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【本紹介】人も自分も操れる!暗示大全

本書は『暗示』を使って、人と自分を操る方法について解説しています。

暗示は人の無意識に大きな影響を与えており、その使い方を学ことで、人も自分も意のままに操ることがきるようになります。

こんな方におすすめ!


・無意識が行動に及ぼす影響を知りたい

・自己暗示をかけて目標に近づきたい

・周りの人の行動を変えたい

・宣伝効果をアップさせたい


暗示とは何か?無意識が行動に与える影響

無意識の影響


私たちの行動のほとんどは「無意識」によって決まっていることはご存知でしょうか。

私たちが「自分の意思でやっている」と思っている行動のほとんどは、私たちの意思とは無関係に「なんとなく」やっているに過ぎないのです。

例えば、買い物をしている時、皆さんは価格や特徴を吟味して、「自分の意思で買っている」と思っているでしょうが、実はその行動も無意識の影響を強く受けています。

研究事例


イギリスのワインショップで行われた実験では、1日目にドイツのBGMを、2日目にフランスのBGMを流しました。

すると、ドイツのBGMを流した日にはドイツ産のワインの売り上げが上がり、フランスのBGMを流した日にはフランス産のワインの売り上げが向上したのです。

つまり、お客さんは、知らず知らずのうちにBGMによって買うワインを誘導されたということになります。

他にも、コルゲート大学の研究では、異なる匂いを染み込ませた、同じストッキングを販売したところ、「スイセンの花」の匂いのついたストッキングを選んだ人は、匂いなしのストッキングを選んだ人の6倍以上にもなりました。

この研究の面白いところは、ストッキングを選んだ後に、選んだ理由を聞いていて、その理由のほとんどが、同じであるはずの「デザイン」や「材質」であり、「匂い」を選んだ理由にあげた人が全くいなかったというところです。

これらの研究結果が示すように、私たちは知らず知らずのうちに「無意識」の影響を受けて行動しています。

そのため、無意識の操り方を知ることで、自分も他の人も、意のままに操ることができるようになるのです。

この「無意識」を使って操ることこそが、本書の最大のテーマである「暗示」です。

暗示の活用事例


暗示というのは、特別なものではなく、身近なところにもかなり多く活用されています。

例えば、万引き防止などで、「人の目」が描かれているポスターを見たことがあるでしょうか。

あれは、「人の目」によって、見られているという感覚を無意識に与え、万引きをしないように誘導しているのです。

このように、暗示は知っていれば、武器になりますが、知らないと操られるだけになってしまいます。

皆さんも暗示の使い方を知って、操る側の人になりましょう。

暗示で自分を操る方法

自己暗示


自分で自分に暗示をかけることを自己暗示と言います。

自分に正しく暗示をかけることで、やる気や能力を向上させたり、メンタルを良好に保ったりすることができるようになります。

「今日はなんか気分がいいな」と思って、すごい仕事が捗った。

逆に、「今日はダラダラしないようにしなきゃ」と思ったにもかかわらず、ダラダラしてしまった。

こんな経験はありませんか。

これは、自己暗示が影響しており、「今日はなんか気分がいいな」というのが「正の自己暗示」で、「ダラダラしないようにしなきゃ」というのが「負の自己暗示」です。

私たちは、気づかぬうちに自分にマイナスな影響を与える「負の自己暗示」をかけてしまっていることがあり、それをプラスな影響を与える「正の自己暗示」に書き換えることで、自分を操ることができるようになります。

正の暗示と負の暗示


では「正の自己暗示」と「負の自己暗示」の違いはなんでしょうか?

「お金持ちになる」のような意気込みや「告白で振られたくない」のような考えも自己暗示の一つです。

これは一見すると、「正の自己暗示」のように見えますが、

「お金持ちになる」と言いつつ、心のなかでは、「多分無理だろうな」と思っていたりとか、「告白で振られたくない」と思いつつ、頭の中では振られる自分の姿が浮かんでいるなんてことありますよね。

これは「負の暗示」になってしまっていて、かえって「失敗」に近づいてしまっています。

正の暗示をかける上で最も大切なことは、「うまくいっている情景をイメージすること」です。

お金持ちになりたいのであれば、「お金持ちになっている自分の姿」をイメージしましょう。

告白を成功させたいのであれば、「OKをもらっているところ」をイメージしましょう。

こうすることで、正の自己暗示をかけることができ、実際に自分の行動にも変化をもたらします。

スポーツをやったことがある人であれば、プロ選手の動きを動画でみた後、自分もなんかうまくできたなんて経験をしたことがあるのではないでしょうか。

これは、プロ選手の動きをみることで、「うまくいっている情景」が頭の中でイメージでき、それによって実際の自分のパフォーマンスも向上しているのです。

正の暗示をかけるポイント


うまくいっている情景をイメージする上で、重要なポイントが、「〇〇しない」ではなく「〇〇する」という暗示にすることです。

先程の例では、「お金持ちになる」というのは「〇〇する」という暗示になっているので、問題ないです。

一方で、「告白で振られたくない」のように「〇〇しない」という暗示をかけてしまうと、「うまくいっていない情景」イメージしやすくなってしまいます。

他にも、ダイエットのためにお菓子を食べたくないからと言って、「お菓子を食べない」と暗示をかけてしまうと、「イメージされるのはお菓子」であり、むしろお菓子を食べるようになってしまいます。

