レオナール・フグ田

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山野弘樹『Vtuberの哲学』春秋社(後編)

前編で、Vtuberは即興劇、仮面劇ではないかというところまで書きました。では続き。 即興劇・仮面劇としてのVtuber。 自分も演劇にくわしいわけではないのですが、以下の論に必要なところだけざっくりまとめてみます。 即興劇というのは、その場その場でストーリーや演出が変わる劇で、往々にして観客との掛け合いなどに左右される。 観客の理解や参加を促すため、登場人物はステレオタイプな物である。これをストック・キャラクターという。 ストック・キャラクターというのは、例えば、落

    • 山野弘樹『Vtuberの哲学』春秋社(前編)

      読了はしましたが、なじみのない単語と文章で書かれた本であったせいか、ちゃんと読み切れていない。 Vtuberという存在の現状を、哲学の言葉で記述した本、 という理解でいいんだろうか? この本のVtuberについての記述にはどこか違和感がありました。自分が実際に見ているVtuberは、別物のように思われたのです。 書評とは言えませんが、この本を読んだ結果、自分はこう考えた、という事を書きたいと思います。 自分はVtuberという存在を知ってからまだ日が浅く、名前が分かる方

      • 『はじめての』水鈴社(アンソロジー)

        『はじめての』 読了。 予備知識なしで読み始めて、ずいぶん若いヒト向けだな、えっコレSFなの、とか色々驚いたんだけど、全部読み終わった後で、書き下ろし小説にYOASOBI楽曲を当てる、というコラボ企画だったと知って納得。 YOASOBIのPV視聴。四本ともストーリーを追った形なので、見る前に読んだ方がいいかな。ああ、ココこういう風にヴィジュアル化したのか! と気持ちよかったです。 『私だけの所有者』島本理生 「初めて人を好きになったときに読む物語」というけれど、いいのかし

      山野弘樹『Vtuberの哲学』春秋社(後編)