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大規模コラボレーションで研究してるとよくあること (前編)

こんにちは、男子マラソンの大迫傑選手のインタビューを聞いて、自分も頑張ろうと、勝手に感動していた塚田です。

引っ越しやロサンゼルスへの小旅行で立て込んでいて記事更新が遅れてしまいました。
マンモス研究グループに所属しているとよくあることをつらつら綴りたいと思いますが、記事一つの文章量を抑えたいため、前後編に2つずつ取り上げていきます。
まず今回は以下の2点です。

1. 論文内の著者リストと所属先リストが長い。


最初に思い浮かぶのがこれかなと思います。


以前Twitterにあげた動画になりますが、著者リストだけで4ページ、所属先リストも入れると最初の8ページはこれだけで終わってしまうほど長いです。コラボレーションに含まれるほぼ全ての構成員が『アルファベット順』で並べられています。先頭を飾るのはAbbott氏、今のところこれに先行する苗字は見たことがありません。
知っている方は教えてください。

引用される時は必ず"B.P Abbott et.al"になるので、不公平と思われるかもしれないですが、さすがにこういう事情も界隈の中だと知れ渡っていて誰も気にしません。また、コラボレーションとしての論文が年何十本と出るので、気づいたら自分が著者リストに載ってる論文が出ているなんて自体にもなり得ます。ということもあり、形式的な論文の引用数は正直あてにならずコラボレーション内でどれだけ名前や仕事が知られているかが将来のキャリアの分かれ目になります。(これは後日詳述します)


余談ですが、自分の苗字の"TSU"という綴りは日本特有らしく、自分の前後にいる"TSU"から始まる人は全員日本人です笑


2. 遠隔会議の数が半端じゃない(と思う)


「(と思う)」を付け足したのは、他の研究者が行っている会議の数の平均値を把握していないためで、あくまで主観的なこととしてとらえてください。

Penn Stateに来てまず見せられたのは以下のリストでした。

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これに加えて、自分が独自で関わっているプロジェクトに関する会議4つほどが追加されます。さすがに多すぎるので毎週欠かさず出るというよりかは、いくつかは隔週にするとかにして時間を節約しないと自分の研究ができなくなります。また、聞くだけならまだしも、自分が進捗報告をしたり積極的に議論に参加すると1時間でかなりガス欠になります。そういうのも踏まえてスケジュールを調整しないと、安定した研究生活を送れなくなってしまうので、自己管理は常日頃からの課題です。


アメリカに身を置いて感じたことは、これらの会議が常識的な時間に行われるため上記のようなコントロールがしやすいということですかね。日本にいるときはこれらの会議がほとんどが深夜に組まれるため強制的に睡眠リズムを崩されてとても苦労しました。そいういう意味でも、時差は科学技術がどんなに進化しても付きまとう課題なのかなと思います。
これもまた後日詳しく話しますが、この数多くの遠隔会議が英語学習にも一役買っていて、電話越しのリスニングに慣れたり、「議事録係」という絶対的ラスボスの存在を知ることができます。



とまあ、今回はこんな表面的な事項で留めて、次回は研究者としてよりクリティカルな点を述べたいと思います。

では。

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