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《小説》おばあちゃんの手紙

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朗読手書き小説としてYouTubeでもお聴きいただけます♪ 寝る前に流し聞きなどいかがでしょうzZ 【あおいろ万華鏡ch】にてお待ちしております🩵
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2022年10月の記事一覧

おばあちゃんへの手紙 14-3

おばあちゃんへの手紙 14-3

”感謝して すべての人の幸せを祈り、
有木伸宏 78歳 四国霊場巡拝119回”

「感謝して…すべて…119回…」

何もかもが衝撃だった。

返す言葉もない。

ただただ自分がない。

自分がなければ不安や悩みも存在が許されず、
さぞ心穏やかで清々しい境地であろう。

そこにあるのはもはや尊い祈りだけなのだ。

「祈りと一つになっている…」
私は小さく呟いた。

隣で覗き込む愛も
一瞬で目頭を熱

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おばあちゃんへの手紙14-5

おばあちゃんへの手紙14-5

「みんな当たり前じゃない。」

少ししわがれているが
胸に染み入る温かい声であった。

「ここを歩くお遍路さんには
懸命な決意と発意がそこにある。

そして、そうした気持ちの隣には
お大師様が必ず寄り添ってくれている。

”同行二人”。

そんな尊いものを目の当たりにすれば、
それに感応できる人は皆そこに仏を見ます。

拝みたくなります。

つまり我々は
自分の発願のために
回っているようでありな

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おばあちゃんへの手紙14-6

おばあちゃんへの手紙14-6

毎日毎日、
日々の営みを淡々とひたむきに
生きている人たちも、

人生というお遍路道を歩いているのと
同じなのだと。

不平不満を言わずに
人々が黙々と日常を生きる姿に仏を見るのです。

拝みたくなるのです。

日常を生きる人々が、
白衣を着てお遍路をする人々に感じるように、

私も日常を懸命に生きる人々の無垢な姿から
勇気と生きる力をいただくのです。

灯として照らされるのです。

気づくと、

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