これは、シロクマ効果と言って、考えないようにすればするほど、余計にそのことについて考えてしまうということが原因です。

そのため、暗示をかけるときは、「野菜が好きで野菜をたくさん食べる」のように「〇〇する」という暗示をかけるようにしましょう。

同じように「告白で振られたくない」と思った時でも、「告白を成功させよう」と考え、「OKをもらっている自分をイメージ」することが重要です。

自己暗示についてまとめると、「なりたい自分に、なっている様子をイメージする」ことで、本当になりたい自分に近づけるということです。

これをうまく使って皆さんも、自分を誘導してみてください。

暗示で人を操る方法

暗示と指示


「〇〇して」というのは、「暗示」ではなく「指示」にあたり、無意識ではなく、意識に働きかけています。

「指示」がうまくいきにくい理由は、ヒトは自分の自由が奪われることに強い反発を覚えるようにできているからです。

親に「宿題をやりなさい」と言われて、素直にやる気にならないのはこのためです。

他にも、東京ディズニーリゾートの園内は、いつもきれいに保たれていますが、「ゴミを捨ててください」や「ポイ捨て禁止」のような張り紙は一切ありません。

「指示」が逆効果になるということがわかっているからです。

その代わりに、ディズーの中にはたくさんのゴミ箱が設置してあり、「ゴミをいつでも捨てやすい」ようにしているのです。

これは、人の「とりやすい行動」をとるという性質を利用しています。

皆さんも、人の行動を変えたいと思う場合は、「指示」ではなく、「暗示」を使うのが有効になります。

では、人を操る暗示の使い方を5つ紹介します。

人を操る暗示の使い方①:期待


人は期待されると、それに応えようとする性質があるため、相手にとって欲しい行動を期待することで、その行動を誘導できます

もっと優しくして欲しいなら「優しいね」言いましょう。

もっと勉強して欲しいなら、「勉強熱心だね」と言いましょう。

褒めるという行為は「期待」を伝えることでもあるので、「褒める」ことによって、相手の行動は徐々に変化していきます。

人を操る暗示の使い方②:望ましい行動をした人を褒める


1つ目の「期待」と少し似ていますが、これはより間接的な働きかけになります。

もっと優しくして欲しい場合、先ほどは、「対象とする人」を直接褒めることで、「期待」を伝えました。

この方法は「対象」とする人の周りの人で「優しい行動をとった人」を積極的に褒めるというものです。

こうすることで、間接的に「期待」を感じさせ、行動を変えることができるようになります。

人を操る暗示の使い方③:行動で示す


ヒトにはモデリング効果と呼ばれる、「他の人の行動を真似しようとする」性質があります。

他の人が口ずさんでいた曲を、気づいたら自分も口ずさんでいたなんてことがあると思いますが、これもモデリング効果の一つです。

この性質を利用して、とって欲しい行動を「自分でやってみせる」ことによって相手の行動を変えるのが「行動で示す」になります。

きれいに片付けて欲しいなら、まずは自分が片付けている姿を相手にみせることが重要だということです。

人を操る暗示の使い方④:社会的誘導を使う


ヒトは「仲間はずれ」になることを恐れる傾向にあるので、「みんながやっている」ことは「自分もやらなきゃ」と思いやすいのです。

そこで、とって欲しい行動を「みんな」やっていると伝えることで、その行動を相手に取らせやすくすることができるのです。

例えば、商品を買って欲しいなら、「いい商品ですよ」というよりも、「みんな買ってますよ」という方が効果的ということです。

人を操る暗示の使い方⑤:権威バイアスを使う


権威バイアスとは、「権威のある人が言ったことは信じやすい」というものです。

テレビでは、よく専門家が出て、意見を述べていますが、それはまさに権威バイアスを使っています。

他にも、テレビのCMで白衣を着た人が商品紹介をするというものがありますが、それも権威バイアスを使ったものです。

論文などの情報の出典を示した方が、情報の信憑性は高いのですが、専門家が言った方が私たちは信じやすいのです

これは、「専門家も認める!」や「プロが教える!」のようなキャッチコピーを使って、信頼度をあげるといった使い方ができます。

まとめ

自分も人も意のままに操ることができるようになる方法として、暗示とは何か、そして、自分に使う方法とヒトに使う方法について解説しました。

暗示というものは、一つで確実に効果が出るものではないので、この中のいくつかを組み合わせて使うと、より一層相手を操ることができるようになります

今回紹介した「暗示大全」では、この他にも、たくさんの暗示の活用例が紹介されています。

気になった方はチェックしてみてください。


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*YouTubeでも本解説チャンネルを運営しています!

気になった方は、https://www.youtube.com/channel/UClLOaYw5yzW-3Gv0ilRKdiAまで!


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