出しています。そうしたものを、いくつか組み合わせて、「就職活動という経済活動は○○である」(企業側からみたら「採用市場」という人材マーケット)と自分の中で仮説が立つと、いたずらに惑わなくなります。

・そもそも「新卒」って、誰をさしている?
・その新卒って、何人いるの?
・その新卒って、いつから、就活をはじめているの?

②自分が興味のある業界・企業の市場全体の「位置」を把握する。
自分が興味ある業界や企業にかかわる仕事をしたいというのは、誰もが望むことだと思います(もちろん、今この世に存在しないサービスやマーケットを自分が作り出そう!というのも素敵です)。

昨年からのコロナ禍により、事業盛衰が著しくあります。とても不確実で不安に感じると思います。企業が付加価値を生み出すための源泉である、経営資源「ヒト」「モノ」「カネ」「情報」の4つの観点から、市場を俯瞰してみてみます。

大きな社会の動きがあるときには、生命に直結するところに4つの資源が集まっています。ではその流れをどうやって見るのか、「ヒト」なら採用市場の求人情報や雇用統計など、「モノ」ならマテリアル・先物市場など、「カネ」は株価や為替、投資情報など。「情報」は上記三つのすべてのことというと、逃げた感じがするので、インターネット上のトランザクション量や検索・投稿で増えたキーワード、世界中からアクセスが集中している情報など。

4つの情報を整理したときに、自分が昔から興味があり、そこで働いて、新しい価値を出したい、と思っている業界や企業が、今どんな状況にあるのか、を考えてみます。そうすると、そこで自分自身がプレイヤーとして働くべきなのか、今はその時期ではなく将来そこで働く、より高い価値を出すために、関係する別のスキルや経験を得られる「別」の場所を選ぶのか。

誰かに言われたからではなく、自分で調べて、積み上げてきた情報整理に基づいて、「決める」ことが、自分だけの「確実性を上げる」ことにつながります。自分で決めたことなら、納得感もあります。方向修正も自分でできます。

③「好きか嫌いか」「快か不快か」に立ち返ってみる
①②で情報を集めて、自分で整理したうえで、決めるまでの話をしました。

「だから最後の決めるところが、決められないから困ってんの」
「それが就活の「軸」とかいうやつでしょ」
「それがわかってたら悩んでないよ」
「結局、就職課も先輩も、面接受けた面接官も、親も誰も教えてくれない」
「もしかして誰も、わかんないし、自分で決めてないんじゃない」

という、悩みありますね。これは新卒の就職活動だけでなく、就職して何年キャリアを積んでも、折に触れて持ち上がってきます。

良くも悪くも、情報社会といわれて久しく、何でも知れる、何でも調べればわかる、何でもできる時代が今。選択肢は無限大です。これには枕詞がつきます。「為すべきことが自明である人にとっては」、選択肢が無限大で可能性に満ち溢れている。

「為すべきことが自明」な状態になるのは難しいです。では、どうするか。シンプルに「好きなこと」「快適・快感と思うこと」を思い返してみてください。それにかかわることは、人に言われなくても、自然に自分が普段やっていることです。

就職をして日々向き合う仕事は、必ずしもすべてが自分の意に沿うものばかりではありません(そんな職場を選んだのは自分でしょという言葉聞こえそうですが)。それが基本的には、一日、一年の大半を占めます。そうなると、嫌いだな、不快だなと思ってそれに対処するのに、大きなエネルギを伴います。無理をするべきところをしっかりと見極める。無理をするべきは、「好き」だと思える仕事。

「好きこそものの上手なれ」。よく言ったもので、最後にはシンプルに、これって自分が好きなことかな、とロジックは取っ払って考えるに尽きるのかなと思います。

※当然ですが、この好きか嫌いかの価値観が、他者を傷つけることや他者の不快になることであるのは、もちろん違います。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?